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2020年日本ダービー◎○▲△

ボクシング。昨年の11月3日。WBSSバンタム級の決勝戦。井上尚弥とノニト・ドネアの一戦を現地で生観戦した。その後も、Youtubeで20回は見ている。
一流選手は、強いな~!すげー!という驚きを与えてくれるが、超一流は声にならない感動を与えてくれる。

今年の皐月賞は、無敗の2歳G1馬コントレイルとサリオスの一騎打ちとなり、コントレイルが半馬身の差をつけ勝利した。タイム差にして0.1秒。

たとえば、純粋に、この2頭の差が現状で半馬身だとした場合、ダービーでこの差は縮まらないだろうか。あるいは、逆転は難しいだろうか。

考えるべきポイントは4つ。

・距離適性

 概ね、マイルから中距離でしか実績の無い3歳馬に対して、既走の内容から適性を求めるのは難しいが…。 
 現状では、コントレイルよりもサリオスの方が、距離が延びてより良いタイプだとみている。 
 サリオスは、完成されていない大型で肉量が多いために、マイラーに見られがちだが、比較的胴が長く肩もしっかりと出る。よって完歩も広い。ストライドもマイラー的ではない。

・能力
 コントレイルは、現状、才能だけで走っている。才能だけで皐月賞を勝利した。才能はディープ産駒の歴代ナンバーワンといっても良いほどだと思う。
 長所:天性の豊富なスタミナ。バテない脚。
 短所:やや気ムラなところがあり、競馬が定まらない。まだ左右のバランスが良くない。右が少し硬いせいか、回転が遅れていく。皐月賞では最後の直線で左手前に替えるときに、内によれてしまった。
 
 サリオスは、スピードはコントレイルに勝るとも劣らず、頭の良さ器用さはコントレイルよりも上かもしれない。
 長所:スタートが上手く、折り合って素早く好位に取り付ける。レーン騎手とは本当に手が合っている。
 短所:器用すぎる。皐月賞の最後の直線は、ドネアが2Rで井上に深手を負わせた高速左フックのような、まさに捨て身の走りで追い詰めた、が…。
 ちなみに、手前を替えない替えないといわれるが、基本的に追い切りではほとんど手前を替えない。皐月賞でも手前を替えずに走りきった。それは余裕がある証拠で、必要に迫られれば自分からきっちりと手前を替える。皐月賞で4角のロスがなければ…。いや内外の差があっただけに逆転は難しかったかも知れない。
 
 
・戦略
 皐月賞を振り返ると、サリオスにとってラビットとなったウインカーネリアンが、4コーナーで想定していたよりも早めにスピードが落ちてしまった。ゆえに一瞬緩みが生まれた。
 コントレイルはスムーズに外を立ち回ってきたこと、最終週で外伸び馬場だったことで、サリオスよりも加速がつきやすい状況となり、そのまま押し切れた。
 ダービーでは?皐月賞時のように早々と脚をなくすことはないと思われるが…。

 ※レーン騎手は、4月19日(皐月賞の週)から、岡田軍団の有力馬にしばしば騎乗するようになっている。このことから、皐月賞では、となり枠だったウインカーネリアンにラビットになってもらう契約が取り交わされていたのかもしれない。結果的にそれが仇となったが、政治力においてはチームNFには敵わない。(だから牝馬クラシックはそちらに譲った?)
 
・運
 皐月賞では、馬場も展開もコントレイルに味方をした。
 Cコースに変わるダービー週は内めを走った先行馬が有利。外を回す形になると最後まで脚が持たない。昨年のサートゥルナーリアはそれでゴール前に脚が止まってしまった(入れ込み気味だったこともあるが)。道中インベタ追走で直線外に持ち出す競馬で勝ちきるには相当な技術と根性が要求される。
 直線ではバテて上がっていけずにヨレヨレの馬たちを交わしながら上がっていかなければならない。いろいろとロスが嵩み、結果として、より上手くいった馬に先着を許すことになる。

 コントレイルと福永騎手にとってこの枠は決して悪い枠ではないとおもうが、それは先行できての話。NF馬に囲まれたこの枠から、後方に押しやられる形になると、人馬共に非常にストレスのかかる競馬になる。
 
 サリオスは、どの枠からでも速い脚で好位に取り付ける。偶数馬番で後の方のゲート入りというのも良い。さらにラッキーなことにウインカーネリアンが大外枠に。これでウインカーネリアンが出遅れる可能性は極めて低くなった。
 
<結論>
◎⑫サリオス
○⑤コントレイル
△③ワーケア
△⑱ウインカーネリアン
△⑧ビターエンダー

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