4番と雨天の快音(4月19日〜21日:阪神vs中日○○○)
(写真は2023年8月5日のものです)
4月19日 阪神vs中日(甲子園球場) 7-0/○
野球を見るようになる前は、サラリーマンとスポーツ選手なんて別世界の住人くらいに思っていた。
けれど今は、野球を見ているとつい「組織で働く」ということを考えてしまう。それは野球が「役割」のスポーツだからかもしれない。
中にはこの背中を見ながら働きたいなと思うような選手もいて、自分にとってはそれが大山悠輔選手だった。
力強いスイング、頼れる守備、紳士的なプレースタイル、そしてどんな当たりでも「全力疾走」。昨年も、常に調子が万全であった訳ではないと思うのだけれど、調子が悪い時でも、誠実なプレーで万全に近づけていく、その背中をずっと頼もしいと思ってみてきた。
今年、開幕からここまでまだホームランは出ていない。4月14日には1日限りのシャッフルもあった。
それを選手本人がどう感じているのかは知る由もないのだけれど、
でもこれを自分の職場に置き換えて考えてみたら(???)自分は絶対、大山さんを4番に推したいし、あの人のために出塁したいと思う。
必ず期待に応えてくれると信じて、つられて頑張りたくなる魅力がある人だから。
この日の試合は、先週末ぶりの中日戦。
2回の裏、大山選手、佐藤選手が続け様のヒットで1、2塁、ノイジー選手が四球を選んでノーアウト満塁。そして満塁に強い木浪選手のタイムリーで先制、続けて青柳投手の犠牲フライで2-0となった。
この、打線の「繋がっている」感じは昨年の阪神みたいでワクワクする。あともう少しで、開く扉がある予感。
3回裏に森下選手の4号ホームラン、4回裏は近本選手のタイムリーでそれぞれ1点ずつ加え、迎えた5回裏。中日が先発メヒア投手から福谷投手に変わって2打席目のことだった。
大山選手が打ち返した白球が、綺麗な放物線を描いてバックスクリーンに届いた。歓声が弾ける。待望の今季初ホームランに沸くベンチへ、少しだけ表情を緩めて帰っていく。
その背中を見るのが嬉しかった。
8回には木浪選手、近本選手で作った1、2塁のチャンスを中野選手が返して7-0。
4/6以来、11試合ぶりの3得点以上での勝利となった。
7回の表には昨夜に続いての登板となった島本投手。
昨日はおそらく納得のいかない結果だったのだろうというところで、すぐさま挽回チャンスがあるところに気遣いというか、良い状態に戻すことを優先するという采配を感じる。
8回は岡留投手、そして9回は今日から1軍に合流した門別投手。
門別投手はファームで先発調整をしていたはずなのだけど、再びリリーフとして起用されるようだ。せっかく調整をしたのに? という気もするけれど。
投手:青柳/島本、岡留、門別vsメヒア/福谷、梅野、土生
4月20日 阪神vs中日(甲子園球場) 15-2/○
朝から夜まで出かけていたためリアタイはできなかったのだけど、スポナビを開くたびに得点していて驚いた。
狐につままれたような気持ちでテキストの試合結果を見て、日曜の朝に虎テレを見返した。
1回の裏、中日の先発、大野投手はなかなか制球が定まらない様子で、1番の近本選手に対して四球を出してしまう。これが昨夜のホームランで吹っ切れた大山選手のタイムリーにつながり阪神先制。
2回表で、先週末に続き、対阪神戦特に絶好調な山本泰寛選手のタイムリーをきっかけに2点を返されるも続く2回裏。ノイジー選手が選んだ四球に坂本捕手、木浪選手のヒットが続いて満塁になると、そこから満塁が途切れずこの回なんと12人で7得点を記録した。
シーズン開幕当時の、なかなか繋がらなかった打線が嘘みたいだ。
さらに6回裏には前川選手のタイムリー、7回裏には中野選手、大山選手、佐藤輝明選手、そして前川選手にヒットがでて、なんと合計15点という大量得点で勝利した。
改めて、不調、好調の波を乗り越えていくのがシーズンなのだなと思うし、その波は、ただ待つのではなく、調整して磨き上げ、備えているからこそとらえることができるのだろう。
ファンはその姿に勇気をもらったりするわけです。
そしてこの日は大山選手がFA権を取得した日でもありました。
ずっと阪神にいてくれるといいな…。
投手:大竹/漆原、浜地vs大野/梅野、土生、橋本、勝野、松山
4月21日 阪神vs中日(甲子園球場) 3-0/○
阪神タイガースを応援するようになってから、スマホの天気画面には甲子園駅の予報を追加している。
この日は朝から雨予報だったため、試合はあるんだろうか、と気にしながら、飼っている文鳥の爪切りに行ったり、作り置きのための買い出しに行ったりして14時前に帰宅。
そして小雨が降り続く中、45分遅れで試合は開始した。
阪神の先発は才木投手。
ということは先週の日曜、つまりバンテリンドームでの力投から1週間、負けていないのだということに気づく。
1回の表、岡林選手に対して3球連続でボールを投げたところから空振り三振で1アウト。才木投手はこういう、投げている中での修正が上手い人だなという印象がある。
雨を味方につけているかのような表情も頼もしくて、この人はエースになるんだろうなと思いながら見ていた。
5回まで両者0が並ぶ展開の末の6回裏。
2アウト1、2塁というチャンスに快音が響いた。
「快音」という言葉は野球を見るようになって初めて知った言葉だと思うのだけど、木製バットからこんな強い音が響くんだということに、なんというか胸が疼くような気持ちになる。
その音とともに佐藤輝明選手が打ち返した打球は、雨の中、試合を見守っていた観客席へと吸い込まれていった。
7回表が終わったところで、コールドゲーム。3-0で勝利し、阪神タイガースは今シーズン初のリーグ首位となった。
雨の日の試合って、選手がけがをしないかハラハラしてしまうのだけど、才木投手に関してはプロ初完封も雨の甲子園だったということで、雨も味方に思えてくる。
同学年2人のヒーローインタビューも良かった。
それから、グランド整備の技術力というのも野球を見るようになって知ったこと。上の動画で才木投手がおそらく阪神園芸のスタッフさんにも挨拶をしていて素敵だなと思いました。
投手:才木vs松葉
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