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名勝負と連続ホームラン(7月2日〜7月4日/広島vs阪神○○●)

(写真は6月30日のもの)


7月2日 広島vs阪神(マツダスタジアム) 0-3/○


 今年は0が並ぶ試合が多い傾向にはあると思うけれど、その内容はもちろん千差万別だ。今日9回まで並んだ0は、投手の気迫と好守の光る0だったと思う。
 見ていて何回も「いい試合だな」と思ったし、でも土日に悔しい負けがあったからこそ、今日は絶対勝って欲しかった。

 2回表、先頭の大山選手がヒットで出塁するも、続く3者連続でセンターフライに打ち取られる。
 2回裏、才木投手が自身の悪送球によってノーアウト3塁のピンチを招くも0に抑えて凌いだ。
 4回には阪神がチャンスを2アウト1、3塁までチャンスを広げるも得点はならず、6回には広島が2アウト1、2塁まで詰め寄るも抑え切る。
 投手と投手だけの戦いではなく、どちらのチームも一丸となって、どこかに風穴が開くのをジッとまっているような試合だった。

 8回表、小幡選手が出塁し、才木投手の打順で代打に島田選手が起用された。
 送りバントを成功させるためだけの起用だったら島田選手ではなかったかもしれない。でもこの日は、前にいる小幡選手にも足があること、守備固めのタイミングであったこと、なにより島田選手が好調であることなど、いろんな意味があったのだと思う。結局、この回も得点はならず、才木投手に勝ちをつけることはできなかったが、裏を石井投手/桐敷投手で抑える。

 9回は岩崎投手がマウンドにあがった。
 1アウト1塁の状況で3番手菊池選手の打球がライト方向へ飛んでいった時、ヒヤリとしたが、ライトに入っていた島田選手が俊足を生かしダイビングキャッチで2アウト。
 そして、4番手矢野選手は、3球連続アウトローへのストレートを投げた後の高めストレートで打ち取り、このイニングを0に抑えた。
 抑えた後の岩崎選手が、ベンチ前で拍手をしながら野手を迎え入れていた場面が印象に残る。

 そして試合は延長戦へ。
 10回の表、小幡選手が四球を選んで出塁すると、打順は先ほど好守で投手を助けた島田選手に回ってきた。3球目をライト前に運び、エンドランを成功させる。そして、広島:野間選手の3塁送球がカメラマン席に飛び込んでしまったとのことで、3塁に進んでいた小幡選手がボールデッドで1つ進塁、本塁到達で0-1となった。(ボールデッドのルールは初めて知りました)
 結果的に相手チームのエラーが絡んでの得点ではあったけれど、島田選手・小幡選手のプレーが流れを引き寄せたのだろう。
 続く近本選手がなんと30打席ぶりのタイムリーでさらに1点、続く中野選手もタイムリーで1点と連続して得点、0-3となった。

 10回裏はゲラ選手。
 以前、マツダスタジアムで投げにくそうにしていたイメージがあったので心配していたが1アウト満塁の状況を作るも最後はダブルプレーで無失点、試合終了となった。

 今年の阪神タイガースは、昨年のようにスタメンを固めることはできず、色々と試行錯誤を続けている。でもそれは、スタメンを狙う選手たちにとってはチャンスでもある。
 好調でありながら今日はスタメンを外れていた島田選手の今日の活躍には、チャンスを絶対につかみたいという気迫を感じた。ヒーローはもちろん、島田選手だった。

阪神:才木/石井(1/2)、桐敷(1/2)、岩崎、ゲラ-梅野
広島:森下/栗林、島内、河野-會澤、坂倉



7月3日 広島vs阪神(マツダスタジアム) 1-2/○


 仕事を終えて電車に乗り込んだ頃だっただろうか。
 スマートフォンの通知で先制したことを知り、TLを開いて佐藤輝明選手のソロホームランでの1点だったと知る。前回は交流戦前の、雨の日の甲子園(4/21)で、なんと123打席ぶりのホームランとのこと。
 一軍復帰してからは守備にも安定感がでていたし、打撃も復調しつつあるように思っていたけれど、ついに波に乗ったのだろうか。
 そんなことを思いながら帰宅したのは5回裏の途中、佐藤輝明選手のエラーが絡んで1点を返され同点になったあたりだった。
 でもまだ1-1だから。そう思いながら見ていると、続く6回表、佐藤輝明選手の打球がぐんぐんと伸びていき、スタンドに飛び込んだ。
 自らのエラーを取り戻すかのような打球が嬉しくてつい笑ってしまう。佐藤輝明選手を見ていると、スター選手ってこういう人のことをいうんだろうなと思う。

