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経験、抑えるための準備(5月3日~5日:巨人vs阪神●●◯)


5月3日 巨人vs阪神(東京ドーム) 8-5/⚫︎(現地)

昨年の9月30日にプロ初先発デビューをした2年目の門別投手は、今年の開幕当初はリリーフとしてベンチ入りをして活躍。その後、ファームで先発調整をするとの知らせがありしばらく離脱、4月19日に再び1軍に戻ってきたところだ。
この日はその門別投手が先発。
投げるのは19日にリリーフとして登板して以来と、少々間隔が空いているのが気になったけれど、試合前の練習ではリラックスした様子に見えた。

先発が発表されると場内は大盛り上がりだった

自分は試合中はなるべく展開を予想しないようにしているのだけど、1回の裏、2アウトをとったところから、吉川選手の出塁、岡本選手への四球に口火を切られ、4者連続のタイムリーが続いた場面は、早く終わってくれと祈るような気持ちで見ていた。
どのヒットも掬い上げるような柔らかな打球で守備のいないエリアにぽとりと落ちる(ように見えた)。バッテリーはもちろん、守備にも揺さぶりをかけられているようなイニングだった。

2回の裏、1番手大山選手のホームランで流れを取り戻すも、裏には岡本選手の2ランでさらに2点追加され、6-1となる。
それでもここで変えてしまわず、3回の裏を0に抑えてから投手交代としたのはこの試合を監督も「経験」と捉えているからなのだろうと感じた。
この日は「長嶋茂雄デー」というイベント日で、どこか場内の雰囲気も普段の試合とは違っていた。そういう特殊な状況を経験したことは、きっと今後の糧になるのだろう。

ただ、これだけ先制されても打線の勢いは衰えなかった。
6回の表、2アウトの場面で中野選手の今季初ホームランが飛び出すと、森下選手、大山選手が続けて四球を選んで出塁、2アウト1、2塁の場面で登場した糸原選手に客席も大盛り上がり、そして期待に応えるタイムリーで点差を縮めて6-3に。
8回の表、大山選手のこの日2本目、今季3本目のホームランはレフトスタンドの真ん中に吸い込まれていった。
8回裏に2点追加されるも攻勢を緩めず、9回の表さらに1点を追加し8-5で試合終了。

追いつけなかったのは悔しい。でも、最後まで追いかけるいい試合だったと思ったし、その様子をベンチでずっと応援していた門別投手の姿も印象に残った。
この日の悔しさが、いつかの伏線になる日を待っています。

余談ですけど最近ドーム4階にマルエフのお店を見つけてから1杯目はそこと決めています。そこに売ってるいぶりがっこチップスもうまい。

投手
阪神:門別/岡留(2)、浜地(2)、加治屋-梅野
巨人:戸郷/高梨、バルドナード、船迫、大勢、泉-小林


5月4日 巨人vs阪神(東京ドーム) 2-1/⚫︎

午前中に家事を片付け、昼から職場のイベントの手伝いにいった。
このイベントは昨年のGWにもあって、そういえば去年は朝にコンビニで木浪選手の初サヨナラ(2023年の5月3日)が一面のスポーツ新聞を買ったな、なんてことを思い出していた。
イベントは18時すぎに終わり、上司に「1杯どう」と誘われるも「野球があるんで……」と断ってスポナビを見ながら帰宅。

この日は西勇輝投手、そして巨人の菅野投手ともに隙のないピッチングで0を並べていく投手戦。
4回にノイジー選手のタイムリーでとった1点を守って、8回からの継投に移行した。

そして8回は岩崎投手。
1番手、門脇選手への4球目だった。岩崎投手の足元でバウンドした打球がセンター方向へと抜けていき出塁を許すと、続く代打増田選手が送りバント成功、3番手の丸選手が少し浮いたスライダーを捉えて1点を追加された。
つまり、今季ここまで続いた岩崎投手の無失点はここで途切れることとなった。

