なにもかも政府に白紙委任する法律が深夜に強行採決されても、なぜ問題にならないのか?土地規制法 2

こんなとんでもない法が国会閉会間際の深夜2時半に強行採決されたことがなぜ、問題にならないのか?白井聡さんが、近著『主権者のいない国』で述べていたのは「政治が劣化したから第2次安倍政権が7年半も維持できたからではなく、日本の社会が劣化したから第2次安倍政権が7年半も成り立ったのだ」と言っておられたが、そのとおりだと思う。これは「社会」の劣化ではなく「社会」の蒸発だ。以下、朝日新聞6月17日から引用する。

「もっと情報ほしい」
「国民の監視強まる国民の監視強まる心」
土地規制法成立 住民ら懸念

 米軍・自衛隊の基地周辺や国境離島などに住む人々の情報を国は調べることができる。そんな土地規制法が担げ未明、成立した。広く市民に網がかけられるという危惧が審議では繰り返されたが、国会延長もなく、採決が強行された。     
 国会審議では、条文の規定があいまいだ、という指摘が繰り返された。
 「あいまい」の一つは、どこが対象地域になるのか、だ。条文が具体的に挙げているのは、米軍・自衛隊・海上保安庁の施設周辺と国境離島。国はほかに、原発や自衛隊との共用空港の周辺も想定するが、条文に明記はしなかった。
 多くの地元では「寝耳に水」なのが実態だ。
 東京電力柏崎刈羽原発があ恣新潟県刈羽村。原発敷地の周辺には住宅や事業所、大規模スーパーもある。だが長く反原発運動を続けてきた村議は「どのような影響を及ぼすのかわからないまま、法律が成立した。もっと情報がほしい」と語った。
 「あいまい」の二つ目は対象地域の人々の何を調べるのか、だ。氏名や住所以外の項目は、国が政令で決める。
 仙台市の堤智子さん(74)は「国民への監視が強まるのでは」と懸念する。陸上自衛隊の情報保全隊は2004年ごろ、自衛隊のイラク派遣に反対する人たちの集会の情報を収集。公にしていない本名や職業も集めていた。堤さんが行った集会の情報もあった。
 土地規制法は、土地の利用者に妨害行為などの恐れがあれば、やめるよう勧告できる、としている。「その人の思想信条まで調べなければ『恐れ』があるかどうか判断できない。暴走するのは目に見えている」
 沖縄県の地元2紙は16日朝刊の社説で、懸念を表明した。


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