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トロント大学に進学、そして Part 1

最後に記事を書いてからあっという間に半年以上も経ってしまいました。大本命の一つだったUCSDからは結局オファーをもらえなかったのは残念でしたが、トロント大学はダメもとで出願していたので、今でもトロント大学に進学できていることが不思議で仕方ありません。ただ、トロント大学に決めてからは怒涛の日々で、あまりに忙殺されていたため、記事を更新する間もなくあっという間に今に至ってしまいました!

独り身であれば何もそんなに忙しくなかったと思うのですが、何せ家族を伴って、経済成長著しく、東京より生活コストの高いトロントでの生活セットアップをしなければならなかったので、住まい、大学の諸制度(健康保険等々)、公共の福祉制度等についてかなり調査が必要でした。ビザもアメリカとなんだかんだで勝手が違いますし、妻のOpen work permitの申請方法に関する情報が限られていたのでそれなりに苦労しました(そしてビザの件は渡航当日にとんでもないトラブルが発生したのですが(後述))。

独身なら大学が用意する単身用の大学院生寮に入ってしまえば良いだけなのでそんなに頭を使う必要はないのですが、特に住まいが大変でしたね。。。これまでの米国経験から、米国であれば大抵の州立大学には大学院生用の家族寮が豊富にあることは分かっていたので、それと同じことをトロント大学にも期待していました。しかし、そこは大都会トロントのど真ん中にあるトロント大学。期待は見事に裏切られまして、長く困難な住まい問題と向き合うことになってしまったのです。。。

家族寮はあるのですが、大半の部屋がカップル用になっていて、子供がいることを想定した2 bedroomの部屋の空きが非常に少なかったのです。3月からずっと問い合わせを続けましたが、何度問い合わせても梨の礫で「確約はできない」との返答ばかり。そうは言っても住まいが決まっていなければ渡航できないので八方塞がりでした。夏になっても状況は変わらず、終いには「遅い秋か冬にならオファーを出せる可能性がある」とまで言い出して、家族寮を断念して自力で賃貸を探すことに!

子供のために良い学校のある学区を選び、かつ通勤がしやすく、家賃をなるべく抑えつつも質的に豊かな暮らしができる住まいを探すのは困難を極めて7月中下旬頃は発狂しそうになっていました。何せ経済成長の著しいトロントでは需給バランスが完全に崩壊しており、毎年家賃上昇が目覚ましく、日本円に換算するとびっくりするような家賃設定がされています。少しでも良い条件の物件が市場に出ると数日内に決まってしまうのです。大変な苦労をしましたが、幸いにも現時点でこれ以上はないだろうという環境を得ることができたので最終的には家族寮を断念する選択をして大正解だったと思います。現地に着いてから街を歩いてみて気付いたのですが、大学の家族寮周辺は周辺にストリップショーがあるような地域で子育てに適していない環境だったのです。それに今の住まいに決めたことで偶然の出会いも生まれて、運命のようにも感じています。

ちなみに住まい探しはあらゆる掲示板や賃貸検索サイトを利用したのですが、最後は掲示板に掲載されていた一見怪しそうに見える物件に行きつきました。この手の掲示板は詐欺案件も多いのでその見極めが重要ですが、これまでの経験上、割と詐欺を見極めるのは得意なので今回はそれが功を奏したように思います。ただ、現地に行かず、バーチャル内見だけで住まいを決めるのは万人にお勧めする方法ではありませんが(苦笑)

この住まい探し騒動のおかげで、8月上旬に渡航する計画だったのを大幅に後ろ倒しするはめになり、トロントの夏を十分に満喫する時間も大学がスタートする前に生活セットアップをじっくりと済ませる余裕もなく、怒涛の勢いで8月末に渡航することになってしまいました。なにせ着いた翌朝にSIN numberと呼ばれる就労のために必要な番号を申請しにいくという荒技をこなしつつ、新居への引っ越し、子供の学校関係の手続き等々あらゆることを済ませ、着いた1週間後には大学院生活がスタートするという今思い返しても人生の中でこれだけ密度の濃い日々を過ごしたことはなかったと思います。住まいに関しても現地に着く最後の最後まで本当に詐欺じゃないのかという不安が頭をよぎっていましたし、あらゆる手続きを短期間で終わらせないといけないプレッシャーも大きかったので、もう二度とああいう経験はしたくないと切に思います。

上の方に書きましたが、実は渡航当日に子供のビザに関してとんでもないことが発覚して、あやうく入国できない可能性がありました。これまでも米国へのビザ申請は自分でやったことがあったので今回も自分でやったのですが、ダブルチェック的な意味で、お金を払ってでもリスク軽減のためにエージェントを活用するのは有りだなと思い直したところです。最終的にはデルタ航空の日本人スタッフの尽力でカナダ当局と事前に調整してもらって事なきを得たのですが、こんな経験は初めてでした。本当に今思い返してもあの一週間はどうかしていたと思います。

こうして無事(?)にトロント大学でのPhD生活がスタートしたわけですが、記事が長くなってきたので一旦ここまでに。到着してからずっと全力で走り続けているような状況でしたが、やっと一息つけるようになったので、これから少しずつ書いていきたいと思います。

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