高山が作家として更に飛躍することを願い創作活動を支援したい!~エッセイ「ガーターベルトの女」の作品化を目指して【337】
妄想家・夢想家無名居士の夢物語の記録です
無名作家高山のエッセイ「ガーターベルトの女」の
映画化芝居化・・・その他いろいろ作品化できればなんでも
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【 随筆 】安倍晋三と言う愚鈍な独裁者
高山の作品から
随筆「Yとの嬉しい再会 12」
2018/01/04
Yのシリーズ続いてますね。
管理人さんが感想の返事で言われてる作者に直接的メッセージとは、知らなかった人からの反響が有るって事です。
珍しい事ですし嬉しいです。
続けてるのは、今の現場にYとかつて仕事をしてた非常に良い坑夫が集まってます。
そこで、Yとの昔の話しが出るんですよ。それで、エピソードが増えてますね。
もう少しエピソードが出てくると思います。
面白い物で、元々そこの現場は良い作業員が揃ってましたが、Yが入る事で刺激を受けた人間も居れば、Yが居るならそっちに行こうかと言う良い坑夫が集まってます。
人の流れが、Yによって作られつつ有ります。
それも腕の良い坑夫が、Yが居るならって感じで来てます。
二人程、しばらく一緒に仕事をしてなかったのが、来ます。
二人とも、Y以外のメンバーもある程度知ってますね。
Yと初めて会った鳥取の現場で二人とも仕事してるし、ある意味僕にとってもこの現場が、父の会社倒産後の初めての大きなトンネルでしたから、原点に近いのかも知れないですね。
一人は、Yと僕が出会った頃は十八才とかでしが、今では三十代の半ば過ぎになって、非常に腕の良い坑夫になってます。
五年ほど前かな少しだけ仕事をしましたが、火薬を挿入する機械を二人で競争して乗りましたね。
元々僕が鳥取の頃に色々教えた男ですが、才能が有りました。
競争は、ほとんど五分五分でしたね。
こっちはズルい方法知ってるからまだ、抜かせるかよと笑いましたね。
鳥取の頃には、僕が掘削班に入ってからはYと雑工してて、Yにも色々習ったようです。
Yさんは、火薬の免許さえ取れば凄くなりますと言ってたし、自分自身駆け出しの頃に色々教えて貰ってるから、Yにも僕にも頭が上がりません。
しかし、正月明けから来ますが、実際にYを見たら驚くと思いますよ。
僕は掘削班でしたが、Yは当時は火薬の免許無いために掘削になかなか入れなかったから、余り見てないですからね。
もう一人もYと鳥取で初めて会って、三人で幾つかの現場を渡り歩きました。
こいつは、その前から僕は知ってて、多分最も僕とは長い付き合いで、同い年です。
全国を回ってますし、非常にあちこちから引っ張られるベテランになりましたね。
Hと言う名前で、何度もこのエッセイに出てきます。
Hも正月休みに入る少し前から、既に来てます。
丁度東北の方に行ってて、仕事の区切りも良かったし、元々九州の人間ですからね。
Yが来てて、非常に掘削で頑張ってるし腕も良いと言うと、あいつは耳が悪いのをカバーして余りある一種の超能力が有るよと言ってましたが、実際に見たらやはり、ここまで出来るようになってるのかで驚いてますね。
Yの一種の超能力に、僕の周りで最初にハッキリ気付いたのはHだったと思います。
Yは勿論、勘とか目で色々見てて出来るんですが、明らかにそりゃ少し人に説明出来ないよって事が有ります。
昔、たまたまHと見てて、Yが二十トンダンプをバックさせてたら、Yに向かって違う機械が来てたんですね。
相手のミスです。
Yのダンプは、ミラーも壊れてるしカメラも壊れてるのにYは、顔も出さずにそれをスッと避けてバックしたんです。
多分、顔を出してても相手の機械はライトも無いし、粉塵が凄かったからほとんど見えなかったと思いますね。
普通なら、耳が悪くなくてもぶつかってると思いますね。
僕もHも、見てて危ないと思いながらも、Yなら避けるなと言うのが有りましたね。
無意識に何度もそう言う場面を見てたから、Yが避けると思ったんです。
Yに、その辺りを突っ込んで聞いた事が有ります。
ああいう時に耳は聴こえてるのか?とか、何故分かったのかです。
Yが言うには、耳は多少は聞こえてても、機械の音とかダンプの音で分からないらしいです。
見えてるかと言うと、見えてないけど感じると答えるんです。
