「私のいない世界」製作ノート1

昔見たジャン・コクトーの短編「冷淡な美男子」に着想を得ました。

「冷淡な美男子」は、愛を乞う女と、それに一切反応せず、まるで彼女が存在しないかのように振る舞う「冷淡な美男子」の映画です。

ふたりはひとつの部屋、同じ画面に存在しながら、一切コミュニケーションをとらないので、見ようによってはふたつの「ひとり芝居」が重ね合わされているようにも見える映画です。

「私のいない世界」にも、はじめは一切しゃべらない記号的な男を登場させるつもりでした。

ひとりの男に対して、いろいろな年代の女性が一方的にしゃべる。世代の違う6人くらいの役者で、ひとりにつき1本の短編をシリーズで作ったら面白いんじゃなかろうか。同じ男が、相手役によって父親になったり恋人になったり夫になったり息子になったりする。最初の構想はそんな感じでした。

結局、制作的に考えて最初の構想は捨て、女性のひとり芝居にしたのですが、その際もうひとつ考えたことがありました。

それはまた次の記事で。


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