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親が子どもを誘拐する理由

 この記事は非営利団体テイクルートの「Why Parents Abduct Their Children」を翻訳したものです。
 テイクルートは、元誘拐された子どもたちが米国司法省からの助成金を受けて設立した初の行方不明児童団体です。

テイクルート灰色文献「親が誘拐をする理由」     ©Take Root 2009


親が子どもを誘拐する理由

Liss Haviv & Janet Brodsky, LICSW 著

 家族による誘拐は、様々な種類の家庭内の状況で発生する。テイクルートには、両親が別居していたり、離婚していたり、結婚していたり、あるいは結婚していなかったりする会員がいる。同居していた親に連れ去られた会員、訪問先の親に連れ去られた会員、それぞれの親の家を行き来していた会員もいる。家庭内暴力が続いていたため、家から逃げた親に連れ去られた会員もいる。連れ去った親と深い絆で結ばれていた会員もいれば、その親を恐れていた会員もいる。会ったこともない親に突然連れ去られた会員もいる。

 テイクルートのプログラムでは、誘拐された元子どもたちと接する中で、親がわが子を誘拐する理由として、次のようなことが明らかになっている:

  • 自分自身の夫婦関係に対する不満や嫌悪感を、もう一方の親が子どもにとって悪い存在であることを意味するものと混同している。

  • 監護権や訪問権を失うことを恐れている。

  • もう一方の親が欲しがっているもの(即ち、子ども)を取り上げることで、もう一方の親に「仕返し」をしている。

  • もう一方の親による本当の身体的な脅威、且つ/または精神的な脅威や傷害から子どもを守ろうとしている。

  • もう一方の親による身体的脅威、且つ/または精神的な脅威や傷害と受け取った行為から子どもを守ろうとしている。

  • もう一方の親が子どもに与えるかもしれない価値観、影響力、行動を恐れている。

  • もう一方の親を育児に一切関与させるつもりはなく、家を出ることでもう一方の親を 「排除」しようとしている。

  • 子どもを連れ去られた親を自分と和解、あるいは接触させようとしている。

  • 子どもの人生においてより重要な存在になりたがっている/子どもがより自分に依存することを望んでいる

Take Root ~ POB 930 Kalama, WA ~ 1 (800) ROOT-ORG ~ www.takeroot.org

(了)

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