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逆噴射小説大賞2019二次選考を突破したのでちょっとした考察をしてみた

 先日、待ちに待った逆噴射小説大賞の二次選考結果が発表された。

分析するぞ


 拙作は5本中2本が通っており、これは今年立てた誓いの一つ『通過率で去年を上回る』をクリアしている(去年は5/15)。まずは喜ばしい事だ。
 さて、落選した作品の事は本稿では扱わない。落ちた理由が明白だからだ。上の記事の『未来への準備・雑感』を読んで俺は深く得心した。
 問題は通過した方なのである。
 通ったならいいじゃないか、と思われるかもしれない。実は俺も半分くらいそう思う。だが俺は基本的に小難しい理屈など考えずにその場の雰囲気に流されて書くタイプの人間なので、たまにはこうやって分析めいた事をやらないと今自分がいる場所が正しいのか分からなくなってしまうのだ。

通過した作品は以下の二つ

 通るならこの二つだろうな、とは思っていた。
『海鳴〈いの〉りの祝祭』は正直落ちる心配はしていなかった。この作品は今年立てた誓いの二つ目、『最終選考まで残り逆噴射先生にコメントを貰う』のを目標に書いた作品だ。目標が優勝じゃねえのかよと思われそうだが、賞の性格的に純SF作品がトップを取るのは難しいだろうなという現実的(後ろ向き)判断である。
 まあとにかく「続きを読みたいと思わせる」度合いに関してはかなり高レベルだと自負している。恐らく評価されたポイントもそこだろう。「800文字のなかで話が動いているか」に引っかかったとは思うが、それを補ってなお選考通過に足る水準に至れた事は今後俺が創作する上での自信と糧になるだろう。

 さて、『仇統のアスタリスク』である。この作品が通過した理由が、俺には分からないのだった。エッ? 通ると思ってたんでしょ? 思ってはいた。何故なら落ちた作品は胡乱みが強いやつと、気合いが空回ったやつだったからだ。消去法的に通るならこれ、と考えていたのだった。
 なのでDHTLSの結果発表記事にある『未来への準備・雑感』を見ながら良かった探しをしてみようと思う。
「800字のなかで話が動いているか」。これは多分「YES」だ。村が焼かれた所で終わっていれば多分アウトだったが、その後に何やら訳知り顔の男を出したのが功を奏したと思う。我ながらファインプレーだ。この後アルファ少年と男が出会うのは容易く想像可能であり、そこからドラマが生まれそうである。
「オリジナリティ」に関しては、西洋風ファンタジーで二十八宿を題材にした部分は中々いい着眼点だと自画自賛したいが、「村を焼かれた少年」と「何か知ってそうな男」は非常にありきたりなモチーフだ。なのでまあここは50点くらいではなかろうか。
「文章力」は……どうなのか。正直自分の文章力の高低を把握できていない。読みにくい文章ではないと思う……いやどうだろう。分からない。ファンタジーっぽい文体は意識して書いた。普段ほとんどSFしか書かない人間なので、脳の違う部分を酷使したせいでとても疲れた。
「並べ構文」は大丈夫だろう。正直並べている隙間が全く無いほど文字数との戦いだった。逆にそれが圧縮作用として働き、物語のドライブ感やテンポの良さを産んだのかもしれない。そう言えば去年の逆噴射小説大賞の二次選考に残った「サクラギチョウ・オブ・ザ・デッド」も文字数が足らなすぎて超圧縮したのだった。冗長さは少なくともこの賞では敵である事は確かだ。しかし文字数が足らなかった故に魔法や精霊などのファンタジーアイコンを出せなかったのが吉と出るか凶と出るか不安だったが、どうやら正解だったようだ。
「その作品は面白さのために書かれているか」。これは要するに「設定のための設定」「ハイコンテクストすぎる」「表現方法が尖っているを通り越して突飛」等、小説単体での勝負を放棄していないか、という事だと解釈した。当作品は俺が初めてファンタジーに挑戦した物語であり、故に真っ向勝負を仕掛けた。何の奇も衒っていないストレートど真ん中だ。まあそれ故にオリジナリティにやや怪しさがついて回るのだが……。字数が足らない分タイトルでどんな話になるか分かってもらおうと工夫したのは良かったポイントに加算してもいいだろう。

つまり?

 良かった探しと言いながらなんだか普通の反省会みたいな感じになってしまった。えーつまりですね、結論と致しましては「特にマイナスポイントが見つからないがプラスポイントは幾つかある」、のでそれが通った理由かなーと……普通すぎる。ここまで文字数費やす必要ありましたか? 明文化しておかないと忘れてしまうから仕方がないね。
 締めの言葉も特に思いつかないのでここで終わる。

PS5積み立て資金になります