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東北(宮城県、福島県)と北海道の新型コロナ感染状況の分析(更新日:2021年4月17日)

  東北地方の宮城県や福島県の第4波も3月末に感染ピークとなり、その後、減少している。しかし、北海道を含め変異ウイルス(N501Y)による感染増が4月15日頃から始まっている。
 2020年3月からの新型コロナの感染状況を可視化し、北海道、宮城県、福島県の感染対策に必要な情報を公開する。
 全国的な第3波新型コロナ感染も2月末までに減少傾向(一部大都市は下げ止り)であったが、東北地方の宮城県、山形県や福島県は2月中旬から感染爆発。特に宮城県、山形県は感染拡大が止まらない。山形県は宮城県と同じ経済圏のため、宮城県のコロナ感染と同じ感染推移になると思われる。コロナ対策は、首都圏や関西圏と同様に連携した対策を行う必要がある。
 原因としては、3月11日の東北震災10年目の復興イベントの準備で県外(特に首都圏)からの出張&飲食が原因と思われる。県外からの全員とは言わないが、一部スーパースプレッダーが含まれていたと推測できる。
 対策としては、PCR検査を増やすことが急務である。特に仙台市の場合は青葉区国分町の飲食街の一斉検査及び県外からの飲食店利用者のPCR検査が急務である。更に、接触者調査として政府厚生省の基準ではなく職場、同僚、家族の全員を対象とすべきである。地方自治体の感染推移は大都市からのスーパースプレッダー、若者の帰省や出張等で地方に旅行や出張をし、飲食店に訪れた影響と思われる。昨年の夏のお盆休みと同様に若者の春休みの帰省や旅行等の影響と思われる。

全国0417-0054

全国0417-0064

2.北海道の新型コロナ感染状況
 北海道の新型コロナ感染状況の可視化及び感染推移の最適化を行った。
 第2波の感染状況は、首都圏、関西圏、愛知県、福岡県が感染拡大したが北海道は感染の影響を受けなかった。第3波は、全国同様の感染状況であった。第3波の11月中旬からのGoToトラベル札幌市停止及び飲食店自粛要請により減少傾向となった。自然関数(ガウス関数)の減少率で札幌市のスーパースプレッダーが減少したためクリスマスや師走の感染増加が少なかったと思われる。
 北海道も第4波の兆候が見られる。特に第4波は高齢者率が低いことから疫学調査(接触者検査)として若者のPCR検査を充実させることが急務である。
2.1検査陽性者数と死亡者数の推移
 第3波の日毎の死亡者数の推移は検査陽性者数の推移の約2~3週間遅れて推移する傾向であった。
 既に掲載している『都道府県別の死亡率と高齢者率からみた感染状況の「傾向と対策」』で死亡者率は第1波:8.1%、第3波:3.2%であった。全国と比較すると北海道の死亡者率は非常に高かった。原因については高齢者率は全国の割合とほぼ同じだが、北国の寒さ?旭川の高齢者施設クラスター?なのか不明である。

北海道0417-0101

2.2高齢者数と死亡者数の推移
 高齢者数の推移と日毎の死亡者数の推移は、検査陽性者と同様に1.5~2週間程度の遅れた推移であった。第2波においては検査率陽性者数も第1波と比較すると少なく、更に高齢者の検査陽性者数も少なく死亡者数も非常に少なかった。
 既に掲載している『都道府県別の死亡率と高齢者率からみた感染状況の「傾向と対策」』で高齢者率(75歳以上)は第1波:32.9%、第3波:16.5%であった。また、高齢者数を母数とした死亡率は1波:24.5%、第3波:17.9%であった。

北海道0417-0102

2.3死亡率からの市中感染者数の推定
 東京都と同様に市中感染者を推定した。
 2020年7月に掲載『日本の新型コロナウイルス感染状況の考察』に死亡者数と死亡率及び推定市中感染者に対する検査率から市中感染者数の推定理論を公開している。
 ①検査陽性者数の微分値曲線から最適化関数(ガウス関数)の標準偏差σ、ピーク値、平均値μ、FWHMの初期値を推定する。
 ②死亡率(死亡者数/市中感染者数)の推定値を積極的な検査を行っている海外(米国等)の死亡者率:約1%、日本の医療技術の高さ、検査陽性者数に対する死亡率:3.2%を踏まえて0.8%~1.0%程度と仮定した。総感染者数と検査陽性者数から検査率は50%程度であった。
 ③上記初期値を前提に最小二乗法によりガウス関数で関数適合を行い、感染分布の最適化関数を適合した。
 ④感染者数から検査陽性者数と市中で回復した感染者数を引き算し、市中感染者数を推定した。また、簡易実行再生産数の推移を同時に示した。

