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ダイソン「サイクロン掃除機」究極の魅力と真実


「ダイソンは心も吸引する」ダイソンが欲しくなる、ただ一つの解説。

ダイソンと言えば、

魅力あるキャッチコピー(ドキドキするw)
強力な吸引力!
魅力的なボディデザイン!
紙パックを使わない!(経済的)
加えて、メインの掃除機として使えるコードレス掃除機!

今回は、ダイソンの中でも、このコードレス掃除機にフォーカスしてお届けします。

「吸引力の変わらないただ一つの掃除機」
「他のどの掃除機よりも確実にゴミを吸い取ります」

これ以外にも、後からいくつも魅力的なキャッチコピーが出てきますが、まずは、ダイソンの魅力の一つ、ダイソンテクノロジーについてご紹介しましょう。

ダイソン ラジアル・ルート・サイクロンテクノロジー
「最も強力な遠心力を発生させるには、より小さな、そしてより多くのサイクロンが必要でした」
という、説明から入るこのテクノロジーは、回転する気流(サイクロン)によって、ゴミを分離する技術です。
このサイクロンテクノロジーが、イコール、ダイソンと言っても差し支えないでしょう。

たどり着いたのは、マルチルートサイクロンテクノロジー
キャニスター式においては、32ルートサイクロンテクノロジーと呼ばれる、サイクロンを発生させる小型のコーンを、32個搭載し、一つ一つのサイクロンが、最大36万Gもの遠心力を発生させ、より多くの微細なゴミをとらえます。
す、すごすぎる!

Gについて

地球の重力が1Gです。
F1(レーシングカー)にかかる横Gは、約3G。
洗濯機内部に掛かる回転Gは、10Gほど。
ダイソンのサイクロンは、円錐型のコーンにより、同速度の気流が、より小さな円運動を行うことで、大きな回転速度を実現します。

ポストモーターフィルター
モーターの後についているフィルターです。(ゴミにとっては、最後のフィルタ)
0.3ミクロンもの微細な粒子を99.97%以上捉え「部屋の空気よりもきれいな空気を排出します」

デジタルモーターテクノロジー
小型で、超高速回転を可能にする、ブラシレスモーターです。
掃除機には、複雑な機構を実現するために、小型で強力なモーターが必要でした。
このデジタルモーターは、同じサイズの一般的なモーターの3倍も高速で回転します。
サイクロンテクノロジーを支えるテクノロジーの一つです。

インテリジェントなクリーナーテクノロジー
従来のヘッドを根底から見直し、革新的なヘッドを開発しています。
ソフトローラークリーナーヘッドがその一つで、パワフルに様々な場所を掃除できます。

後で説明しますが、吸引力を高めるのは、吸引仕事率と呼ばれる「パワー」だけではないんです。
床面との距離が大変重要なんです。

近ければ近いほど、隙間が狭くなって、吸引力を強めることができます。
逆に、床から離れてしまうと、まったく吸うことができません。

初期のダイソンでは、吸引力を高めるために、この隙間を積極的に狭くしていました。
したがって、大きなごみを吸い取ることが出来なかったそうです。

しかし、このソフトクリーナーヘッドによって、吸引力を高めながら、大きなごみも吸い取ることを可能にしたわけです。
ソフトローラークリーナーヘッドは、モーター駆動のブラシバーを覆うナイロンフェルトが大きなゴミを捕らえ、同時に静電気を抑制するカーボンファイバーブラシが微細なホコリを取り除きます。(超すごい)
このナイロンブラシとカーボンファイバーブラシのコンビネーションが、あらゆるゴミを拾い上げます。

特に、革新的なモデル

それが、コードレス掃除機 ダイソンV11
「コード付き掃除機よりも確実にゴミを吸い取ります」

というキャッチコピーで話題になっている製品の最新版です。
もはや、ダイソン掃除機の魅力は、このコードレス式掃除機の存在にあると言っても過言ではありません。
キャニスター式掃除機でなくとも、十分な集塵性能を実現できるのであれば、コードレスを選ばない選択肢はないでしょう。
しかも、多少重たいけど、ハンディクリーナーとしても利用可能な製品です。
キャニスター式と比べると、次元の違う使い勝手なんですね。
(ハンディ掃除機がなぜ求められるのかは、後程説明します)

