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新築を整える#7 ベランダの室外機を防音する

 室外機の振動がベランダの床を伝わり、下のフロアに音として伝わっています。そこで、600円の防振ゴムで室外機の振動をベランダ床に伝わりにくくし音を小さくしました。結果、夜に気にせず寝られるレベルまで抑えられました。今回の気付きは、次の3点です。

  1. 日立純正部品(600円)で振動の伝搬を36Hz付近で5dB程減衰させられる

  2. コンプレッサー及びファンの振動は、36Hz程度の領域のため、たわみの少ない減衰装置では効果を発揮し辛い。一方で、たわみを増やすと荷重を支えられない

  3. 室外機は40kg、均等荷重ではなくコンプレッサ側が重たい

改善前:プラスチックの脚に直接取り付け

改善前:設置状況

 ベランダの真下のトイレで計測。36Hzの42.23dB。42dBは、一般的には、「聞こえるが、会話には支障なし」のレベルとされ、図書館と同程度と例えられていました。人に寄り感じ方は変わり、妻は気にならない、動いているのはわかる程度に対し、私は気になって寝れないと感じました。

改善前:iPhone 13 Proのマイクにて、アプリ(Sonic Tools)で計測

 つまり、あと数dB改善できれば問題ないレベルに辿り着けそうです。まず、メーカの据付説明書を確認したところ下記の記載を見つけました。

振動が家屋に伝わるおそれのある場合は、室外機と据付具の間に防振 ゴム[サービスパーツ品RAC-N22S 100(別売)]を入れてください。
https://kadenfan.hitachi.co.jp/support/raj/item/docs/ras_xc22j_d_sue.pdf

 RAC-N22S 100は、厚みは1cm程で、裏面の5mm程は格子状に抜いてあります。手で曲げると簡単に曲がり、垂直方向に指で押すと2mm位沈みます。ゴムは特別柔らかくありませんが、幾何学的な構造により、特殊な変形を行うメタマテリアルです。

RAC-N22S

改善後:防振ゴム+プラ足

 プラスチックの足にビス固定されていましたが、それらを外しゴムを挟みました。室外機は固定されておらず、転倒の恐れがあります。暫定です。

改善後(暫定)設置状況

 体感は、静かになったが、動いているのは分かるレベルまで改善しました。ピークが7Hz上がった他、60-70Hz付近が7dB減衰し、なで肩形状になっています。真下のトイレでは多少気になりますが、少し横にズレた寝室では気にならず寝られる状況になりました。

改善後:防振ゴム+プラ足

 一方で、計測結果は、36Hz付近は40dB以下、38dB付近と読み取れます。代わりに42Hzが改善前と同レベルの音圧になっています。単に周波数が6Hz上がっただけのように見えます。

 音圧が全体的に低くなると予想していたので、音圧がピークで数dB下がる結論にならなかったのは予想外でした。ただ、今回は構造物を揺らすことにより伝搬する音のため、周波数のピークが6Hz上がるだけでも、そのエネルギーは低減したのかな?と思います。

改善後:防振ゴム+コンクリート足

 取り付けの都合と、質量はあった方が振動は抑えられると考え、プラ足をコンクリート足に変更しました。取り付けは、防振ゴムのM10ボルト用貫通穴を通して、コンクリート足に固定しています。コンクリート足は、片方で4.2kgあります。

コンクリート足
コンクリート足でボルト絞め

 結果は、周波数が92Hz付近がピークとなり、52dBとなりました。体感でもうるさくなったのが分かります。完全に防振ゴムを介して振動していたプラ足に対して、ボルトをバイパスして直接伝わる振動があるようです。

 そこで、ボルトのトルクを緩めてみたのが次です。

コンクリート足でボルト緩め

 問題の92Hz付近の52dBは無くなり、42dB付近で横ばいになりました。稼働状況によって、34Hz、52Hz、205Hzの3点でピークが動く挙動になりました。205Hz辺りの周波数はプラ足の時にはなく、周波数が上がり固い音になりました。音圧は上がらず、引き続き気にならないレベルです。

 次回は、コンクリート足の下に防振ゴムを挟み、二重防振を試してみます。折角の質量もバネ上に持っていかないと効果が薄いのかもしれない点と、205Hzの振動であれば、メーカー製の薄いゴムであっても十分に減衰でき、周波数全域で40dB以下に抑えられるかもしれない点を期待しています。

参考:その他気になった防振商品

ACM-30  899円/個

https://www.monotaro.com/p/1197/0568/


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