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「事前準備が99.56%」という話

「事前準備が99.56%」という話

仕事の結果は始まる前に決まっています。まずは、環境を整えることです。

失敗の原因は必ずはっきりしています。準備不足です。

誰しも負ける勝負はしたくありませんが、負ける勝負をさせられている場合が多いのが現実です。

少し考えてみましょう。

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ようこそ。門松一里です。静かに書いています。

いつもは、
「あまり一生懸命になるな」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n081dd28c9a6c
とか、
「沈黙」という話/「東アジアの思想」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n416e39d84b94
を書いていますが、本当はノワール作家です。

という話(ik)-2

という話(ik)を連載しています。

こちらは調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。※虚構も少なからず入っています。

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事前準備が99.56%という話がありますが、日本は特に兵站(へいたん)が脆弱です。

兵站は戦争の言葉で、作戦行動する軍のために、後方から支援する機関です。

兵站が未熟ですと「兵はいるけれど銃がない」「銃があるけれど弾はない」ということになってしまいます。

一般的な戦争は、兵站を完全にコントロールできたほうが勝ちます。そのためには情報が必要であり、そもそも有益な情報があれば無用な戦争を回避できます。ですから、『孫子』の時代からスパイは高給なのです。戦争の損失よりはるかに安いですからね。

兵站線(輸送ルート)を破壊されたら、兵は死にます。
これは諺ではなく、実際私の祖父も亡くなりました。
「病人がいるのに医師がおらず薬もなかった」のです。

同じようなことを仕事でしてはいませんか? やっちゃダメなんです。

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門松一里の兵站をご紹介しましょう。

研修ですと70万円(税抜)です。どうしてバラすのかというと、現場でその個人が考えないと意味がないし、「見えていない問題を本人が見つけることが絶対にできない」からです。本人が問題だと思っているのは「単純にやらなければならない見えている課題」にしかすぎません。

では、トレーニングです。

〈問題〉所要時間15分
カップ麺を食べるとします。工程をフローチャートにしなさい。
※必要な項目があれば適宜組むこと。
※箇条書き可。

〈回答のヒント〉
まず、人数分のカップ麺があるのかを確かめる前に、アレルギーや食べられないものを調べる必要があります。

アレルギーがある人にその食材を食べさせるのはダメなのは当たり前ですが、食べられないものには宗教的に「食べてはいけないもの」もあります。宗教は生き方の範疇なので、それがどうしてそうなっているのかは知る必要があります。

調べる人が複数いるのなら、同時にどんなカップ麺があるかチェックします。

お湯を沸かします。
(日本語は不思議ですよね。工程としては「水を沸騰させる」なのに。)

賞味期限や箸まで書けましたか? 研修ではゼロ点です。

悪意の想像力がない人は、愚者である。

〈回答例〉
お湯を沸かす前に、ガス漏れなり漏電をチェックしていない場合、爆発なり火災がおこりえます。――もちろん、これはジョークです。

箸が使えない人のためにフォークを用意できたでしょうか?

カップ麺が足りないときはどうしたでしょう?
買いに行きますか?
車? 自転車? 徒歩?
外の天候は?
車や自転車のメンテナンスはどうでしょう?
傘は盗まれていませんよね?
車や自転車の保険は?

そして、もし食べている途中に火災になったら?

私はホテルに到着したら、必ず避難方法を確かめて、非常口までの歩数を数えます。そうすることで安心します。

準備の最たるものは、物理的な不具合を取り除くことです。

現場で養生が足りなくて泣きそうになったことはありませんか? すべてあるのに、何かが一つ足りないと何もかもできなくなります。

仕事をするときに、社会保障があるのが当たり前ですが、細かな部分で危険なことを安易にしてしまうのが、現実です。

責任者の仕事は、環境を整えることです。

この問題では、それぞれの「悪意の想像力を自覚すること」を意図しています。

高額な研修の話は、また別の機会にしましょう。

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