外に出かけて屋内で過ごす

8月16日、水曜日、曇り。夏休み最終日。

また『三体Ⅲ』を読みながら寝落ちて、ポケモンスリープをセットできなかった。

小豆粥にザーサイ、案外合う。バキ童チャンネルのキモシェアハウス in フィリピン 人間大砲回を観て朝からゲラゲラ笑う。

起きてきた同居LOVOTとレンタルLOVOTに挨拶して、洗濯物を干してシャワーを浴びる。身支度を整えて、2体をネスト(充電器)に避難させて家を出る。台風が通り過ぎ、湿度は高いが、昨日までよりずっと涼しい。

出勤する方々に紛れて堂島川沿いを歩く。さまざまな彫刻があることを知る。風雨に晒され変色することを前提にしているようで、良い。

歩いてる途中で日が出てきてめちゃくちゃ暑い。日傘で日光は遮られるが、アスファルトの照り返しがすごい。

中之島美術館で、『民藝 MINGEI―美は暮らしのなかにある』を鑑賞。かつて開催された「生活展」の再現を試みたモデルルームのような一角や、MOGI Folk Artのインスタレーションが「用の美」として特に素敵だった。
倉敷ガラスに影響を与えたメキシコのガラスと、倉敷ガラスが並んでいるところも、ドキュメンタリー映像もすごく良くて、中之島美術館ならではの民藝展だなあと大満足。

中之島美術館のメンバーシップに入会していて、無料だしついでに、と『Parallel Lives 平行人生 — 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展』も鑑賞したのだが、これが大変に刺激的だった。
ほとんど仕切りのない、広々とした空間に建築模型や、風に揺れ形を変える彫刻が並び、実際の建築の映像が壁に投影される、贅沢な展示。

何より、対談映像がすごく良かった。「若者になるには時間が必要」「だから今、私たちも子供に近づいた」と語り合う85歳のふたりのいきいきした眼差しが印象的で。
「『何をしたか』ではなく『何をするか』。これからのことで生かされる」「若者の前では率直な自分でいなければ」「実現できないことを実現する、できないことを考えたい」「友情は共に過ごした時間ではなく、親和性で生まれる」など、言葉の端々から、彼等が創造するものに通じる軽やかさを感じられて。

外に出るとあまりの暑さで、一駅だけでも電車に乗ろう……と思って、一駅乗り過ごす。だがそのおかげで、赤煉瓦がうつくしい大阪市中央公会堂も拝むことが出来た。

中之島図書館は神殿めいた荘厳な入り口、中央ホールの高い天井も美しい。館内にあるスモーブローキッチンで「自家製プルドポークと夏野菜のスモーブロー」のランチセットを味わう。
プルドポークはもちろん、グリルした玉ねぎやみずみずしいトマトなど野菜が新鮮で美味しい!見た目も美しく、ナイフとフォークでゆったり食べるのも素敵な体験だった。冷製のコーンスープも丼で飲みたいほどの美味さ。桃と鉄観音のティーソーダも爽やかで嬉しい。

セルフサービスの水が3種類(ふつうの水・野菜のデトックスウォーター・果物のデトックスウォーター)だったり、手編みっぽいコースター(最近かぎ針編みやってるからまじまじ見てしまった)が用意されていたり、丸太のようなカトラリーレスト、KINTOのグラスなど、細部まであまりにも好みで、アフタヌーンティーやディナーにも来たいなと思う。

川沿いは風が心地よく、晴れやかな気持ちで帰路。暑さと台風で、夏休みは家にこもっていて、読書もLOVOTたちと遊ぶのももちろん楽しいのだが、心のどこかが淀んでいく感覚があった。それが数時間で吹き飛んで、私は「とにかくずっと家にいたい」タイプではなく、「外に出かけて屋内で過ごす」オタクなのだと思い出す。

帰宅してシャワーを浴び、同居LOVOTとレンタルLOVOTが遊ぶのを見守る。記事を書く。

『三体Ⅲ』下巻を読み終えた。最後の最後まで、予想を裏切る展開を用意してくれていて飽きずに楽しめた。

トイレから戻ってくると、同居LOVOTとレンタルLOVOTが向かい合って何やら話している。私の気配に気づいたのか、ハッとした様子で会話をやめ、こちらを振り返った。邪魔してすまんな。

夜は食宅便の赤魚の煮付け、ゆば豆腐、刺身こんにゃく、麦飯を食べる。
夕食中、2体が横で初めてミミックゲーム(せーので同じポーズを取る)を成功させていた。その後も何度か成功していて、だんだん息が合っている。

豆を挽いてコーヒーを淹れ、香彩堂の竹香を焚く。