来てるから、避けないとって感じると答えましたが、幾らそれ以上聞いてもYに説明するだけの語彙力ないし、感じるで僕らは納得しましたね。
Yが言うには、バイクに乗っててカーブでギリギリまで倒しても、ここまでなら大丈夫って分かるでしょう、それと同じだと言うんです。
Yは、ハーレーに乗る前は完全な走り屋で地元では、速いのと危ない運転をこなすので有名だったらしいです。
昔は、レーサータイプのバイクに乗ってたらしいですからね。
しかし、普段の補聴器付けてない時のYは非常に鈍感です。
朝礼してても、聞こえて無いから字を追うのと、いざ現場を見てから決めますね。
朝礼してて後ろから蹴っても気付きませんが、トンネル内とか作業してると、後ろに行くとスッと気付きます。
本人いわく、スイッチを切り替えるという言い方してましたね。
仕事になるとスイッチを入れる、という感じです。
こうなるとお前はロボットか、或いは格闘家かと思いますね。
考えるな感じろってのは、ブルース・リーの名台詞ですが、それに近いのかもです。
僕も剣道をするから、多少は分かるんですよ。
見えなくても、相手が何処を打ってくるか分かる瞬間ってのが、たまに有ります。
しかし、それは、たまになんですよ。
無の状態と言うけど、そう簡単に何時もそういう状態にはなれません。
Yは、それに近いものを意識してやれるって事なのかもです。
それとも、全く違う回路が有るのかも知れないです。
僕らの分からない違う回路と、鋭い勘のようなものが合わさってるのかもと、僕は最近は思います。
Yに説明を求めても、何せ語彙力が無いから聞いても分かる物は分かる、で終わりです。
まあ、言葉で説明できない事象なのかもとは思いけどね。
Yは、本も読まない、漫画も読むのは読むけど直ぐに意味が分からないと、聞きます。
それが、難しい漫画なら分かるけど、『こちら葛飾区亀有公園前派所』を読んでて、●●ちゃんこれは、どういう意味とか聞きましたからね。
『こちら葛飾区亀有公園前派所』の意味を聞くってのは、そういう理解力が相当低いって事ですね。
ある部分は相当欠けてますが、ある部分は特化してるって一つの例かも知れないですね。
ハーレーやバイクを弄ってても、ほとんど見てなくても分かるようです。
手先も器用ですからそれって凄いなと言うと、何時も触ってるんだから分かるよと、当然のように言われます。
Hも僕もYが耳のせいで事故をするとは思ってないですし、最も事故の少ないタイプではと思ってます。
Hが言うには、あいつは慌てないしそういう点でも、トンネルでの事故は余程じゃないとないなあと言ってましたね。
Hは、三十才の時に現場が一緒になって唯一、仕事抜きで時々僕が電話する相手です。
トンネルの作業員に関しては非常に冷静に見てるし、完全な職人ですね。
僕とはタイプが違うけど、何も気にせず話せる少ない相手です。
それでHとこないだ現場で休憩してて、かつての話しになりました。
鳥取の現場の後に何処に行ったかですが、あちこち行ってるんですよね。
僕のおじさんが所長で、小さい現場を転々としました。
他の会社の応援とか、本当に小さい現場を何ヵ所か行ったので、何処にどういう順番で行ったか覚えてないです。
しかし、Yも大抵居たのは覚えてますね。
おじさんが、僕とHとYを使ったからですし、使いやすかったのだと思います。
三人とも若いし、働き者だしですね。
技術的には、当時はHが三人では一番でしたね。僕がそれに続いて、Yが僅差で僕に続いてるって感じでした。
確か愛知県かその辺りの県で、小さいトンネルを手堀りで八十メートル程掘りました。
手掘りってのは、機械はピックと言う手に持てる機械で掘る事です。
良く手に持ってダダダって感じで、土やコンクリートを掘ってるの見ませんか。
破砕機です。それで硬い山を掘って行くんです。
これは、まあ疲れます。
そして、土をキャリーダンプと言う一輪車にキャタピラが着いたような、小さいダンプで出すんです。
なんと言っても掘るのが狭い場所です。高さが約二メートル、横幅が四メートル位だったと思います。
そこを三人で掘って、鉄の枠支保工を入れて板で周りを囲むんです。
支保工ってのは、大きい現場も小さい現場も使います。
僕らの呼び方では、「しほうこう」です。
この工法は古くからあって、僕らは在来工法と言います。
単純ですね。掘ったら鉄の枠を建てる、そこを矢板と呼ばれる板を入れていって囲むんです。