この最新モデルは、とにかくカッコいい。
未来の最新武器みたいな感じ。

V10と比べて多少重くなっていますが、吸引力が25%もアップ。
最長60分の運転時間を実現しています。
強モードだと、5分しか運転できないんですが、実質、そんなに長く掃除しないという統計もあります。
(ここも、後で詳しく説明しますが、ダイソン特有の思想があるんです)

これに関連して

リアルタイムなディスプレイ表示
残りの運転時間を秒単位で表示。
運転状況やメンテナンス通知を行います。
このディスプレイ表示によって掃除をコントロール。
安心して計画的に掃除を行うことができますし、ダイソンの運転時間を超えた広さのある家であっても、快適な利用を可能にします。

ダイソン デジタルモーターV11
V11のパワフルな吸引力を実現するための、中核技術が、このダイソンデジタルモーターV11です。
その回転スピードは、毎分125,000回転 これは、一般的なモーターの3倍の回転速度。
新設計の三段階ディフューザーを採用し、パフォーマンスを最適化、音を静かにしたんです。

最長60分間、パワフルで変わらない吸引力。
ダイソン史上、最もパワフルなバッテリー。
より大型で大容量のバッテリーを実現するために、ニッケル、コバルト、アルミニウムによる組成を採用。
さらに内蔵されたシステムモニタリングや、高度センサーが毎秒4回、バッテリー容量を測定して、ダイソン デジタルモーター V11とクリーナーヘッドへの出力を最適化します。
要は、最後まで安定した電力を供給するシステムを実現しているということです。

コードレスクリーナー専用充電ドック
壁に直接ドックを取り付ける必要がない専用ドックも用意されています。
オプションのツールなども収納可能です。


ここでひとつ、いまだにダイソンがその他の掃除機と一線を画している部分をご紹介します。
ダイソンが日本に上陸してから、サイクロン式掃除機をほかのメーカーも出してきました。
どんなものが出てきたでしょうか?

日本の家屋に併せて、様々な特徴を持った製品が発売されていますが、特色を出すために、セグメントに絞ったアイディアやコンセプトによって製品を発売しています。
女性でも使いやすく軽さを目指したものや、静かなもの、取り外し方でハンディになったりするような工夫があるものなど、利用シーンに合わせて尖らせることで、使用者の満足度を上げていこうというわけです。
(重さと吸引力のようなジレンマがあるので、おおよそトータルの性能は変わらない)

一般的に、尖らせた製品と標準的な製品では、尖らせた製品が満足度としては断然有利です。
50%ものシェアがあるダイソンコードレス掃除機ですが、実は広い利用シーンをターゲットにする標準的な製品なんです。

しかし、その尖らせた製品は、標準的なダイソンのシェアを奪うことができません。
そもそも、掃除機に対する視点が違うので、同じ土俵で競争していないということなんです。

消費者へ与えるベネフィットが違うんです。
ちなみに、ベネフィットを分かりやすく説明しますけど、例えば、このシップを貼ると元気になります的な製品ありますよね。

写真にすると、掃除機と、すごく綺麗な部屋のイメージが一般的な掃除機のベネフィットだとすると、ダイソンの場合、子供と楽しくお掃除している様なシーンですかね。

そう、消費者に対して、提供しようとしているベネフィットが違うんですね。
既存の掃除機とまったく別次元の土俵で争っているんです。

したがって、周りがいくらニーズにマッチした製品を投入しても、敵いません。

ここまで、大雑把にですが、ダイソンの魅力をお伝えしました。
この後、ダイソンという会社についてや、技術的な疑問や、客観的な検証を行っていきます。

最終的には、掃除機選びは、なにを基準にすればいいのか?どんな掃除機を選べばいいのか?
ということに対して、ひとつの答えが出ると思います。

ダイソンとは

イギリスに本拠地がある電気機器メーカー。
サイクロン式掃除機を初めて開発・製造した会社として有名です。

創業者は、ジェームス・ダイソン氏
1990年に第一号機のGフォース型サイクロン掃除機を開発しています。
英国内において、サイクロン式掃除機を製造販売するメーカーがいなかったため、独自で製造販売を始めたらしい。(特許屋だったんですね)

社内には、デザイナーはおらず、デザインエンジニアが担っているそうです。
エンジニアの従業員数は2000人に上る。(総従業員数8500人:2017年)

