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あなたの声はどこから

去年の11月にコロナウイルスに感染した時に(体調はそこまで悪くもなかったので)Twitter上でフォロワーとスペースで喋っていたが、自分でも分かるくらいに声が出ていなかった。喉だけが本当に痛かったことは覚えている。

度々考えているのだが、「喉の調子が悪く声が思ったように出せない状態」は実際には「スピーカー」としての喉に不調が起きているだけで、「音源」としての声自体は問題なく発音できる状態ではあるんじゃないんだろうか。

要はその人が出すことのできる声というのはトーンや声色といった音声データとしての状態で内包されており、呼気が声帯を振動させて外に音声として発せられたそれが「声」と呼ばれているので、喉が悪くなった時に「声そのものがダメになった」と思わせてしまう巧妙さを孕んでしまっている気がする。

滑舌の悪い人や声が小さい人、吃音気味の人もその人が持つ声の音源自体は普通の人と全く変わらないのにスピーカー側の欠陥のせいで不便さを強いられているのでは、と思ってしまう。

喉を介さず純粋なその人の持つ音声データとしての声を聞かせられるようにする技術とかって無いんだろうか、今「喉あたりに着いた首輪型デバイスから声が聞こえてくる仕組み」みたいなのを考えてみたけど喉に針とか刺さないといけなさそうで怖いな〜、とかの懸念以外は概ね有用なのではないだろうか?

滑舌や変声などのクセが抜けた自分の声を周りに聞かせることができる技術が定着した世界ではアナウンサーや声優などの職業のハードルが今よりも下がるのかもしれない。

このシステムが万人に普及した世界学校での合唱練習とかを見てみたい。「もっと聞こえるような声で歌って!」などの指摘はもう使えなくなるのだろうか?
案外ボカロのような機械音声を真似た声で歌ったりするオタクの中学生が今よりも増えるだけとかに収まったら面白い。そんな世界での新しいオタクあるあるも素敵だと思う。




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