北海道0417-0111

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北海道0417-0114

北海道0417-0115

北海道0417-0116

2.4札幌市と札幌市以外の地域との検査陽性者数の比較

北海道0417-0132


3.宮城県の新型コロナ感染状況
 宮城県の新型コロナ感染状況は首都圏や関西圏と異なった推移であった。県外からのスーパースプレッダーの影響により、感染分布も個々のガウス分布になったと思われる。感染状況の可視化及び感染推移の最適化を行った。
 宮城県の検査陽性者数と日毎死亡者数の推移と仙台市の検査陽性者数、高齢者数の推移を図04-01に示した。宮城県の感染状況は検査陽性者の大部分が仙台市である。また、12~1月より高齢者率が低いことから20~30歳台の現役世代の感染爆発と思われる。原因としては、3月11日の東北震災10年目の復興イベントの準備で県外(特に首都圏)からの出張&飲食が原因と思われる。県外からの全員とは言わないが、一部スーパースプレッダーが含まれていたと推測できる。また、簡易実効再生産数と市中感染者数の推移図を図04-16に、感染の増減の指標として検査陽性者数の微分値曲線を図04-11に示した。
3.1検査陽性者数と死亡者数の推移
 第3波の日毎の死亡者数の推移は検査陽性者数の推移の約2~3週間遅れて推移する傾向であった。

宮城県0417-0401

3.2高齢者数と死亡者数の推移
 高齢者数の推移と日毎の死亡者数の推移は、検査陽性者と同様に2~3週間程度の遅れた推移であった。2月11日から高齢者数が増加していることから、高齢者施設の感染対策(関係者の定期的なPCR検査の充実)を進めるべきである。

宮城県0417-0402

3.3死亡率からの市中感染者数の推定
 東京都と同様に市中感染者を推定した。参考に検査陽性者数の微分値曲線と死亡率換算感染者数の推移図を示した。
 死亡率及び検査率を前提として最適化関数(ガウス関数)適合結果と簡易実行再生産数と市中感染者数の推移を示した。

宮城県0417-0411

宮城県0417-0413

宮城県0417-0414

宮城県0417-0416

4.山形県の新型コロナ感染状況
 山形県の検査陽性者数の推移を以下に示す。

山形県0417-0601

5.福島県の新型コロナ感染状況
 福島県の新型コロナ感染状況は首都圏や関西圏と異なった推移であった。県外からのスーパースプレッダーの影響により、感染分布も個々のガウス分布になったと思われる。感染状況の可視化及び感染推移の最適化を行った。
 福島県の検査陽性者数と日毎死亡者数の推移と郡山市の検査陽性者数の推移を図07-01に示した。福島県の場合は、常磐線沿線の郡山市、南相馬市などが感染の大部分であることから、宮城県と同様に東北震災10年目の復興イベントの準備で県外(特に首都圏)からのスーパースプレッダーによる出張&飲食が原因と思われる。なお、福島県の感染状況はいったんは減少傾向となったが、再度感染増になっている。
5.1検査陽性者数と死亡者数の推移
 第3、4波の日毎の死亡者数の推移は検査陽性者数の推移の約2~3週間遅れて推移する傾向であった。

福島県0417-0701

5.2高齢者数と死亡者数の推移
 高齢者数の推移と日毎の死亡者数の推移は、検査陽性者と同様に2~3週間程度の遅れた推移であった。

福島県0417-0702

5.3死亡率からの市中感染者数の推定
 東京都と同様に市中感染者を推定した。参考に検査陽性者数の微分値曲線と死亡率換算感染者数の推移図を示した。
 死亡率及び検査率を前提として最適化関数(ガウス関数)適合結果と簡易実行再生産数と市中感染者数の推移を示した。

福島県0417-0711

福島県0417-0716


6.考察
 日毎の死亡者数の推移は、検査陽性者数の推移から2~3週間程度の遅れている。日毎の死亡者数の推移は、3週間程度の周期でピークとなり、陰陽暦の周期や月の満ち欠け周期なのか?
 東京都のGoToトラベル対処外(7月)対象(10月)、札幌市と大阪市のGoToトラベル停止要請(11月)、名古屋市と東京都のGoToトラベル停止要請(11月)による影響は①7月中旬から全国的感染拡大、②11月から第2波以上の感染拡大③11月の停止要請により国民の自粛意識の高まりにより全国的に増加の高止まりや減少傾向、などの結果が顕著に現れている。
 簡易実行再生産数計算法は放射線物理の散乱理論を参考に、直近一週間の検査陽性者数と二週前の週間検査陽性者数の行列係数と行動係数(行列)から行列計算されるため、感染分布(ガウス関数)関数の変移点で実行再生産数が1.0以下となる。




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