販売総数 競争力

ダイソンが目指したのは、高級路線。
ダイソンが登場してから、高価な掃除機を購入するという新しいマーケットができました。

日本における、2018年のコードレス掃除機のシェアは、数量ベースで50%を超え、金額ベースでは、60%を超えるシェアを持っています。

市場では、キャニスター式掃除機は頭打ちです。
2015年にコードレス掃除機は年間150万台だったものが、現在300万台に伸びています。
ちなみに、掃除機全体の販売数は、年間800万台くらい。

コードレス掃除機をメインの掃除機として使用する人の割合は、82%以上だそうなので、買い替えの購入者の3分の2以上は、キャニスターからコードレスに買い替えてい計算です。
したがって、そのシェアは、ほとんどコードレスに切り替わると考えていい。

早い段階で、コード付きキャニスターの開発をやめる宣言をしているダイソン。
すでに、高級路線によるシェアを取っているので、世界でどうなるかは不明ですが、日本国内においては、そのシェアが大きく動くことは考えにくいですね。

グーグルが以前発表した、カスタマーエクスペリエンスの調査データによると、日本人は世界中で最もマーケティングにおける意思決定に「迷い」の多い国民性だそうです。

1つの商品を購入するに至るまで、約130ものタッチポイントを経ることもあると言われていて、アメリカ人の平均と比較するとおよそ10倍もの差があるとのことです。

日本は比較的、白物家電やスマートフォンや車など、ガジェットに目がない。
モノに宿る精神性とか、デザインに込められた職人の想いなんかを受け取る感受性が成熟しているのか?

品定めすることや、それを知っているか、所持しているかどうか、を媒介にして、相手の価値や自身との距離感を計ろうとする民族性も強いそうです。

ダイソンのアイディア

ジェームスダイソンは、発明した特許をメーカーに売って金を稼ぐ特許屋。
本人は、サイクロン式集塵機から発想を得たと言っています。

ここから言えるのは、ダイソンが独創的な製品を生み出せた理由は、「アナロジー思考」という方法論にあるということ。
AとBとの間で似た構造を見つけて、Aのアイディアを借りてきてBに応用するみたいな。
「創造」の本質とは、何もないところから新たなアイディアを考え出すことではないということですね。

ダイソンのポジション(競合他社との比較)

他の掃除機と何が違う?ズバリ性能が違います(笑)

コードレス
いち早くコードレス掃除機へシフトしたことで、顧客満足の高い製品を開発できている。
顧客満足とは何か?吸引仕事率?軽さ?価格?いろいろありますが、この疑問は一旦置いておいて、客観的な比較をやっていこうと思います。

ダイソンは本当に凄いのか?
ダイソンは、ユーザーの手間を増やします。
あれ?そうなの?という感じでしょ?

これを説明する前に、ダイソンの機能や性能について、少しつっこんでお話をしたいと思います。

ネガティブな視点も含め、特長(従来の掃除機と比較)を解説します。

サイクロン方式について
技術としては、粉末分離機として、1886年にアメリカ「ノーモース」によって発明されたものです。
サイクロン式掃除機自体は1928年に別の会社から製品化されている実績があるとのこと。
見た目はハイテクっぽく見えますが、以外に古くて分かりやすい装置。

実は、サイクロン、紙パックより大幅にゴミの分離性能が落ちます。
したがって、その構造上、必ず一定の塵をそのまま外へ排出してしまいます。
なので、いかにダイソンのサイクロンであっても、結果フィルタによってゴミを分離する必要があるんですね。

定期的にフィルターの掃除をしないと、結局吸引力を落としてしまいます。
おそらく、カビとかバクテリアなんかの小さな塵やゴミは、サイクロンで分離するのは難しいと思います。(結局フィルターの能力が重要)

サイクロンは、遠心分離ではない
遠心力で生じる加速度で、ゴミを物理的に重たくして摩擦(抵抗)を増やし、下に落とす。
F1のウイングと同じ原理(結果的にタイヤの摩擦(抵抗)を増やす)
なので、正しくは、サイクロンセパレーターと呼ばれます。

何故、ダイソンが、沢山の小さなサイクロンを束ねているのか?
それは、遠心力による加速度を大きくし、ゴミを拾う壁の面積を増やし、より多くの微細なゴミに摩擦によるキャッチを行うためだと考えられます。
ただし、この摩擦は、吸引力を大きく失うという反作用を起こしてしまうんです。

Gについて、少し。
ダイソンV11だと、15万Gの遠心力を発生となっています。
本当なら、1mgのゴミが、150gになる計算。
実際、竜巻の中心は、気圧が低い状態にあるので、そのGと比例した分離作業は行われないと考えられます。(竜巻って形を維持してるでしょ?)

