重賞見解の回顧 天皇賞・春/青葉賞
奥野です。
今週から、前週にアップした重賞の見解についての回顧を簡単にやっていこうと思います。見解の回顧っていうのもちょっと変な気はしますが…。
天皇賞・春(G1)
1着テーイーロイヤル
スタートセンス抜群で、14番という難しい枠からでもすっと好位に取り付く。1000m通過が59秒7とやや速めのペースでも楽に追走し、3コーナーを下る手前まで折り合って持ったまま。馬自身がレースを理解している。
4コーナーを手前で仕掛けると、ディープボンドら先行馬を交わし先頭に立つ。そのまま後続に影をも踏ませず突き放しての完勝。
2着ブローザホーン
ポイントは折り合えるかどうかの一点。今回はハミをリングに替えて臨んできた。大きな加点材料となった。
やや速めのペースになったことも功を奏した。出てなりに抑えて後方に位置取り、壁を作り、折り合いに専念。先行馬が有利なレースでこの位置取りは非常に勇気が行ったはず。
結果的に勝ち切ることはできなかったが、今回は相手が悪すぎたということと、折り合いに不安があった分の消極性が仇となった印象。
3着ディープボンド
良くなっていた。好走時に見せる煩い面が戻ってきていて、体も動ける形に。体に関しては前走時も悪くはなかった。ただ、追走で置いていかれており、精神面での衰えを感じさせたが、一叩きしてかG1という舞台を理解しているからか、気力がみなぎっていた。
ゲートが開くと押っ付けて勢いよく2番手、3番手に取り付くいつもの戦法。跳びが大きいのに、二の足が速いのは体の使い方が上手いから。
今年のラップこの馬にとっては精神と肉体を同期させやすかった。先行して折り合え、体力的にも苦にならず、上がりもしっかりと脚を伸ばせるラップ。ゴール前はさすがに衰えを隠せなかったものの4着まで落ちなかったのは本来の勝負根性が蘇った証。4年連続同一G1で馬券に絡むという偉業を達成した。
15着ドゥレッツァ(1番人気)
前半はやや前のめりの走りで折り合いも完璧だったとは言い難い。ただ、レース運び自体は悪くなく、2週目3コーナー手前までは難なく追走できていた。それが3コーナーすぎで手ごたえが怪しくなりズルズルと後退。
レース後に、軽い熱中症だったことが判明。
青葉賞(G2)
1着シュガークン
ゲート内駐立にまったく問題が無く、スタートも完璧。位置の取り合いの際に、やや持っていかれていた。それ以降も終始気を遣っていた。
3~4コーナーの中間で、差し馬勢に外から一気に来られて行き場を封じられたものの、そこは名手。4コーナーを抜け出すところで、じわじわと外に展開すると、外を行くトロヴァトーレをターゲットにして加速。そこからは前を行く馬を目標に追うだけ。馬も凄いが騎手もやはり超一流。本番に向けては折り合いが鍵になる。
8着ヘデントール(1番人気)
初来日のオシェア騎手に、最初の重賞でいきなりこの難しい馬をあてがわれた。ルメール騎手ですら手こずった馬。そう簡単に御せるものではない。
ゲートからやはりヨレてほぼ最後方の位置。道中も力みがみられ、直線では追って内にモタレっぱなし。走りの矯正が求められる。