シェア
生ける者遂にも死ぬるものにあればこの世なる間は楽しくをあらな いけるもの つひにもしぬる …
この世にし楽しくあらば来む世には虫に鳥にも我れはなりなむ このよにし たのしくあらば こむ…
世間の遊びの道に楽しきは酔ひ泣きするにあるべくあるらし よのなかの あそびのみちに たのし…
夜光る玉といふとも酒飲みて心を遣るにあにしかめやも よるひかる たまといふとも さけのみて…
価なき宝といふとも一杯の濁れる酒にあにまさめやも あたひなき たからといふとも ひとつきの…
あな醜賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む あなみにく さかしらをすと さけのまぬ…
なかなかに人とあらずは酒壷になりにてしかも酒に染みなむ なかなかに ひととあらずは さかつぼに なりにてしかも さけにしみなむ 作者 大伴旅人 古希を期に 禁欲やめて 性癖の 今がサカリの 真っ盛りなり 作∶一郎
言はむすべ為むすべ知らず極まりて貴きものは酒にしあるらし いはむすべ せむすべしらず きは…
賢しみと物言ふよりは酒飲みて酔ひ泣きするしまさりたるらし さかしみと ものいふよりは さけ…
いにしへの七の賢しき人たちも欲りせしものは酒にしあるらし いにしへの ななのさかしき ひと…
酒の名を聖と負ほせしいにしへの大き聖の言の宣しさ さけのなを ひじりとおほせし いにしへの…
験なきものを思はずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし しるしなき ものをおもはずは ひとつ…
憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむぞ おくららは いまはまからむ こなく…
しらぬひ筑紫の綿は身に付けていまだは着ねど暖けく見ゆ しらぬひ つくしのわたは みにつけて いまだはきねど あたたけくみゆ 作者 沙弥満誓 我が母校 筑紫中央 その昔 まだ田園に 囲まれて在り 作∶一郎