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テレビ出演時の心構え: クリエイターの尊厳を守ろう

ミニチュア陶芸を始めてから、その物珍しさが反響を呼び、たくさんのテレビ出演をさせて頂きました。

出演したテレビ番組
NHK:墨田区を散歩する内容の番組
日本テレビ:ぶらり途中下車の旅、スクール革命
TBS:Nスタ、ひるおび
フジテレビ:めざましテレビ
テレビ東京:所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!
AbemaTV:ABEMA TIMES

テレビ出演は、クリエイターにとって大きなチャンスですが、同時に予期せぬ落とし穴も潜んでいます。

わたしの経験から、テレビ業界の一部に見られる傲慢さや、クリエイターの意図を歪めかねない取材手法について警鐘を鳴らしたいと思います。

まず大前提として、番組はテレビ局が放送しますが、実際に制作しているのは下請けの制作会社です。

この制作会社が少し厄介で、ほとんどの制作会社が「テレビに出させてやる」というスタンスで接してきます。
※制作会社にもさまざまあり、中には真摯な対応をしてくれるところもあります。

そのため、撮影のスケジュールを含めほとんどが制作会社主導で進んでいきます。
こちらが連絡してもなかなか返信がないけど、あちらからの連絡は返事を急かされる…みたいな感じです。

スケジュールも基本は制作会社の都合で、なかなかの無理難題を言ってくることもありました。
実際にあった話ですが、窯に入れるシーン(5秒ほど)と焼き上がり窯を開けるシーン(5秒ほど)を撮影するために1週間で2回自宅の工房に撮影に来たりしました。

これはちょっと大変でそれなりにイライラもしましたが、制作会社も仕事(映像をテレビ局に納品することが仕事)なので、それを理解しないと取材対応は本当に嫌いになります。

もしあなたがこれからテレビに出演するとなったときに、以下のことに注意すると良いと思います。


事前の準備が肝心

  • 出演の目的を明確にし、伝えたいメッセージを整理しておく

  • 想定される質問とその回答を用意する

  • 番組の性質や視聴者層を把握し、適切な話し方を心がける

契約内容の確認

  • 放送内容や編集権について、事前に詳細を確認する

  • 肖像権や著作権に関する取り決めを明確にする

取材時の注意点

  • 過度に誘導的な質問には注意を払う

  • 言葉を切り取られる可能性を意識し、簡潔明瞭に話す

  • オフレコ情報の取り扱いに気をつける

編集への関与

  • 可能であれば、放送前の内容確認を申し出る

  • 意図が歪められている場合は、修正を求める勇気を持つ

  • 編集権は局側にあることを念頭に置き、冷静に交渉する

SNSの活用

  • 放送後、自身の意図が正確に伝わらなかった場合は、SNSで補足説明を行う

  • 視聴者からのフィードバックに耳を傾け、建設的な対話を心がける

経験を糧に

  • 良かった点と改善点を自己分析し、次回に活かす

  • 他のクリエイターと情報交換し、業界の傾向を把握する

メディアトレーニングの重要性

  • カメラの前での話し方、姿勢、表情などを練習する

  • 予期せぬ質問への対応力を養う

自身のブランディングとの整合性

  • 出演する番組が自身のブランディングと合致しているか検討する

  • 長期的なキャリア戦略の中でテレビ出演をどう位置づけるか考える

  • 出演が自身のファンにどう受け取られるか予測する

多様性と包括性への配慮

  • 発言が特定のグループを傷つけたり排除したりしないよう注意する

  • 社会的な議論を呼ぶ可能性のあるトピックについては慎重に言葉を選ぶ

  • 自身の経験や視点の限界を認識し、謙虚な姿勢を保つ

テクニカルな側面への理解

  • 照明や音響の基本を理解し、最適なパフォーマンスができるよう準備する

  • 衣装や化粧について、カメラ映りを考慮した選択をする

ネットワーキングの機会として活用

  • スタッフや他の出演者との良好な関係構築を心がける

  • 業界内での人脈を広げる機会として捉える

  • 将来的な協力や新たなプロジェクトにつながる可能性を探る

批評への対処

  • 放送後の批評や反応に対する心の準備をする

  • 建設的な批判は謙虚に受け止め、成長の機会とする

  • 悪意のある攻撃や誹謗中傷には毅然とした態度で対応する

テレビ出演は諸刃の剣です。

一方で適切な準備と心構えがあれば、自身の作品やメッセージを広く伝える絶好の機会となります。
ですが、準備不足や業界の慣行に無知であると、意図しない形で自身のイメージを損なう可能性もあります。

重要なのは、自分の言葉と創作物に対する責任を持ち続けることです。
テレビ局・制作会社の意向に過度に迎合せず、自身の信念や作品の本質を曲げないことが大切です。

同時に、テレビというメディアの特性や制約を理解し、その中で最大限自分を表現する術を学ぶことも必要です。

一度の経験で完璧を求めるのではなく、各出演を学びの機会と捉え、継続的に成長していく姿勢が重要です。

テレビ出演は確かに挑戦ですが、恐れる必要はありません。

適切な準備と心構えがあれば、自身の創造性と情熱を広く世に伝える素晴らしい機会となるはずです。

自信を持って撮影に臨み、せっかくの機会を今後のために活用してください。

テレビ出演を一回性のイベントではなく、クリエイターとしての長期的なキャリア戦略の一部として位置づける意識を持つと良いと思います。

最後に、テレビ局は敵ではありません
制作会社で働いている人も納期に合わせようと必死に働いているだけです。
これを理解しないと、テレビ出演はお互いに不幸になるので、とても辛いものになります。
ですので、「取材してくれてありがとう」「クリエイター活動を応援してくれてありがとう」という意識をスタッフさんに持つことが一番大切です。

この場をお借りして言わせてください。
これまでわたしの活動を取材してくださった全てのスタッフの皆さん、「取材してくれて本当にありがとうございます。おかげさまで現在も活動することがができています。今、フリーランスとして活動をしていますので、取材はいつでもお受けできます。何かありましたら、是非お声掛けください」

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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