「あこがれ」製作ノート2
「あこがれ」はあえて「夢オチ」にしました。
「夢オチ」を使ったのは、じぶん史上はじめてのことです。
とはいうものの、シナリオ段階では「夢オチ」に抵抗するもうひとりのじぶんが強く出ていて、何だかスッキリしないラストになってしまっています。
撮影はシナリオ通りに行いましたが、編集段階で大幅にカットして、なるべくシンプルな「夢オチ」にしました。
撮影後に体調を崩して、すぐ編集に入れなかったことで、頭を冷やすことができたのかもしれません。
「寝言」で得た反省とは、物書きとしてのじぶんと、演出者としてのじぶんを、もっとハッキリ切り分けねばならないということです。
物書きのじぶんは、つまらないことゴチャゴチャと考えすぎる。ながいこと、それが演出者のじぶんにとって不満でした。
「演出者」が「物書き」を、もっと厳しくコントロールしなければならない。「寝言」を作ったあと、そう考えました。
クライマックスの会話シーンは、「意味のない会話で長く持たせる」という「演出者」からのリクエストで、「シュレーディンガーの猫」という科学史上有名な思考実験をネタに、「物書き」がなるべく考えすぎずに書きました。
その結果、じぶんではとてもいいシーンができたと思っています。
完成した映画はあまり見直さないのですが、「あこがれ」はもう何十回も見ていて、それでも飽きません(笑)。
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