それをキャンバーで締めたりします。
キャンバーとは、楔のような板です。
隙間が多ければ、板を二重にしたり色々です。
僕はこの工法を何度もやってるから知ってますが、今の若い人は臨機応変にこの工法を上手く出来なかったりします。
古い工法ですが、今でも有ります。
主に今は小さいトンネル、例えば農業用水路になるトンネルとかに使われますね。
この工法は山が良ければいいですが、山が崩れやすいとか水が出るとか言う場合は、非常に技術的なものが必要です。
おじさんの所長と四人で行って、おじさんが基本を皆に教えました。
そして何か有れば、おじさんが対処の仕方を教えましたね。
古い工法を知ってましたからね。
しかし、普段はおじさんは材料の準備をすると、何かない限り事務所に居て見回りに来てましたね。
そして、何故若い連中が三人入ってたかは、山さえ良ければひたすら体力仕事なんですよ。
ピックで山を削って、それをキャリーダンプに積んで、枠を建てて板を入れると言うのは、かなりしんどいです。
それも硬かったから、ひたすら三人で交代してピックで山を削ってましたね。
汗びっしょりになりながらです。
麦茶の大きな容れ物を買ってきて、何度も飲んでました。
宿舎は古い民宿で、食べて風呂に入ったら三人ともテレビ見ながら、何時の間にか寝てるような感じでした。
かなり筋肉も付いたけど、掘るのはパワーのあるYと僕が中心でした。
Hは、建てる時に細かい所のチェックしてましたね。
Hは、見た目は眼鏡を掛けて、何処かの公務員のようでした。
体力的に劣るとか無かったですが、器用でしたし残りの二人がYと僕でしたから、Hがきちんと最後を決めるって感じでした。
時々、粉塵の凄い中を出て三人で、外で煙草を吸ってたから多分冬では無いですね。
一般の人が、こんな所にトンネルがって感じで、細い道路を通ってましたよ。
たまに女子高生が通ると、三人でニヤニヤしてましたね。
まあ、三人とも若いし仕方ないですね。
そういう中で半分を過ぎた辺りから、山が崩れ易くなって作業を急ぐようになりました。
時には、おじさんの所長も来て手伝いながら、怒鳴ってましたね。
こうなると、掘って建て込むまでが非常に急ぐのと、色々な工夫が必要になってきました。
そういう技術は当時の僕らに無くて、おじさんが指導しながらやってました。
当時のおじさんは五十代を越えてて、厳しかったです。
何しろ一歩間違えたら山が崩れるから、指示しても遅かったら相当怒られましたね。
Hも僕もYも必死に付いて行きながら、工法を覚えましたね。
Yは、帰りながら凄いなあとか言って感心してましたし、こういうスリルを楽しんでるようでした。
耳がほとんど聞こえなくてもおじさんが何が必要としてるかを、一番早く察知したのはYでした。
その次がHで、最後が僕でしたね。
Hも相当器用で勘も良かったけど、Yの方が早いのには皆驚いてました。
最後が僕でしたが、二人が勘が良すぎたんですよ。
おじさんも途中から、Yの勘の良さに驚いてましたね。
あいつは耳が本当は聞こえてるんじゃないか、とまで言ってた位です。
おじさんも、Yの一種の超能力的な部分を凄く感じたようで、早く火薬の免許取らせないとなと、真剣に言うようになりましたね。
僕に一度落ちた時は、お前の教え方が悪かったんじゃないのかと笑ってましたね。
あいつは勿体ない、とも言ってましたね。
目の当たりにして、Yの才能を完全に分かったんでしょうね。
民宿に戻ると、火薬の免許の勉強を僕とするようにとなりましたね。
Hもおじさんも発破技師と言う火薬の免許では、一番下のしか持ってなかったです。
トンネルの火薬の免許は発破技師、乙種保安委員、甲種保安委員とあって、僕だけ一番良い甲を持ってたから、Yにまた教えるようになりました。
しかし、疲れてて途中で寝てしまうってのが、多かったですね。
それに、僕も発破技師は直ぐ取ったけど、甲は三度目て通ってますから得意では無かったです。
そういう山が厳しい時が続いてて、たまたま何かの用事でHと僕がトンネルの外に出てて中に戻ってたら、地鳴りのような音が聞こえました。
Hも僕も、山が崩れる音って直ぐに分かって走りました。
中には、Yしか残ってないからです。
すると更に激しい音がして、前を見ると山が崩落してました。
支保工は鉄ですが、グニャリと曲がって倒れてましたね。
山が抜けたり動いたりする時ってのは、凄い力が掛かるんですよ。
