共通テスト「世界史」対策:古代~近世ヨーロッパ史をおさえられるようになる400年ずつのタームとは?
こんにちは、井出進学塾です。
共通テスト「世界史」の過去問解説を、これから毎年、執筆していくつもりです。その際、このテーマについては何度か説明することになるので、先に別記事として、上げておくことにします。
世界史の勉強で、細かい年号まで覚えようと思ったら、きりがないです。
やはり大まかな歴史の流れをおさえ、各できごとが、どのくらいの時代に起こったか?それをおさえられることが大切です。(私の解説では、それを「時代感」と呼んでいます。)
時代感をつかむためには、先に枠組み(わくぐみ)をつくっておくことが有効です。ヨーロッパの歴史は、次の400年ずつのタームでおさえられます。
これを、そのまま写すのではなく、下の解説をみながら、自分で簡単な年表をつくってみるようにするといいでしょう。
⑴「0~400年 帝政ローマの時代」
共和政ローマの終わりに、オクタウィアヌスがアウグストゥス(尊厳者)の称号を受け、事実上、皇帝となり「帝政ローマ」が始まります。
それが紀元前27年のことです。
0年くらいから帝政ローマがはじまった、とおさえておけばいいですね。
(注:厳密には、紀元0年は存在しません。1年から、はじまります。)
そして、ちょうど紀元400年ごろ、375年にゲルマン人の大移動がはじまり、395年にローマ帝国が東西に分割されるので、⑴「0~400年 帝政ローマの時代」とおさえられます。
⑵「400年~800年 ゲルマン民族の移動期」
次の400年をみると、ちょうど800年というきりのいい年号で、カールの戴冠(800年)がありますね。カールの戴冠は、西ヨーロッパ中世世界の誕生を意味するので、重要な区切りです。
⑶「800年~1200年 教会の権威が上がっていく時期」
中世ヨーロッパ世界では、カトリック教会の権威がどんどん強くなていきます。そして、このタームの最後の12世紀(1100年代)、その象徴として十字軍の派遣が始まります。
⑷「1200年~1600年 ルネサンス・新航路の開拓・宗教改革」
教会の権威が落ち始めていきます。
一方、「市民」が力を持ち始めます。
ルネサンス・新航路の開拓・宗教改革なども、それが背景としてあります。
⑸「1600年~1800年 絶対王政→市民革命」
近代になって動きが激しくなってくるので、ここは200年のタームでとります。
絶対王政が始まる時期は、国によって前後しますが1600年を基準に考えるとよいでしょう。1600年の少し前や少し後に大きなできごとがあり、それが全体をおさえるための有効な情報になります。
また、フランス革命(1789~99)は18世紀(1700年代)の終わりなので、1800年は、よい区切りです。
⑹その後
19世紀(1800年代)に入るとナポレオン戦争に始まる一連の流れがありますが、それは問題の解説の中で触れていきます。
どちらにせよ、19世紀については「19世紀の歴史感」をつかめるように努めて、勉強していくといいでしょう。
また、20世紀に入ると現代史に入るので、2つの大戦を軸に、もう少し細かいタームに分ければよいですが、これについては、また別の解説記事で紹介します。
日本史との関連
この400年ずつのタームが有効なのは、「日本史」の400年ずつのタームとシンクロするからです。
世界史を勉強しているみなさんは、日本史は使わないからよい、ということはありません。横のつながりを固めていくため、中学で習った日本の歴史は、基準の1つとしてもっておくといいです。
中学の歴史の教科書を、読み返しておくことは、強くおすすめします。
(私が高3のとき、弟が中1でした。夏休みになにげに弟の歴史の教科書をみてみたのですが、みた瞬間「勝った」と思いましたね。重要ポイントが、みごとにまとめられていて〔高校の歴史を勉強中の人からは、そうみえるはずです〕、いろいろなところがつながりました。)
とはいえ、なかなかその機会を得られない人もいるでしょうから、以前に書いた解説記事を紹介しておきます。
こちらをみながら、先につくったヨーロッパの年表のとなりに、つけ加えていくとよいでしょう。
実際の過去問解説は、こちらです。
世界史は、けっして暗記教科などではない、・・・ということが、わかる内容です。
最後に・・・
2021年度共通テスト解説の「化学」「世界史」共通タイトル画像として、とても素敵なイラストを描いていただけたので、ここにも貼っておきます。
以上です。
コメントなどいただけると、とてもうれしいです。
執筆:井出進学塾(富士宮教材開発) 代表 井出真歩
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