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クライマーとアイシング

今回はクライミング中に打撲や捻挫を含めた
「怪我」をしていない方を除き、
疲労の軽減を目的とされているアイシングが
本当に必要なのか考えるきっかけにしていただければ幸いです。

ぼくはクライミング中に怪我をしていなければ「クライミング後のアイシングは必要ない」と
考えており、実際にアイシングはしていません。

以下にその理由をお伝えしていきます。

クライミングの後にキンキンに冷えた氷水で
アイシングをしてから家路に着く方が
いらっしゃると想うのですが、
なぜキンキンに冷えた氷水で行うのか
その理由を考えたことはありますか?

スタッフに勧められたから?
有名人、劇強クライマーがしているから?

人は温度に対して「43度以上」の刺激と
「15度以下」の刺激に対しては
「痛み」として感知するシステムがあります。

そして「痛み」を脳が感知すると
交感神経の働きが優位になります。

また、気温の低下に伴う「寒さ」も
交感神経の働きが優位になる要因になります。

交感神経の働きが優位になるということは
心身ともに臨戦態勢になり
「闘争」か「逃走」の準備をします。

筋肉は緊張し、皮膚や内臓の血管が収縮することで循環が低下し、内臓の働きも抑制されます。

その結果、
クライミングにより酷使された筋肉の
小さな損傷に伴う痛み物質や
疲労物質が内臓に流れて処理されず
局所に蓄積してしまいます。

その小さな小さな蓄積が積もりに積もって、
怪我の要因になってしまうことが考えられます。

ぼくたちのような趣味のクライマーは、
仕事や学校帰りの夕方から夜間に登る方々が
多いのではないかと想います。

人の身体のリズムを考えると
夕方から夜間にかけて
副交感神経の働きが高まり
睡眠中に脳と心身に蓄積された
1日の疲労を回復してくれます。

そのリズムに合わせ
回復力を高めるためにも、
登り終わった後にはお風呂で湯船に浸かったり、
ゆっくりと過ごすことで心身をリラックスし、
副交感神経の働きを促し
クライミングの疲労や小さな筋肉の損傷を
回復したいはずです。

それにも関わらず、
キンキンに冷えた氷水で
アイシングをするにより
交感神経を優位に働かせてしまうことは、
上記の身体のメカニズムから
本当に心身のために良いことなのかと
考えていただきたいのです。

そんなことを言うのなら
「クライミングをした後には何をしたら良いのか?」

・皮膚や筋肉や内臓を温めることで血流を良くし疲労物質や痛み物質を速く流す。
・リンパと血管の合流部となる鎖骨周囲の皮膚や筋肉を緩める。
・副交感神経の働きを促す。

具体的な方法としては
・腹式呼吸をする。
・前腕や鎖骨周囲の皮膚をつまんで柔軟性を高める。
・軽めのストレッチや有酸素運動をして循環を高める。
・湯舟にゆっくりと浸かり全身を温め循環を高める。
・好きな香りを嗅ぐ。
・リラックスできる音楽を聴く。

などのことをして副交感神経の働きを促し
回復力を高めていただきたいと考えています。

逆に、寝る前にスマホやパソコンをする。
寝る時に頭のすぐそばにスマホを置いて寝る。 などの習慣は交感神経の働きを促してしまうので
控えることをお勧めします。

簡単にまとめると、
クライミング中に打撲や捻挫などの怪我をしてしまった場合は安静にして冷やす。

怪我をしていない場合には、
副交感神経の働きを促すために
筋肉や皮膚や内臓を温め
緩めて血流を良くし
疲労物質や痛み物質を速く流す。

などのことを覚えていただけたら幸いです。

ご意見、反論などもいただけると幸いです!

いつまでも怪我なく楽しく
好きなことを続けましょう!

お付き合い下さりありがとうございます。

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