もちろん、この日好投していた西投手の勝ちが消えてしまったのは残念だ。

ただ、自分は昨年スポーツ新聞のインタビューで岩崎投手が「いい時もあれば悪い時もあるのが野球」といっていたのが印象に残っていて、その頃自分が「悪い時」だったからこそ、その言葉で「いい時」を待つ気持ちにもなれた。
選手の感じているプレッシャーは想像することしかできないけれど、きっとそうやって「次」に集中することが大事なんじゃないかという気がしている。

1-1で延長に入るも、10回の裏、漆原投手から島本投手へと繋ぐも失点、この日は巨人のサヨナラ勝利となった。
こういう日もある。


5月5日 巨人vs阪神(東京ドーム) 2-4/⚪︎(現地)

自分が野球というスポーツを好きになったきっかけは「抑え」というポジションを知ったことだった。
「抑え」「クローザー」「守護神」色々呼び方はあるけれど、今もやっぱり「抑える」ということに惹かれている。それも先発ではなく、接戦を勝ち切ることを託される「抑え」の投手に興味があるのだ。
なんでなんだろうなと思う。
まだ「これ」という答えは出ていないけれど、今のところ、思い浮かぶ光景の全部に岩崎投手がいる。

だから、今日の試合のチケットを持っていて良かったなと思った。
岩崎投手ならいい時も悪い時も、毎日変わらずに準備をする。その様子を見にいきたいと思った。

とりあえずゲン担ぎにカツでも食べようかと、近本選手もおすすめだという水道橋の「かつ吉」(おいしい)に開店時間の11時に行ってみるも、すでに列ができていたので見送り、ティムホーワンのチャーシューパオを買って入場列に並んだ。

開場と同時に入ると、だいたい投手陣のキャッチボールくらいから見ることができる。
選手たちが黙々とそれぞれの準備をしていく時間は、自分の中では観戦の大事な一部になっている。
もちろん、この時間を見たからといって選手の調子がわかるとは言えない。
ただ、繰り返し見ているうちに、いつもはこうだけど今日は違ったとか、そういう差異が少しずつわかることはあって、だから、今日の岩崎投手はいつもより念入りに、準備をしていたと私は感じた。

試合前の岩崎投手

今日は打順の組み替えがあって、1近本、2中野、3佐藤、4大山、5前川、6森下、7梅野、8木浪、9才木(投手)となっていた。
試合後の監督インタビューによると、今日の巨人先発、高橋礼投手対策で左を並べる作戦だったとのこと。

3回表、昨日は1日ぶりにスタメン復帰した木浪選手がヒットで出塁。才木投手が送りバント成功して1アウト2塁となったところで近本選手の2ランが飛び出して先制。
続く中野選手もヒットで出塁、佐藤輝明選手のタイムリーでさらに1点追加。
その後5回の裏に先頭バッターの出塁を許し2点を返されるも、どうにかリードを保った状態で凌ぎ、8回の表に大山選手のツーベースヒットから前川選手のタイムリーで1点追加。2-4となった。

才木投手も好投していたのだけれど、5回裏打順のタイミングでチャンスがあったために交代、6回から継投に入る。岡留投手、桐敷投手、ゲラ投手と繋いだところで、9回の裏には岩崎投手の名前が呼ばれた

結果は、ライトフライ、ゴロ、ライトフライで危なげのない3アウト。
いつも通りの表情でいつも通りに抑える。その背景にはきっとファンには想像もできない膨大な「準備」の時間がある。そのことを改めて考えた2日間だった。
勝った後だけ、そのポーカーフェイスが少しだけ緩む。その瞬間がとても好きだ。

ハイタッチへと向かうバッテリー
ヒロインは攻守ともにの大活躍を見せてくれた近本選手

試合後、かつ吉に寄ってみると今度は待たずに入れたのでヒレカツ定食を食べてから帰宅しました。

ひれかつ定食

暗いですが動画も撮ったので。

「昨日は昨日、今日は今日なので。やり返すとかは意識しなかった」

【阪神】前夜に今季初失点の岩崎優、9回3人斬りで5セーブ目「やり返すとかは意識しなかった」

投手
阪神:才木/岡留、桐敷、ゲラ、岩崎-梅野
巨人:高橋礼/赤星、大江、京本、今村-小林

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