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ちょっと思い出しただけ


先週、『ちょっと思い出しただけ』の公開記念で、一週間だけ映画館で『ナイト・オン・ザ・プラネット』が上映されてたので、恋人と観に行ってきました。

まずナイトオンザプラネットめっちゃ良かった。しかも、今の時代で映画館のスクリーンで恋人と観れるなんて。めっちゃ良かった。

そしてその一週間後、『ちょっと思い出しただけ』も観に行ってきました。これは恋人とではない。

断言します。
この映画、ナイトオンザプラネット観てから観た方がより楽しめます!
こんな名作観てるに決まってんだろ!て方はそれでいいのだけど、今まで見てなかった私のような人には是非観てからその記憶の新しいまま、『ちょっと思い出しただけ』も観てほしい。
ていうかナイトオンザプラネット観てほしい。

ほんじゃあらすじ

怪我でダンサーを諦めた照生と、タクシードライバーの葉。かつて恋人同士だったふたりは、6年間の7月26日について少し思い出す。特別な日や何気ない日常、同じものはひとつもない。しかしそれらは、ふたりにとって、もう戻る事のできない愛しい日々だった。 



さてここからはネタバレしかないので、観てない方はここまででお願いします。ただ最後にこれだけ伝えさせて下さい。

池松壮亮がめっちゃデコ広い瞬間があるのでそれを楽しみにしていてください。



もう観た方にはちょっとでも共感してもらえると嬉しいです。


伊藤沙莉さんが演じる葉(ヨウ)は、思った事はすぐ口に出して言っちゃうし、なんでも言ってほしい、"言葉にしないとわからない"と思ってる人間だ。

一方池松壮亮さんが演じる照生(テルオ)は、二人が仲を深めてからもなかなか告白の言葉が言えないし、足の怪我のことも相談しないで一人で抱え込む、でも"言葉にしなくても、大事なことはちゃんと伝わってるでしょ" 派の人間なのである。

これ、めっちゃ共感してしまったのですが????

男と女、ってまーそんな大きい括りにしてはいけないですけども、やっぱ女の人は言葉にして伝えてほしい!って思う人多くないですか?
私も、葉ちゃんの気持ちめっちゃわかるんだよなあ〜〜〜。やっぱり言ってもらわないとわからないことってあるよ!不安になるよ!言ってよ!って思う。

でも客観的に見てみたら、葉ちゃんたまにウゼェ〜〜笑


タクシーの中で喧嘩してるシーンとかなかなかウッてなった。私はあんまり口に出して恋人に不満をぶつけるタイプではないけど、心の中で思ってることは似てたから、まるで自分のよう、、、て思った。気をつけたいと思いました。

タクシーから照生を無理やり降ろしてそのまま走り去る葉。バックミラーを見て一言。
「追いかけてこないのかよ」

って、足怪我してるから追いかけてこれるわけねぇー!て野暮なツッコミを心でしてしまいました。


ついでに心で突っ込んだポイントは、閉館日の水族館に忍び込んだ時の警備員のザルさ!!ちゃんと巡回しなさいよぉ〜!!

見つかるてぇ〜!!!!!


この映画さ、照生の誕生日である7月26日を一年ずつ逆行していく、って構造なんだよね。

だから、別れた後別々に過ごしてる二人の日常から始まって、なかなか二人のシーンがないんですよね。
別れた後の多分まだ引きずってる感ある時期とか、別れる直前の喧嘩とか、わりとしんどめの展開が続くんですよ。(そんなにしんどくはないけど)

そこから段々付き合ってる時の幸せな日々のシーンに変わっていって、「来年の誕生日はプロポーズしよ」と言って二人でケーキを食べて、世界で一番幸せと信じて疑わない二人の姿とか、それから付き合う直前の初々しい姿、そして出会ったあの日に逆行していく。
どんどん綺麗な思い出が蘇っていって楽しいはずなのに、でもそれは本当にただの綺麗な思い出なだけであって、絶対に戻らない日々なので、、なんか、、、どんどん苦しくなっていくんだよなあ不思議だなあ。

このシーン可愛かった。
来年も一緒にケーキ食べたかったね。。


最初に「どっかで会ったことありましたっけ?」て照生が尾崎世界観に言った時は、どう言う意味?てなったけど、最後まで見たらあーってなった。なるほど、面白い。

クリープハイプのナイトオンザプラネットもめっちゃ良いと思った!久しぶりにクリープ聴きたくなったよ。

◆ 

私はこの映画を観ながら、なにを、あるいは誰を"ちょっと思い出す"かしら。そんな風に観る前は思っておりましたが、実際観てみて思い出すのは今の彼のことばかりでした。

ちなみに私、『花束みたいな恋をした』も観に行ったんですが、その時は前の彼と別れたばかりで、映画を見ながら前の彼のことを思ってめっちゃ泣きました。

なんとなく、『ちょっと思い出しただけ』もそんな感じの映画なのかなと。

今の彼と観に行くのちょっと気まずくなったりしないかな、と思って友達と観に行きました。

観てる間も観終わった後も、ただ、今の彼のことが愛しくなって、早く会いたいなと思った。

言葉にあまりしてくれないけれど、彼も私を大事にしてくれてるのはわかる。照生のように、あまり口に出して言わない人なのだ。
でも照生は照生なりにちゃんと伝えてたよねぇ。ちゃんとそういうのも気付ける人でありたいな。

葉と照生も最初は別れる未来なんて想像はしてなかっただろうし、ちゃんとお互い大好きだったのに、なんで人って別れるんだろうね。

この人!て思っててもその人とは別れて、意外なとこで出会った人と結婚したりするんだよね。まさかニューヨーク屋敷と結婚するとは。本当そういうことだよね。(見終わった後トイレ並んでる時に女の子二人組が「屋敷出てたな」「え、やしきたかじん?」「なんでやねん!」って会話してて面白かったよ)

だから、未来がどうなるかはわからないし、過去のことはちょっと思い出すだけにしといて、今を全力で大事にして生きていきたいなーと思いました。

あと、映画で印象に残ってるのは、葉がさらっと言ったこのセリフ。

「私にとってお金は必要だけど重要じゃないんです」

ナイトオンザプラネットで、ヘルムートさんことミスターランプシェードが言ってたセリフだね!
このセリフ好きだなぁ。

なんか見終わった後、こうやって感想を書いてると、やっぱり過去の恋愛とかも色々思い出すなあ。

かけがえのない日々、大事な思い出たち。

別れた瞬間が辛すぎて、そういう思い出たち全部忘れてしまいたいと思ってたけど、今はそれも忘れたくないいい思い出だったと思えるようになってきた。

まあ戻りたいとかそういうのではなくて、この映画を観てただ、ちょっと思い出しただけ。

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