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第9章 奈々子からの電話 主人の様子がいつもと違う。私の話がまったく耳に入ってないように思える。上の空という感じで、ただただ口にご飯を入れているという感じだ。 急に実母がいなくなったショックは、はかり知れないのかもしれない。でも、なんか様子が変だ。 「お母さん家に行っていたの?何かあった?」 「いや、何かあったというか、あれだな。どう言えばいいのかが難しくてさ」 「誰に?何を言うのが難しいの?」 「近所の人に。お母さんがなぜいなくなったかを聞かれたときの・・・