「モテるコツ」という話
「モテるコツ」という話
モテるコツを知りたいですか?
ありますよ。
2時間相手の話を聞けばいいのです。
少し考えてみましょう。
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ようこそ。門松一里です。静かに書いています。
いつもは、
「あまり一生懸命になるな」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n081dd28c9a6c
とか、
「沈黙」という話/「東アジアの思想」という話
https://note.com/ichirikadomatsu/n/n416e39d84b94
を書いていますが、本当はノワール作家です。
という話(ik)を連載しています。
こちらは調査資料(エビデンス)を使った「思考の遊び」――エンタテインメント(娯楽)作品です。※虚構も少なからず入っています。
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相手の話を2時間聞くだけでモテます。
「そんなことでいいんですか?」
そう思いますよね。でも、実際はできていないんです。
「聞くだけ」です。絶対に口答えしてはいけません。忠告もしてはいけません。聞く側の意見は不要なんです。
そこに賛同も共感もいりません。話を聞くお人形さん状態です。
黙って聞いて、時おり頷くだけでいいです。
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ヒトは動物ですから群れる生物です。根本的に淋しがり屋なんです。自分のことを理解してほしい、認めてほしい、とりあえず聞いて欲しい。
それがどれだけ優秀な人であれ、自分の話を聞いて欲しい生き物なんです。
それを受け止めるだけです。
そして、そこに聞く側の意見は不要です。まったく要りません。世界観や常識や倫理も不要です。
ただ、そこに二人がいるだけでいいのです。
(もちろん最初に「素敵ですね」と言っていますが。)
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カエサル「人妻をじっと見つめればいい」
マゾッホ「女王様になってもらえばいい」
ランボー「旅先で出会えばいい」
ヒトラー「広告をだせばいい」
サン=テグジュペリ「同じ方向を見ればいい」
ケネディ「大統領になればいい」
サガン「猫を飼えばいい」#joke
「人妻をじっと見つめればいい」
ローマの政治家ガイウス・ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)は非常にモテました。一説には元老院議員の1/3の妻が寝取られたそうです。
「女王様になってもらえばいい」
オーストリアのレーオポルト・フォン・ザッハー=マゾッホはマゾヒズム(被虐性欲)の由来になった作家です。「フォン」がついた長い名前から推察できるように貴族です。高尚な趣味ですからね。#joke
「旅先で出会えばいい」
フランスの詩人アルチュール・ランボーはポール・ヴェルレーヌと別れたあと詩を捨て砂漠の武器商人になりました。とても不思議な人生です。※正しくは貿易商。
(シルヴェスター・スタローンの映画『ランボー』とは無関係です。)
「広告をだせばいい」
オーストリア出身のドイツ人アドルフ・ヒトラーは広告をたくみに使いモテました。絵より文才があったようです。#blackjoke #我が闘争
「経験は教えてくれます。愛するということは互いを見つめることではなく、いっしょに同じ方向を見ることだと」
フランスの作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリは『星の王子さま』が有名ですがこの言葉は1939年の『人間の土地』からです(これだけは #joke ではなく本当の話です)。
戦争中に飛行機で偵察していたとき敵機に落とされてしまいました。発砲したドイツ兵は後年「もしあの飛行機に誰が座っているか知っていたら、私は撃たなかっただろう」と証言しています。彼もまた愛読者だったのです。
戦争はしてはいけないのです。善人や正義感のある若者が亡くなり、悪人や傲慢な老人が生き残るからです。たとえば、モーズリーの法則を発見したイギリスの物理学者ヘンリー・モーズリーは27歳の若さで戦死してしまいました。
※X線の周波数の平方根が原子番号(原子核の電荷)におおよそ比例する法則。
「大統領になればいい」
アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディはモテモテでした。マリリン・モンローも愛人の一人でした。
「猫を飼えばいい」
フランスの作家フランソワーズ・サガンは自由に生きた人でした。サン=テグジュペリとは違い、こちらは本当の #joke です。
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文学にあるモテはどうでしょうか。
1.人前で口説かない(風姿花伝)
2.勝てるモノを持つ(金瓶梅)
3.約束は守る(オルフェとエウリュディケ)
4.秘密は守る(エロスとプシュケ)
5.時間を守る(オデュッセウスとペネロペ)
6.別れたら忘れてあげる(初恋)
7.でも時折思い出して泣く(桜の園)
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1.人前で口説かない(風姿花伝)
世阿弥『風姿花伝』(岩波書店、1958年)に「秘する花を知る事。秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず、となり」とあります。
恋は秘めたるものです。人前で口説いてはいけませんし、知られるのも恥ずかしいと考えるべきです。
恋すてふ 我が名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
——壬生忠見
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
——平兼盛
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2.勝てるモノを持つ(金瓶梅)
『金瓶梅』は明のエロ小説です。潘金蓮、李瓶児、龐春梅という女性の名前から題名がつけられています。
5大モテ要素が登場します。
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