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時の洗礼を受けたものから学ぶ。 論語 述而 第十九

今日の論語はこれ!

原文

子曰、我非生而知之者。
好古、敏以求之者也。

述而 第十九

書き下し文

子曰く、 我は生れながらにして之を知る者にあらず。
古を好み、敏にして以て之を求めたる者なり。

現代語訳

孔子の言葉。この私は生まれついたときから、ものの道理や知識が分かっていた人間ではない。
古典・古制・古道が好きであり、それをすぐ学ぶことを実践し、ものの道理を求め得た人間である。

一言

生まれた時からわかっていたわけじゃないよって、孔子がそんなこと言っているとちょっと安心するよね。

じゃあなぜ古典なのか。ノルウェイの森の永沢先輩の言葉が思い浮かぶ。

「現代文学を信用しないというわけじゃない。ただ俺は時の洗礼を受けていないものを読んで貴重な時間を無駄にしたくないんだ。人生は短い」

ノルウェイの森より

僕の読書観に大きな影響を与えたセリフだ。
この言葉に触れて以降、流行を本を追うのはそこそこにして、所謂歴史に残る作品を選択するようになった。まあそこは価値観の問題だと思うけど。

論語や孫子、武士道や徒然草を読んでいると、時の洗礼を受けても残っている言葉たちには普遍的なものが多い。多分100年後でも人々の心を打つだろう。
ちょっと乱暴な言い方をするが、「今年のビジネス書ベストセラー!」みたいな本は、それらの古典を現代人にわかりやすく言い換えているものが非常に多かったりする。最先端の研究事例に基づくような図書は別としてね。

だから古典なんだろーなー。思考停止かもしれないけど、普遍的な価値観はそんな変わんないと思う。

孔子でさえ古典から学んでいるのだ。
我々が先人から学ばずして如何にするのだ。

参考文献

論語と向き合う Advent Calendar 2021 12/18 投稿記事


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