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学術会議所感

微妙にTwitterに書くには長かったのでnoteに。Q&A的な感じで。

・「日本学術会議いらなくない?」
確かにいらないかも。無くても学者自体には影響ないと思う。その代わり国がなにか科学的に検討する必要性に迫られ時に困るのは国と国民だと思うし、国外に対して科学的根拠の薄い答弁になってしまうのはトレードオフ。

・「論文書いてない奴が学術会議に必要?」
いらない。というか論文書かなきゃ学者としても存在価値無い。

・「税金で研究するな」
大学が法人化されたとはいえ、基本的に大学が提供しているのは研究と教育であって、教育面で授業料として受け取っているのは収入の数%で、研究・教育の多くは税金の補助が無いと成り立たないのが現状だからそれは仕方ないと思う。ただ、大学に配られるお金はめちゃくちゃ減ってて大学から研究費なんてほぼもらえないし、結果的に税金ではあるけど、国に個人で申請する科研費制度(審査あり)がなくなったらアカデミアは普通に終わるよね。

・「役に立たない研究するな」
まず、役に立つ研究に絞ったら基礎科学系がほぼ終わるんだけど、国の方針的にそもそも先ほど言った科研費申請する時にすぐに役に立たない様な研究は採択されにくいからもう既にほとんど終わってる感ある。


1点補足。研究というか学者の世界は確かに浮世離れしているというか、ビジネス的に生産性がない様なことだったり、不思議な序列関係があったりするんだけど、僕の知っている範囲では基本的に大学教員はめちゃくちゃ搾取されているというか働いてます。そもそも基本的に裁量労働制の悪い所が全て集約された様な労働環境だからね。土日に学会に出て代休は無いし、そもそも科研費が採択されなかったら自費で学会の会費・出張宿泊費を出すこともざらにあって給料も大して良くはない、しかも学歴は必要で修士2年・博士3~4年の学費と膨大な時間をかけた論文の審査に通過する必要もあるし。

それでも「そんな生産性のない事して税金で給料もらってるなら辞めろ」って言うならまぁ、辞めたらいいんじゃないかな。いきなりビジネス社会に放りだされてその人も馴染めずに辛い思いすると思うけど、確実に日本の科学は終わっていくと思う。応用科学は企業の研究者が頑張るから生き残るかもしれないけど、他の部分は無理。あれだけ知識をもっている人達をめちゃくちゃに安い時給で働かせるなんてアカデミア以外では絶対に無理だからね。

学術会議自体は冒頭でも言った様に大して学者側が恩恵を感じることは無いからわりとどうでもいいんだけど、現場で頑張ってる先生方の研究費に関して削減とかに繋がらないといいなとは思います。みんな学者やめちゃうよ。

ただね、明らかに(特に上の先生たち)価値観が浮世離れし過ぎていて、名誉欲を食って生きているみたいな人も多いから、そういった部分での学者ではない人との認識の乖離みたいなモノはさらに広がるばかりだろうね。しかも「自分たちは国のための身を粉にして学問に貢献してる」という気持ちが強いから、なぜ乖離しているかにも気づけずに滅びそうなのが心が痛い...。

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