見出し画像

Paper tubes 紙管の建築

[ 2014.11.8(SAT) 坂茂プリツカ―賞受賞記念特別講義 | 画像 ]

 特別講義の後半、建築家 坂茂ばん しげるにプリツカ―賞受賞のお祝いを一言述べたあと、2つの質問をしました。Q1,アジアの建築家が3年連続選ばれた理由は? Q2,オリンピックスタジアム応募案について?

A1,3人がアジアの国であったことは必然ではなかったが、持続可能な環境配慮行為であるこが共通項ではないか。今後も続いていくテーマとして重要な課題になる。A2,結果は残念であったが、開閉式の屋根の独自のアイデアは今後のプロジェクトで実現したい。

 彼の建築作品の多くを支えているのは、その実験的なアプローチです。彼は、取り組む問題や課題だけでなく、それらに対処するためのツールやテクニックに関しても、建築分野を拡大してきました。彼は、紙管、梱包材、輸送用コンテナなどの標準的な部品や一般的な素材に、新しい方法で使用する機会を見出すことができます。特に、構造上の工夫や、竹、布、紙、再生紙繊維とプラスチックの複合材など、型にはまらない素材を独創的に使うことで知られています。 プリツカ―賞受賞審査講評より

 建築家 坂茂氏は高校時代、東京都代表に選ばれたラグビーと「建築」が両立する早稲田大学を目指した彼だったが、全国大会出場で全国レベルの高さに圧倒されラグビーを諦め、デッサンの恩師の勧めもあってアメリカへ単身で渡り、他方の道「建築」をこころざした。よって日本での建築の専門教育は受けていない。新国立競技場基本構想国際デザインコンペに応募、オリンピックスタジアムにラグビー大学大学選手権出場へのあこがれをも持ってトップに挑戦したわけだが、残念ながらそれはかなわなかった。

 メッツの美術館プロジェクトに携わっていた6年間、パリのポンピドゥーセンターのテラスの上にあった彼自身のスタジオは、段ボールのチューブとアーチ型の屋根を覆う膜を使って作られました。また、輸送用コンテナを既製品として美術館建設に利用したこともあります。彼の作品群は、デザインによって付加価値を与える能力を証明している。「PCパイル・ハウス」、「二重屋根の家」、「家具の家」、「壁のない家」、「九角形の家」など、さらに新しい概念や構造のアイデアが生まれている。

紙管の緊急避難所 2010年 ポルトープランス. ハイチ/Photo坂茂アーキテクツ

画像2

応募作品 No.29 新国立競技場基本構想国際デザイン競技報告書より

画像2



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?