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Xデザイン学校第8回:ユーザー評価法

行動の変化メモ

Xデザインに通いはじめて10ヶ月め、講義も大詰めに入っている感がある。通いはじめは、講義についていく余裕がまったくなく、宿泊は毎回ドーミーイン・頭がすでにくたくたの状態からアンカンファレンスa.k.a.懇親会で他の視点を得て・チェックインしたら振り返りを書き・風呂(このためにドーミーイン)・寝る・起きてチェックアウト前に読み直して投稿・ランチだけ大阪でとって(せめてものご褒美)・新幹線へ、という毎回まったく同じルーチンをただただこなした。ただの修行。
前回からは、なんとなく宿泊先を変える精神的余裕が出てきた。ためしに泊まったドミトリーは失敗だったので今回はドミトリーをやめて、先日台北ワークショップのとき泊まったホテルに雰囲気が似ているかもと思ったところを選んでみた。
最近自分の宿の好みがわかってきた気がするので、今度noteに書こうと思う。車の運転で例えたら、これまではただただハンドルを必死につかんで真ん前しか見えていなかったのが、左右にも目を動かせるようになったかもという感じ。でも、遠くを見る余裕がない。飛び出されたら、あぶないw

アセットを知れば百戦殆うからず

講義冒頭で福岡市にあるスーパー「TRIAL」の事例を聴きながら、頭のなかでは要素技術という言葉を何度も反芻していた。
Panasonic社には複数の要素技術があるのに、部門を横断しいかに組み合わせて使うかというアイデアが自社からは出てこず、いちローカルスーパーがこうして実証実験を行なっている(共同ではあるものの)、と。
己を知ることは難しい。経営者がコーチングセッションを受けるように、企業もときには外の目を借りて自社のアセット、要素技術を見つめてみる必要があるのだな。
それを目の前に並べたとき、なにをより良いものと捉えるのか、人間としての思想や倫理観が問われるなあ。

何度も経験することの意味

今日、「UI」という言葉をやっとバージョンアップできたと思う。
先生は読んで字のごとくユーザーインターフェースと言っているのであって、ひとこともスマホの、PCの、とは言っていない。
日頃目や耳にするUIという言葉は画面の話ばかりなので、無意識にその文脈で捉え、縛られていた。
ちょうど先週、2-3年前の何かのイベントで浅野先生が講演されたときのメモを偶然見つけた。なになに、と読んでみると、お前当時「なんかわからんがとりあえず書き留めた」だろ、という内容がそこにあった。
浅野先生って何度も同じ話を、少しずつ最新の情報にアップデートしながら言ってくれる。その時わからなくても、何度も何度もそれに関わっていると、自分のなかにも解釈が形成されていくのが、さながら言語学習のようだな。

つくって、こわれて、またつくる

前回までで作ったアクティビティシナリオと簡易ストーリーボードを見ながら、詳細ストーリーボードとワイヤーフレームを書き起こした。
後半まで推敲する時間はなかったけど、頭のなかで小説の表紙をめくって、最初の1ページ目を開くところを浮かべながら書き出しを考えた。そうやって「制作者たち的には」がんばって考えたストーリーをウォークスルー評価してもらってみると、初っ端から被験者につたわっていない。何も想定どおりにならないw 
1回目のテストが終わるや否や、自分たちのプロダクトに「見える」ものがないかと会場内を探す。とりあえず椅子を二脚引き寄せて「ステーション」に、ペットボトルをひとつ置きそれを「ポッド」に見立てて、謎の装置を作り上げた。
我ながらこの短時間でいい出来だ!
…そして2回目も失敗に終わるw 「ステーション」を気にも留めてもらえない。「何」なのかわからないのだろう。

手元に被験者への事前説明をまとめ3回目に臨んだ。

・この文章を声に出して読んでください
・読み終わったら、思ったことを口にしながら実際にボタンを押したり行動してください
・スマホ以外にもUIがあります(ステーションというものがこれです、ポッドはこのペットボトルのことです)

最後もやはりQRコードをかざすという想定行動をしてもらえない。「ポッド」も手に取ってもらえなかった。
QRコードの箇所の迷いが長かったので聴き取りをしてみると、被験者は「QRコードをかざす」行為の経験がなかった。QRコードは、スマホカメラを立ち上げて読み取るものであり、すでにスマホに表示されたQRコードを別の筐体にかざすという発想がないのだ。飛行機搭乗時のピッを例に挙げると、ああ〜!とわかってくれた。
テスト終了後の振り返り前に、今あるものでとりあえず「ステーション」を表現しようと思い、皆でペットボトルを6本にしたりと頭のなかにあるそれの状態に近づけた。(黄色いポストイットは該当ポッドが光っている様子)

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振り返りでは、問題を
・評価設計/インフォームドコンセント不足
・UIまたはストーリーボード自体のエラー
に分けて洗い出した。
あたらしい体験を提供するとき、当然ユーザーはそれをまだ知らないのだから、つたわる表現を丁寧に練らないとこうなるのだなと実感。

あと2ヶ月

前回のペーパープロトタイピングは制作者が自分たちで確認するためのものだった。今回、ユーザーに使ってもらう評価を行なって、この後は受容性(それが受け入れてもらえるのか)評価と続く。
自分たちとしては繋がっているつもりのルートが、相手に歩いてみてもらうとぶちぶちと途切れているのがわかる。

想定ユーザーにあらためてヒアリングしたいし、そもそも今回のテーマ企業さんがやるべきことなのか考えたい。

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(ここはチェックアウトした後も一階のカフェで朝食を取りながらこうして長居できるからよい・・・)

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