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カエリタイ場所

帰りたい場所はどこですか?

私にとって、それは今住んでいる家ではない。かといって、実家でもなければ、過去に住んだ場所でもない。それでも、「帰りたい」という気持ちが自分の中では最近よく浮かび上がり、そのたび自問する。
「どこに?」

今、NHKで島原鉄道の大三東駅の特集をしている。大三東駅は海に一番近い駅と言われていて、黄色いハンカチに願いを書くことが有名だ。私が大三東駅に行った時は、ハンカチは買わなかったけれど、他の方が書いたハンカチを見ながら、駅から海を眺めている時間は、至福の時間のように感じた。

九州に来て、無性に海の景色に惹かれる。旅をしているのも大体が海が見渡せる景色だ。若い頃は全く興味が湧かなかった海の景色を、今なぜこれほど渇望するのかは、自分でもよく分からない。

人間の進化が海の微生物から分岐したことを考えると、海を希求する根源的な欲求が何かしら顕在化しているのだろうか。「帰りたい」という気持ちは、実は「還りたい」という気持ちなのかもしれない。

そんなことを考えつつ、今日歩いた千綿~彼杵のJRウォーキングの景色を振り返っている。大村湾を眺めた時間も格別だったし、彼杵茶市で味わったお茶やお菓子の味を思い出している。難しいことを考えずに、今ココを楽しむことも重要だと改めて思う。

人間は未来を考えながら今ココを感じている。それも変化の激しい時代の中で。そんな複雑さの中で、信じられる未来があれば、今ココの充実度も上がるのかもしれない。次に大三東駅に行った時は、黄色いハンカチに、何かしら未来のありたい姿を書いてみようかと思った今日この頃であった。

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