ラノベ切り裂き炎上を見て、思ったこと。

 いつどこのどなたが、とは言及しませんが少し前に「オタクが嫌いだから昔、学校に気持ち悪いライトノベル持ち込んだ奴からそれを没収して切り裂いてやった(要約)」という発言が炎上していました。

 当然(?)否定派が多く、そもそもの話として法に触れる「器物損壊」という蛮行に及ぶのは理由があってもダメでしょ、というコメントが多かったと記憶しています。

 僕は言うまでもなくオタク、つまり炎上主から見れば「敵」ですし、もしも大切な物を踏み躙られましたらばそれは到底許せることではありません。
 ですが、炎上主の投稿をさかのぼり背景を知ることで共感する部分も見えてきました。

 炎上した人の両親は二人とも二次元コンテンツを好み、創作も楽しみつつイベントで作品を頒布していたそうです。
 両親に幼い頃から「良さ」や「好き」「推し」といった情報を与えられ育ち、それに対する反発から哀しいモンスターが生まれてしまったように見えます。
(本人はジャニーズや韓流ジャンルを推してるようです)

 人様の家庭に物申すのは気が引けますが、親御さんの大きな問題は二つ。
 押し付けてしまったこと・寄り添えなかったこと。

 炎上主の投稿から「両親のようなオタクは唾棄すべき存在」「自分がジャニ曲を聴いていたら嫌な顔をした」という情報があったので、そう感じました。

 好きだったり楽しいコンテンツがあっても、過度に押し付けるのはよくありません。
 また、自分の嗜好と対極に位置するものを身内が楽しんでいたとしても、それを露骨に嫌がったり悪し様に扱うのは悲しいことです。

 なお、僕は実の妹を通して以前「押し付け過ぎは良くない」を痛感しました。
 楽しくてつい語ってしまう、饒舌になってしまう。
 その結果最終的に「〇〇(その作品)のこと嫌いになりたくないから、その話しばらくやめて欲しい」と言われました。
 恥ずべき過去です。

 アニメにせよVにせよ、つい語りたくなってしまったり「続きもう見た!?」と聞きたくなる気持ちがたまにあるので、そっと控えめに生活するためにクソデカ感情はnoteに書き散らかしています。

 炎上の話に戻りますが、炎上主に対して「そういう両親羨ましい」「英才教育じゃん」という反応も過去にあったそうです。
 
 僕もオタクなので「いいなぁ」と感じる半面、親目線での「好き」や「楽しかった」とそこから派生する『だからこそ、自分の子供にもそれを伝えたい』という願いが必ずしも子供目線の幸福ではないとは実体験を通して知っています。
 
 詳細は省きますが、身に覚えがあるというか両親由来で過去に散々嫌な思いをしたり苦しかったことがありました。
 本人達に悪気はなかったことも今となっては理解してますし、怨むことなく割り切れています。

 僕はたまたま人間関係に恵まれ価値観や考え方を更新する機会があっただけで、今回の炎上における根本原因に近しいものは未だに思い出せるので他人事とは思えません。

 結論
 親と子、友人同士、彼氏彼女やネッ友、関係性がどうであれ「好き」や「楽しい」を共有できるのは素敵なことです。
 ただ、その前に土台の人間関係や「相手や相手にとって大切なもの」を尊重し寄り添うことが重要だと再認識しました。

 僕も熱が入ると忘れてしまいがちなので、襟元を正したいと思います。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?