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お弁当からもらったこと

大学3回生の春、4月13日タッカーノの小松さんから筍料理をもらった。
筍料理以外のおかずまでくれて。私は嬉しくてうれしくて。感情をうまく表現できないけど、涙が出ました。

2回生の8月にタッカーノに出会って早8か月。いつもみんな明るくて元気で優しくて。学生の私をいつでも温かく迎えてくれるタッカーノが私は大好き。

ある日、冬が終わりそうな時期に筍の話をした。

一人暮らしだと旬のものを食べなくなりますね~。私にはまだ筍のハードルは高いな~。食べたいけど上手く調理できる自信がない。頑張ってもあくが残ったりして、難しいそうだし、手をつけがたい。でも筍食べたいな~

なんて、ゆるゆると笑いながらいつも通りに。

確かに、その話の時に小松さんが
「よし、わかった!そういうことね!」
って
言ってくれたのは覚えてる。
でもそれがまさか本当だなんて。

4月13日朝、授業に15分遅刻か~、まぁセーフ。なんて思いながら、ばたばたと準備をし、1限の授業のために大学に向かおうと家を出ようとしていた。
電話が鳴って、誰かと思ったら、小松さんだった。
「まだ授業始まってない?少し話しても大丈夫?」
「ハイ」
「今日筍炊くから、おすそ分けしようと思うんだけど。今日はセンターお休みだから、センターにはいかないでしょ」
「そうですね」
「立命のあたりにも行けるけど、お昼から夕方にかけてなら、届けに行くわよ。」
「え!?いいんですか?!すごくうれしいです。ありがとうございます!そしたら立命に4時半頃にきていただけますか?」
「うん大丈夫よ、立命に4時半ね」
「はい、お願いします!」


もう嬉しくて、一人笑みをこぼした。

授業を終えて、きたる4時半。大学の前には、車に乗った小松さんがいた。
そして、受け取ったのは、なんとこれだった。


「すぐに食べられるようにお弁当にしたわ」
「こんなにいただいちゃっていいんですか。」
「いいのよ、筍が小さくてね。少しあくも残ってるかもしれないけど、まずかったらごめんね。でもあげるって言ったからね。」
「とんでもないです。ありがとうございます。涙が出るほどに嬉しいです。」
「いえいえ、これから帰るのね。気を付けてね。じゃあまたね。」
「はい、ありがとうございます!」

受け取ったお弁当はほのかに温かかった。
料理の温かさをここまで、しみわたるほどに感じたことがあっただろうか。
うれしかった。感動した。なぜか涙があがってきた。

お弁当の温かさ、ぬくもりを感じた瞬間、自分の大学生活の今まですべてがよみがえった気がした。

いろんな人への感謝で涙があふれたのかもしれない。
「私って幸せだな。私って、色んな人にささえられてるな」って。


大学に入学してからたくさん活動をして、いろんな人と出会って、人と環境にはほんとにほんとに恵まれてきた。入学してすぐに金山先生に出会い、

障害者スポーツに関心が強まった。2回生になって、障害者スポーツに本気になって以降、今までとはまた違う出会いがあった。学生じゃなくて、障害のある方。高齢の方。普段の生活ではなかなか関係をもつこともないような人たち。
たくさんの出会いの中でも、大切な出会いの1つがタッカーノとの出会い。
車いすの体験会で、空振りばかりのへたっぴの私になぜか声をかけ、

タッカーノに誘ってくれた。練習にいっても、試合にもならない下手さだったけど、いつも歓迎してくれた。
合間を縫って、サーブ練習にも付き合ってくれた。
授業終わりで行けば、行くだけで褒めてくれた。
全然上手くならない私でも
「若い子は上手くなるのが早いわ。」「よくうごいてくれるわ」
っていっぱいちやほやしてくれた。
そんなタッカーノが大学生のわたしにとっては心が休まる居場所だった。

大学で一人暮らしをはじめ、家族という当たり前の存在が近くにいないことに、特別寂しさや悲しさを覚えたことはなかった。でもやっぱり、心のどこかで温かくて、時間がゆっくり流れて落ち着ける、よりどころをきっと探していた。心が求めていた。
床で寝ちゃうことも、買い弁が続いちゃうことも、料理を作ってもおいしくなくて萎えることもあって、やっぱり一人暮らしって難しかった。
そういう経験の中で、食に何も不自由をせず、何もしないで、おいしいごはんがでてくるという、実家にいたころのありがたさも知った。
普段は、とにかく行動派で、動いてばかりの私だけど、

あったかい空気でゆっくりと時間をすごすのも好き。

薄味でおいしいごはんを、ゆっくり食べるのが好き。

活動に追われていて、自分を無下に扱ってしまうこともある。家族がいないとそれに気づきもしないしい、正すことも難しい。
当たり前にあった、家族という居場所から離れ、京都で迎える3年目の春。

今日4月13日、大学前で、小松さんにもらったお弁当から私はいろんなことに気づいた。


一人暮らしの私を気遣い、筍の料理弁当を作って届けてくれた、タッカーノ小松さへの感謝。
私をいつも温かく迎え入れてくれて、可愛がってくれて心のよりどころをくれた、タッカーノへの感謝。
そして、遠くにいても応援し背中を押し続けてくれる家族への感謝。今だって一番近くで支えてくれているのは家族。
だから私はいつも頑張れる。

色んな人に支えられて頑張れる。ベタな終わりだけど、

心からのありがとうを改めて。


ありがとう、タッカーノ
ありがとう、小松さん
ありがとう、ねね、れっぴ
ありがとう、まま、ぱぱ。


大学3回生 まだまだいろんな人にお世話になりながら、

進もうとする私です。

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