また、サイクロンは、原理上、垂直に立てて使わないと分離能力が下がります。
横に向けて使うとゴミが下に落ちていかない。。。
ダイソンでは、そのあたりも様々な工夫によってある程度解決しているはずですが。。
アップライト式はいいでしょうけどね。

サイクロンによる圧力損失によって、多くの電力が必要で、大きなパワーを必要とするために、大きな音を立ててしまうサイクロン式掃除機は、複雑な機構や高性能なモーターやバッテリー、そして再利用可能な高性能フィルターを必要とするために、能力の割に、かなりお高くなってしまいます。
ダイソン掃除機が求める性能と比較して割高な感じがするのは、このためです。

紙パック式と比べてみたら?
ダイソンの長所として、一番に挙げられるのが、紙パックが不要!ですね。
しかし、土足の欧米と比べて、日本家屋は、砂やほこりの量が5分の1程度。
したがって、日本での紙パックの交換頻度は、平均的にみて2か月に1度くらいだそう。
微妙でしょ?

メーカー純正で200円くらい。
互換品で30円くらいだけど、まったく別者なので、純正で比較。(絶対だめよ)

準製品であっても、年間に1200円のランニングコストです。
集塵能力だけみれば、圧倒的に紙パック有利。
しかも、紙パックごと捨てられるので、衛生的だったりする。

なんといっても、2か月間、メンテナンスなんて言葉は出てこない(笑)
とにかく、楽ちんなのです。
サイクロンの場合、汚いゴミをケースに直接回収しているので、しょっちゅうゴミ箱に捨てなければ、衛生的に相当やばい。
さらに、濡れたものとか、汚いものをそのまま回収するとなると、メンテナンスが辛いですね。

そもそも、紙パックは、吸引力を低下させるのか?

国産の紙パック式高級機の吸引仕事率(吸引力)は、おおよそ500~600Wと言われています。
ダイソンのルートサイクロンは、200W以下だそうです。(現在は非公開)
3分の1程度しか吸引力を発揮できていないということです。

ちなみに、吸引仕事率はWで表されるので、電力消費と混同してしまう方も多いみたいですが、沢山の電力を使っても、真空を作る力が弱ければ、仕事率は落ちます。
(吸引仕事率は、一定程度あればいいということもありますが)

とにかく、複数のサイクロンを通して負荷を与えるので、その抵抗による吸引力が大幅に低下します。
なので、吸引力を維持するために、大変高級なブラシレスモーターを使って、爆音を上げることになります(笑)

結論から言うと、紙パック式の日本の掃除機は、大変吸引力が強い!
しかし、吸引力は強ければいいという物ではなく、吸引力が強ければ強いほど、床に吸い付いてしまって、ヘッドが重くなるというジレンマがあります。
したがって、日本の多くのメーカーでは、サイドに余分な隙間を作って、広く吸引することで、吸引力を調整しています。(周りからも吸うみたいなメリットがある)

吸う力自体が弱まってしまうサイクロン掃除機は、吸引力を上げるために、逆に、狭く吸引することで、吸引力を調整しています。
したがって、初期のダイソンは、大きめのゴミを吸い取れないという問題がありました。

あまり知られていないけど、サイクロン式は、気流の回転が効果的な水準になるまで、時間がかかる。
起動して、すぐと、停止してすぐ。
どういう事かというと、回転が不十分で集塵能力が低下している時間帯が存在するという事。
おそらく、すぐに吸い込むとしっかり集塵できない。(解決はしていると思うけど)

特許について
調べると、これ特許?っていう感じのものも多かったですが、サイクロン掃除機について、細かく特許を取得しているようで、国内のメーカーも苦慮しているそうです。

特長的なトリガー式スイッチ
一般的には、消費電力を最小化するために、つきっぱなしにならないトリガー式を採用しているそう。
これが、掃除のときに疲れると言う事で、専門家からは評判が悪いみたいです。

斬新なフォルムと配色
斬新すぎるフォルムと配色は、アメリカのおもちゃを思わせます。
最初見たときは「なんてちゃちい」「おもちゃみたい」って思いませんでした?

プラスティックの成型時に出来る、ウェルドラインが大量に入っているし。。。
なんか塗装がちゃちい。
日本製と比べてみると、そのあたりは繊細さが微塵もないです。

ここまで、ポジティブな部分もネガティブな部分も、両方を見てきました。
確かに、ダイソンのCMにあるように、他を寄せ付けないほどの高性能という感じではありません。
逆に、コストパフォーマンスからいうと、圧倒的に日本製のような気がします。

みんな、ダイソンの衝撃的なキャッチコピーに騙されていると考えるでしょうか?