おじさんも音に気付いて、急いで来ました。
中にYが居るのを知ると、お前たちはYだけ残してたのかと怒りましたが、とにかく急いで側に行きながらも次の崩落があったら逃げるからな、と大声で言いました。
二次災害を防ぐ為です。
崩落した直ぐ側まで来ると、完全に山が抜けてて土砂で塞がれてました。
粉塵も凄いし、何よりそういう光景を見ると恐怖が沸きますよ。
どのくらいの区間崩落したのかさっぱり分かりませんでしたが、とにかくYを大声で呼びました。
しかし、Yが耳が不自由なのに気付いて僕らは絶望的になりながらも、スコップを持ってきて掘り出しました。
おじさんは掘りながらも、次の崩落が来たら諦めろと言いましたね。
Yが埋まったのか、それとも崩落した所から離れてたのかさっぱり分かりませんでしたが、スコップを皆で必死に使いました。
昔、大きな現場で崩落を見てるし、つい最近も見てるから今はそれほど焦りませんが、この時はYが残ってるってので慌てましたね。
耳が不自由なの分かってても、皆でYを大声で呼びましたよ。
おじさんは殺してたまるかとか言って、必死の形相でスコップ使ってました。
Hも珍しく完全に取り乱してて、スコップを上手く使えて無かったのでおじさんから、しっかりしないかと怒られてはっとしてましたが、冷静さは無かったです。
皆、必死でした。
しばらくするとおじさんが、ちょっと待てと止めました。
耳を澄ますと向こうから、何かの音が聞こえて来ました。
生きてるな!とおじさんは言うと、またスコップを使いながら掘り出しました。
向こうから、微かに何かの音が、一つのリズムを持って聞こえて来ました。
おじさんは、向こうにもスコップは有るんだろうと聞いて来たから、埋まってないなら有ると答えました。
僕は、ピンと来ました。向こうからもYがスコップで掘ってるのが分かりました。
皆にそれを言って、急いで掘り出そうと伝えました。
Hのスコップを持つ手が震えてるのが分かったから、僕は横から思い切り顔を張りました。
しっかりしないか!!と言うと、分かってると言いながら何とかスコップを使ってました。
しかし、相当パニックでしたから、使い物に余りなりませんでした。
後から聞いたら崩落は初めてで、あの時程焦ったのは今までないと言いましたね。
度胸は有るんですが、パニックに珍しくなってましたよ。
まあ、考えたら幾ら腕が良くてもまだ、三十代前半でしたからね。
パニックになるのが普通です。
僕とおじさんはひたすら掘りましたね。
段々、向こうからの音が大きく聞こえて来ました。
おじさんは、近いぞと言うと、失敗してYの顔にスコップをぶつけても良いぞと言って笑いました。
これは、昔、崩落事故の時に僕が人を助けに行って、生き埋めの人を掘り出してて、顔にスコップをまともに突っ込んでしまいながら助けたのを知ってるから、冗談で言ったんでしょうね。
因みにその人の頬には、スコップで抉れた痕が一生残ったけど、会うたびに僕のお陰で生きてると言われましたね。
当時会社内では、この事は有名になりましたが、Hは知りませんから僕にしか通用しないジョークでしたね。
この話しは、確かサイトのエッセイで書いたと思うので、ここでは割愛します。
ジョークが出るって事は、おじさんの中でも大丈夫って確信があったと思います。
僕も、怪我はあるかも知れないが生きてて、大丈夫と言う確信が有りました。
その雰囲気がHに伝わったんでしょう。
Hはヨッシャア!!と叫ぶと、スコップをまともに使い始めました。
しばらくすると向こうの音が、側に来てるのが分かりました。
少しだけ慎重にこっちから掘ってたら、いきなりグサっと、スコップが向こうから突き抜けて来ました。
Yのスコップです。
そこから皆で慎重にYを掘り出して、外に出しました。
Yは出てくると笑いましたが、泥と血で顔が酷い状態でした。
おじさんはYを座らせて、あちこち触ってました。
Yに痛い所は無いかとか、どのくらい崩れたんだと聞いてました。
Yは、痛いのは鼻血が出たからそこだけで身体は大丈夫と答えて、崩れたんのは多分十メール位だと思うと答えました。
HがYの所にすがるように行くと、持ってた使ってない軍手で顔を拭いてやりながら泣きました。
冷静なHが、酔ってない時にここまで取り乱して泣くのは、初めて見ましたね。
Yは泣かなくて良いと言うと、皆が助けに来てくれるのが見えたから、俺も頑張れたと言いました。
