アニメ業界のヤバい人

先日、今石さんの展示会の内覧に行かせてもらいました。とても良い展示ばかりで、特に学生時代の展示は胸に来るものがありました。

アニメ業界には、たまにヤバい人が居るんですが、今石さんもヤバい部類です。技術が高くて腰が低く、自分の話をあまりしない人はヤバイ人であるパターンが多いです。
僕は駆け出しの頃から今石さんと同じ会社で働いているので、そのヤバさを少し知っていますが、ここには書きません。それは賄い飯みたいなものなので、お金を払って食べられるものではありません。世界で1番美味しい賄い飯は、人生を支払って頂くものです。

それはさておき。
今石さんの監督作である『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』の#12に参加する際、僕は打ち合わせで質問をしました。
「何かやってはいけないことはありますか？」
オリジナルアニメ故、おおまかなルールくらいは聞いておこうと思いました。
今石さんは、「あまりつまらないことはしてほしくないかも」と答えました。
アレをやれ、コレはやるな、と言ってくれれば楽なんですが、とても今石さんらしい返しでした。
基本的に、今石さんは強要をしません。強要されるのもあまり好きではなさそうです。
今日までその言葉胸に刻んでいたわけでもないですし、今石さんを尊敬したことすらありませんが、たまに思い出すには良い言葉だと思います。その『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』の打ち合わせから10年以上が経ち、僕もアニメの監督をやることが増えました。これからも、あまりつまらないアニメは作らないようにしたいです。

勘違いして欲しくありませんが、『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』というアニメは結構酷いアニメです。とても人には勧められません。

ですが。
そんな酷いアニメをみんなで人生を支払って作ったことは、何ものにも代え難いです。

2021年5月29日から、ところざわさくらタウン内EJアニメミュージアムにて『今石洋之の世界』展が開催中です。
是非、今石さんのヤバさの片鱗を見に行って下さい。

https://www.imaishi-expo.com/