答えは違います。

これまでの検証は、ダイソンが出現する前までの尺度で話をしています。
いわば、昔の価値観やルールで、性能を判断しているにすぎません。

冒頭で申し上げた通り、ダイソンは、今までとは別次元の土俵で勝負しているんです。
まったく違うベネフィットを提供しているんですね。

行動経済学の分野では、満足感が得られるかどうかは、感情で決まるとされています。
満足感は、幸福感を伴う、感情の一種なので、高性能イコール満足感にならないのです。
(ここがすごく大事です)

感情を動かすのは言葉です。(キャッチコピーですね:コンセプトでもいい)
そして、その言葉は、ダイソンの作った新しいルールによって作られます。
ダイソンの作った新しいルール、ベネフィット(幸福なイメージ)を理解した人は、その性能以上に、多くの満足感を得ることになります。

それを理解いただくために、掃除機とは、そもそも何かを考えてみましょう。
掃除機とは、モーターで発生させた気流によって、ゴミを吸い取り、容器内に回収する装置です。
では、掃除機の本分、求められる性能とはなんでしょうか?

・強力な吸引性能があること
・たくさんのゴミを回収する性能が高いこと
・持ち運びが楽でスムーズなこと
・長時間駆動できること
・小さな運転音であること。

もう一歩踏み込んで考察してみましょう。
掃除機ではなく、そもそも掃除って何ですか?

掃いたり拭いたりして、ゴミやしみなどを取り除くことです。
では、なぜ人は掃除をするんでしょうか?

気持ちが悪いからとか、病気になってしまうとか、様々あると思いますが、綺麗な部屋にいる方が、気持ちいいからというのが、本質だと思います。

人間は、必要以上に掃除をする感じがしますよね。
一説には、信用を得るために掃除をするとも言われます。

掃除をしたり、身の回りをきれいにすることは、自己実現の一種だと言えます。
他人から見て、それがその人の素晴らしさそのものに映ることを我々は知っています。
なので、勉強するとか、人の面倒を見るとか、よく働くとか、そういった類の評価と同じものを得られると信じているから掃除をするんです。

そして、部屋が綺麗になったり、綺麗にしたりする自分を高く評価して、大変大きな満足感を得ることができるんです。

ここにこそ、ダイソンが提案する掃除のコンセプトがあります。
ダイソンは、ダイソン掃除機を使ってもらいさえすれば、そのベネフィットを感じてもらい、多くの満足感を提供することができると知っているんです。

したがって、かなり強引なキャッチコピーで、心を引き付け、使ってもらうことに執着します。
ちなみに、ダイソンでは、サブスクリプションのような、月契約のレンタルもあるんです。
それが可能なのも、掃除に対する満足感にコミットするという意思表示でもあります。

ここから、ダイソンが提供する、サイクロン式掃除機の本当の実力をご紹介しましょう。

最も重要な特徴としては、時間を無駄にしないというアプローチです。
あれ?手間がかかるんでしょ?と思われたかもですが、そもそも、手間って何ですか?

そう、手間と、無駄は違うんです。
料理に手間をかけるっていうじゃないですか。

その手間は、無駄ではないという事です。
どんな手間がありましたっけ?

毎度、クリア瓶から、ゴミを捨てなければならない手間。
頻繁にフィルターを水洗いしなければならない手間。
場所に合わせてアタッチメントを付け替えなければならない手間。

これらの手間は、すべて、掃除を行う行為の一つですね。
では、この手間によって、何が変わるでしょうか?得られるでしょうか?