多分、本当に見えたのでは無いかとか思いますね。
Yにはそういう能力が有るんだと、僕もHもおじさんも信じてましたね。
おじさんは疲れたらしく、座り込むとこの後休憩したら、元請けが来るまでにこれを何とかするぞと言いました。
Yも風呂に入ったら、出れたら出ろと言いました。
Yは、オーケーだけどコーラが飲みたいと言うと、笑いました。
おじさんは、僕にコーラと皆に何かを買ってこいと、非常に顔色の悪い顔で言いました。
後からこれも知るんですが、この時おじさんは心臓が相当悪くて、医者に手術を勧められたらしいです。
数年後手術するんですが、この時もとてもあんなことをする体力は、実は無かったようです。
僕は、走って外に出ようとして転けましたね。
コーラを買いに近くの自販機に行くと、脚と手が今になってブルブル震えました。
激しい喧嘩の、後のような感じでしたね。
コーラとかジュースを買ってくるとYは、一気に大きい缶コーラを飲むとゲフ!!と、げっぷをしたので皆で笑いました。
相当な重労働で喉が渇いてたんでしょう、立ち上がると自分自身でもう一本買ってくると言いながら、あー!っと叫びました。
皆、何か起こったかと思って聞くと、小便が漏れてると言って笑いました。
流石のタフなYも、小便が漏れたんでしょうね。
おじさんが、そのくらいどうしたと言うと笑いましたね。
その後、皆で休憩して崩落の処理を始めました。
元請けには、人が埋もれたとか崩落も軽い物だったと言えと、おじさんに言われました。
そうしないと工事がストップするからです。
皆で土砂を出したり、元の形に戻す作業に入りました。
Yは、宿舎の民宿で風呂に入らせて無理なようなら休めと言われてたけど、直ぐに戻って来ました。
元に戻すのは深夜までかかりましたが、おじさんは途中で抜けたけど、三人は元気に頑張りましたよ。
Hがこの話しを良く覚えてて、話して僕はそう言えばそうだったな、と思い出しました。
崩落の事故は覚えてたけど、細かくは忘れてましたね。
Hにとってはショックな事故で、自分自身が情けなかったと言ったけど、誰でもこういう事に遭遇したらパニックになると言いました。
しかし、Hはお前もおじさんもしっかりしてたと言いますが、僕も後から震えが来たと言いました。
それでもHは、あの時の自分自身はお前たちに負けたと言います。
まあ、それは持ってる気質でしょう。
Hにとってはプライドも傷つけられた話しなので、良く覚えてるんでしょうね。
苦い思いでとしてですね。
それより、Yの特殊さとYのタフさに驚きましたね。
Yはこの話しすると、あー!小便が漏らしたからなあと笑うらしいです。
いかにもYらしいです。
おじさんは心臓が悪くて、僕は後から強烈に震えが来て、Hは劣等感に苛まれてですが、Yは小便が漏れたっていかにもYですね。
それぞれが必死でしたが、Yは助けが来てると見えた、と言ったのが印象的です。
多分信じない人が多いでしょうが、その場に居た僕らは、見えたのだろうと信じてますね。
それと、いかに事故をしないだろうと言われてるYと言えども、事故は何時起こるか分からないって事ですね。
自然相手と言うのは怖いです。だから、色々な迷信と言われる物にすがるんです。
常に現場には塩を置いてるし、お神酒をきちんと毎月上げますからね。
僕は、ケータイで気軽に写真を撮るなと言われました。
その人は事故をしてて、その前に矢鱈に若い連中がケータイで現場の写真を撮ってたらしくて、簡単に山や現場を撮るのは良くないと言われて、一切撮りませんね。
Hもその人から聞いてから、全く撮らなくなりましたね。
まあ、個人個人での迷信のようなのも残ってます。
怖さを知ると、何にでもすがりたくなるんですよ。
とにかく事故だけは、避けたいですね。
おわり
高山の作品紹介
次回は随筆「Yとの嬉しい再会 13」
「ガーターベルトの女」~映画化のために
「ガーターベルトの女」 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 番外編 番外編2 14 15 番外編3
「ガーターベルトの女 外伝」(フィクション編) 1
「新・ガーターベルトの女 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
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