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業務アプリケーションシステムの開発・構築・運用管理の標準化 (Ⅶ.運用準備:運用環境構築、運用テスト)

業務アプリケーションシステムの開発・構築・運用管理の標準化
(Ⅶ.運用準備:運用環境構築、運用テスト)
Standardization of the software development management infrastructure construction management、and operation management of business application systems. (Ⅶ.Preparing for operations management (operation management infrastructure operational-environment construction、Operational test) . )

鈴木一明
Suzuki  kazuaki

1.はじめに
 本編は、システム運用・保守作業に係る情報サービスの最適化(サービス品質、効率化、安全性、可用性、信頼性等の向上)のために、「第Ⅵ編I T I L 解説と適用」で紹介した業界標準に基づくITサービスマネジメントシステムを構築する事前準備作業について解説する。
 運用・保守フェーズで実施する運用・保守サービス活動については、運用・保守フェーズが開始される以前に取り決めておく必要がある。そのため、システムの開発を行う開発フェーズや運用基盤構築フェーズと平行して行う運用準備フェーズについて理解しておく必要がある。運用・保守フェーズのべ ンダーの調達を行う運用調達フェーズでも、運用・保守要件として、適宜活用するとよい。
 「第I編」で述べたが、運用・保守マニュアルが無いまま、俗人的な運用・保守が行われ、障害が発生しても原因究明が出来ないケースが見受けられる。これら俗人的な運用・保守から脱却して、業界標準 に準じた運用・保守の標準化及び運用・保守作業の可視化を行い、運用・保守作業の透明性・効率化 を図ることが重要である。
 運用・保守準備カテゴリで作成する「ITサービス・カタログ」、「運用・保守サービス・カタログ」、「運用・保守マニュアル」や「運用・保守計画書」等に従い、漏れなく運用・保守サービス範囲を定義することにより、公平かつ適正な運用・保守フェ ーズの調達が可能となる。運用・保守の標準化を図るために、これらの成果物について本編で解説する。なお、運用・保守マニュアルと手順書の作成については、紙面の都合から、次回「第Ⅷ編」で詳細を解説する予定である。
 ITベンダーの開発環境をそのまま運用環境とし、運用環境が可視化されていないままサービスを行 なっているケースが多い。更には、アプリケーション テストの完了に伴い、即、サービス開始ができると思い込み、運用・保守管理を含めた総合的な運用テストが行われない状態でサービスリリースを行うケー スが見受けられる。本編では、運用環境構築の定義、運用テストの重要性について解説する。

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