 この日は先発大竹選手と坂本捕手のバッテリーも素晴らしかった。息詰まるような瞬間にふと挟まれるスローボール。夜に見たプロ野球ニュースで、解説者の方が「打者は悔しいでしょうねえ」と大絶賛していたけれど、速球はなくても、自分の間合いで勝負することのできる大竹投手の活躍は見ていてとても楽しい。

 8回はゲラ投手から桐敷投手へとつないで抑え、9回は岩崎投手。大きなフライ2つとショートゴロに打ち取り1−2で試合終了。
 久しぶりの連勝が嬉しい。

 リリーフ陣3人は昨夜に続いての連投なのが気になるけれど、明日は安定感のある村上投手なのでというのもあるのかな? と思う。

阪神:大竹/ゲラ(0.5)、桐敷(0.5)、岩崎-坂本
広島:久里/ハーン、黒原、森浦-石原



7月4日 広島vs阪神(マツダスタジアム) 7-5/●


 1回裏、広島は1番手秋山選手が出塁、積極的な盗塁と阪神側のエラーも絡んで三塁まで進塁すると、矢野選手のタイムリーで1点先制した。
 今年の村上選手は先制されてのスタートが課題とされていたので、なんとか粘ってほしい、と思っていると、2回表、1番手の佐藤選手が選んだ四球から打線がつながって、小幡選手、村上投手、地下元選手と連続タイムリーで3点を返した。
 村上投手はなんとプロ初打点とのこと。

 しかし4回裏、広島:板倉選手の出塁から立て続けのヒットと送りバントで1アウト2、3塁となったところで、村上投手の暴投が絡んで2-3と詰め寄られる。さらに5回裏にも1点を返され同点。

 7回表、8回表とチャンスを作るも決めきれず、同点のまま継投に入った8回の裏。
 先頭は島本投手だった。広島は先頭の小園選手が出塁すると代走に羽月選手を送った。走者にプレッシャーをかけられながらの投球で1アウトをとったものの、おそらく意図的な四球で1アウト1、2塁となったところで石井投手に交代。
 そしてその代わりばなを捉えた2塁の羽月選手が初球から走って3塁へ。続いて1塁の野間選手も走って2.3塁に。その後、石井投手の暴投も絡んで6-3と勝ち越され、阪神は浜地投手への交代を告げるが、流れは完全に広島だった。2アウト2塁でタイムリーを打たれ、この回広島が4得点で7-3となる。
 この辺りの継投は、週末の神宮を思うようでみていて辛かった。
 特に、失点していない段階での継投は選手のモチベーションにも関わるのではないだろうか。1イニングを複数の投手で繋ぐようなやり方は「特例」であってほしいなと思った。
 一方、今日の広島は1回の裏から徹底して足を使ってプレッシャーをかけてきていたし、それがはまっているのがすごいなと思った。

 そして9回表。先頭の近本選手の三塁打を前川選手のセカンドゴロで1点にしたところで「一矢報いて終われてよかった」というような気持ちになっていた。
 2アウト走者なしの状況で4番の大山選手が打席に立つ。今日は四球での出塁はあったけれどヒットはなし。1本でるといいなあ、と思いながらのフルカウント、捕らえた打球が軌道を保ったまま観客席に飛び込みホームランになった。

 最後の打席は昨日2本のホームランを打っている佐藤輝明選手。広島も投手を抑えの栗林選手に交代する。
 結果は三振で、逆転はできなかったけれど、明日への助走になる終わり方だったとのではないだろうか。

阪神:村上/島本(1/3)、石井(1/3)、浜地(1/3)-梅野
広島:アドゥワ/矢崎、塹江、森浦、島内、黒原、栗林-石原

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