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大石邦彦 著 方丈社 『新型コロナワクチンの光と影』を読む 2

 昨日の引用の続きをアップする。

番組として、ワクチン接種に伴うリスクもきちんと伝えようと決意

 そこで、私はあることを決意した。
 ワクチン接種によるベネフィット(利益)中心に伝え、推奨するだけだった報道姿勢を改め、副反応などのリスクに関しても、事実それが存在しているのだから、時間を割いて伝えることにしたのだ。
 もちろん、誰にでも検証可能な”事実”、出どころのハッキリしているデータのみを、逃げずに伝えようということである。

 現実に副反応と闘っている人や後遺症に苦しんでいる人からすれば、遅すぎるとのお叱りを受けるかもしれないが、ヮクチン報道のスタンスを自分なりに方向転換することにした。

 スタジオ出演の医師かワクチンを接種することのベネフィットを言えば、MCの私が、副反応などのリスクも同時に伝え、バランスをとることを意識した。
 単純に、報通の一方的な偏りをなくそうとしただけなのだ。そしてくYoutubeでは、放送のアーカイブだけでなく、補足となる解説動画を定期的に配信し、CBCテレビを視聴できる東海地方だけでなく、全国の新たな視聴者にも届けられるようにした。
 動画は毎週金曜日の夜に撮影し、その日のうちにアップすることにした。
 私としては、 一週間の総まとめとして、その週のワクチンに関するトピックスを伝えたかっただけなのだが、全国から「金曜の夜のアップを心待ちにしています」という連絡をいただくようにもなり、今では使命感を持って取り組んでいる。

 こうした一連の報道。配信がどのような化学反応を起こしたか?
 冒頭で記した、その後の取材の基本スタンスを変えるほどのインパクトが生まれた。
 全国から寄せられた励ましや感謝のメールや手紙の中に、新たな取材依頼が多数含まれるようになったのだ。

 「東京のメディアに伝えたけれど、断られた。しかし大石さん、あなたなら取材してくれるのではないか?」という主旨の内容だった。
 その中には、ワクチン接種後に最愛の家族を失った人や、接種後、何力月経過してもなかなか副反応が消えないクワクチン後遺症クと懸命に闘っている人もいた。
 今までは、言いたくても言えなかった。声を挙げたくても挙げられなかった人たちの声。

 それは、「国を挙げて行っている国民総ワクチン接種」こそが正義だ、という目に見えない力に押しつぶされた声だった。

 報道は、おそらく常にそうだと思うが、当事者への取材が基本となる。
 報道する場合、当事者がいないと説得力に欠けてしまうので、まずは取材対象者、すなわち当事者を見つける作業から入るのだが、ワクチンに関しては、これがなかなか困難だった。
 前述したとおり、表に出てこない、押しつぶされた声を掘り起こすことが、かなりむずかしいのだ。
 なにせ、国の姿勢として「『因果関係は評価不能』と真摯に扱ってもらえないなら、これ以上訴えても仕方ないだろう」、結局何を言おうと結果は変わらないと思って諦めてしまう人もいれば、「この死に方はおかしい」ということを、表立ってテレビカメラの前で証言するなんて、怖くてとでもできないという人もいた。
 そのため、仮にワクチン接種のリスク面を取り上げようとしても、取材は難航しただろう。

 しかし、あの1本の動画配信がきっかけで、閉じていた重い扉が開いたことになる。「私たちに起きた、本当のことを伝えてほしい」と願う人々からたくさんの取材依頼の連絡が入るようになり、以後のわれわれの取材を後押ししてくれたことは間違いない。

 1本の動画から始まったワクチン取材、そこには、ワクチンの有効性だけではない、もう一つの顔が存在していた。
 そして、そのク事実クを伝えようとすることは、新型コロナウイルスとは別の、強力な敵との開いの始まりを意味していた。

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