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たすけて

仕事から帰ってきて、
子どもがいて、
夫がいて、
言葉を交わして。

さいごは独り、自室に入ろうと階段を下りながら、
とつぜん聞こえてきた声は、

「たすけて」

わたしの心が叫んでいた。

知らなかった。
うすうす気づいていたけど。
知らなかった。
ガマンの限界がそろそろ来ちゃう。

「たすけて」

苦しくて、
無言でなんども叫んでみる。
涙がでる。

「○○ちゃん、たすけて」

なぜ○○ちゃんを。
どうせ、なにもしてくれないよ。

あのときも、うまくいかなかった。
初めて好きになった人。

今どこにいる?
あんな出逢い方したんだもん、
私のこと、忘れてないはず。

人類が、もっと進化していたらいいのにね。
物理作用をつかって、今すぐ目の前に現れて。

あなたに聴いてもらいたいの。
誰にも言えないわたしの心。

家族にも話せないこと。

うまれてからずっと、
誰にもおもいきり話せなかったことがある。

誰にも。

聴いてもらえなかった、わたしの心。

いまこそ、話したいの。

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