日本の教育の一体なにが問題なのか。

日本の教育に対して問題意識をもつ人が増えている。

一体日本の教育、特に学校教育のなにが問題なのか。

4年に一度行われるOECD経済協力開発機構の調査であるPISAテスト。単に知識だけでなく、実際にその知識を用いて解く問題が多く、世界と比較した日本の学力を測るデータとしてしばしば用いられる。
このPISAテストによると、日本の小学生中学生の読解力、科学的リテラシー、数学的リテラシーは世界トップレベルにある。( 2015年 : 国立教育政策研究所)

一言でいうならば、日本の子供たちの学力水準は高く、その点において我が国の教育は成果を出しているということができる。
ただこの結果を日本の学校教育の賜物というには少し、性急である。

なぜなら我が国の中学生の60%が民間教育を受けており、教育効果の全てが学校によるものだと言い切ることはできないからである。しかし、それでも日本の子供たちの学力が低いという指摘は、難しいんではないかと思う。(学力観にもよる)

一方このPISAテストに付随して様々なアンケートも子供たちに行われた。
子供たちの学習環境や、学校での安心感、勉強への意欲といったアンケートである。

ここで日本の子供たちは衝撃的な結果を残している。
学力ではトップであったのに学ぶ意欲は最下位グループに属しているのである。

学力は高いのに、学ぶ意欲は低い日本人。これがPISAテストから導き出された結果だと言える。

さて、私はこの学ぶ意欲の低下が日本の教育の大きな問題点ではないかと思う。我々の社会はグローバル化とインターネットによって目まぐるしく変化する時代に突入しており、自ら学び続ける姿勢が重要だと言われている。

そのような時代において、学校で強制されなければ勉強をしない。
自分一人では何を学べばよいのかわからない。ひいては自分が将来どんなことに取り組みたいかわからない。そのような受け身の姿勢は個人の幸福にとっても、社会全体にとってもプラスにはならないだろう。

では、どのように学校教育を変えていくべきなのか。
一つの可能性として教育の個別化がある。
一般に教育の個別化というと、それぞれの学習進度に合わせて学習を行うこと。
特にインターネットを利用した動画学習などを用いて行うことを指すことが多い。
これは特に学力に差のあるクラスの中で同一の内容を同一の進度で行うことに問題意識をもっての、個別化促進の意見である。

一方でそのようないわゆる学習進度の個別化だけでは、学ぶ意欲の向上は難しいだろう。自分でわからないところを学習できる動画教材などは結局それに取り組ませるのが難しいという問題点が指摘されている。
そこで必要になるのが、アウトプットの個別化である。

学校教育では扱うべき内容が学習指導要領によって決められているものの、それは最低限学ぶべき内容であり、発展の内容や副教材の使用などはかなり教員の裁量をいれることのできる弾力的な制度になっている。

子供達の学ぶ意欲の喚起にはまさしくこの発展内容の個別化が必要なのではないかと思う。
歴史を学び、そこからオリジナル武将カードを作る。
歴史を学び、そこからこれからの未来を予測しタイムカプセルにして埋める。
歴史を学び、学校中で偉人になりきる文化祭をする。

ちょっと例はあまりよくないけれど笑、なんとなく学んだ知識を人との交流や遊びなんかに活かせる場を作ること。勉強が自分たちの生活を豊かにしてくれる実感の持てる場を作ること、そこが必要なんじゃないかなぁ

単に知識を学ぶだけでなく、その知識をどのようにアウトプットするか、
知識の活用の場の多様化と個別化をすることで、子供達に勉強する理由が生まれ、学ぶ姿勢に繋がるのではないでしょうか。
だって我々が社会に出た時も知識の活用の仕方は様々なのだから。


もう一つ重要なのはそれを自分で選べる選択の自由があること。
自らのわくわくするような発展内容のある課題を、自分で選ぶことができる。



これは人生そのものであってほしいと思う。
自分のわくわくするような仕事を自分で選ぶことができる。
そういう感覚を持った大人が増えたら、日本はもっと面白くなるのではないかと思う。疲れたからここまで。笑



出典
国立教育政策研究所PISAテストhttp://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html#PISA2015


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