そう、満足感です。
掃除とは何かを思い出してください、掃除をする自分を評価するという満足感なんです。
とすると、毎度、クリア瓶から、素早くゴミ捨てを行えて衛生的。(ゴミパックも消費しない私)

頻繁にフィルターを水洗いできて、経済的かつ衛生的。
場所に合わせて最適な掃除をおこなえるため、完ぺきな掃除ができる。

ここまでで、満足感があり、本質としては楽しい掃除が、少しだけアップグレードします。

さらに、ダイソンは、クリア瓶にゴミが見える形で溜まっていきます。
これは、掃除をしている感という意味で、達成感や、さらなる満足感に繋がります。
しかも、せわしく回転しているゴミがそのシチュエーションを、より魅力的なものにします。
(このゴミ野郎!吸い込んでやるぜ的なw)

幸福のパラドックスというのがあって、幸福は、上がり続けることがないという物なんですが、面倒な作業を小さな幸福感や達成感に変えてしまうことで解決するという良い例だと思います。

まだギミックはあります。

掃除のスイッチを入れる「トリガー」(ダイソンはトリガー式スイッチ)
自分のアクションに連動してゴミを吸い取ることができることで、さらなる満足感が得られます。
吸い取らせているのではなくて、「吸い取っている」という感じね。

弱点であった、吸引力も、モーターヘッドやソフトローラークリーナーヘッドによって、吸引口を狭い状態にしたままで、大きなごみも拾うことが出来るようになりました。

あと、弱点と考えられがちな大きく高い音(戦闘機のようなキーンというやつ)
これも、実は吸い取っている感を演出する一つの効果です。(フェラーリと同じ効果)

効果としては、大きすぎるぐらいがいいのですが、シチュエーションによっては、静かな場合も必要なので、エコモードの時はかなりの静音性能を持っています。

実は、この運転音だけでなく、停止時に発生する「ボーン」という音や、ゴミを捨てる時のカップの開く動作音、アタッチメントを付けたり外したりする「カチ」っていう音など。

掃除を楽しくし、多くの満足感や達成感を得られるための工夫が多く施されています。
実をいうと、サイクロンでなくてもいいのかもしれません(笑)

サイクロンだと、カッコいいし、エンジンみたいなメカニックをむき出しにしたようなデザインは、ほかの掃除機には決してまねできない、掃除に対する向き合い方を変えさせる力があります。

なので、塗装がしょぼくてもいいんです。
それがダイソンらしさならば、顧客は自動的に満足してしまいますし、究極を言えば、満足が全てです。

しかし、時代がよかった。

バッテリーの進化やモーターの進化によって、コードレス掃除機が主流になる時代にこのサイクロン掃除機を投入できたのですから。

ダイソンの目指すベネフィットを提供するために、このコードレスハンディ掃除機は、なくてはならないカテゴリーだったんです。

壁に掛けられて、すぐにアクセスできる掃除機は、掃除への取り組み方を変えてしまえるからですね。
お母さんだけでなく、子供も、お父さんも、ぱっと手に取って、皆がそれぞれに使うようなシチュエーションを作ることが出来ました。

こういったイノベーションはどうやって生まれるんでしょうか?

ダイソンはまず、掃除機を「ゴミと空気を分離する機械」というふうに抽象化しました。
ズームインズームアウト思考というのがあるんですが、モノづくりなどで、モーターの性能やら、吸引力やら、細かな特定の性能ばかりを見てしまうのが人間です。
それを虫の目だとすると、鳥の目(マクロ視点)で見て、その両方でものづくりをするというものです。

この思考で、さらなる抽象化したということです。
掃除とは何か?部屋をきれいに保つのはなぜか?
掃除の効率を上げるためには、掃除を行う人のマインドを変える必要がある。

そう考えたのがダイソンなのです!

こういう思考から、イノベーションは起こるんですね。
ダイソンは、人間の営みや生活まで視野を広げて、鳥の目で開発をしたと言えます。
ダイソンは、ユーザーに手間を懸けさせる(強要する)ことが、より満足感を与え、より効率的な掃除を実現させるという新しいルールを作ったと考えていいでしょう。

ダイソンを買うべき理由まとめ

ダイソンは・・・
掃除を面白くする!熱中させる!
そして・・・
掃除への取り組みを根本から変える!

こんなに安い買い物があったでしょうか?
令和始まって以来のお得商品です。

ダイソンは正に、心も吸引する
その答えは、ここにあったという事ですね。
言い過ぎ感のあるキャッチコピーも、行動経済学では、「確実性効果」と言うんですが、「ほとんど確実にゴミを吸い取ります」と、「確実にゴミを吸い取ります」では、ほとんど同じなのにも関わらず、凄く違いを感じるでしょ?

人間は、確実なもの以外に興味を感じない習性があるので、たいしたことでなくても、確実な部分を見つけて感情に訴えるということも、時として大きな満足感に繋がることがあると、そういうことです。
(詐欺とはちがうのだよ詐欺とは!)

上手いこと言うCMも、これでしっくりくることでしょう!


読んで下さってありがとうございます。