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正欲

朝井リョウ著

読書メモ
ひとはだれしも明日死なない前提で生きている。

マジョリティというのは何かしら信念がある集団ではないのだと感じる。マジョリティ側に生まれ落ちたゆえ自分自身と向き合う機会は少なく、ただ自分がマジョリティであるということが唯一のアイデンティティとなる。そう考えると、特に信念がない人ほど自分が正しいと思う形に他人を正そうとする行為に行き着くというのは、むしろ自然の摂理かもしれない

あなたの目の前にいる人間は、あなたが想像しているような人間とは、全く違う。

なんか人間って、ずっとセックスの話してるよね。

それはきっと、誰にも正解がわからないからだ。
人間がずっとセックスの話をしているのは、常に誰かと正解を確かめ合っていないと不安なくらい、輪郭がわからないものだからだ。

「疲れた?」
「疲れたっていうか、なんか・・・」
「あのさ、どんって、私の上に落ちてきてほしいの」
「へぇ」
「知りたいの、私はどっちに感じる人なんだろうって。皆が好きか嫌いかどっちかの意見を持っていることに、私も参加してみたい」
「ほんとに?マジでどんって落ちるよ?」
「大丈夫。現実にできるだけ近い感じで」
「現実を知らないんだけど」
「そっか、そうだよね」
「じゃあ、いくよ、いくからね」
「うっ、重すぎ」
「一瞬、息止まった」
「なるほどね」
「こういうことね」
「人間の重さって、安心するんだね」

「自分は絶対、こんなの重いし暑苦しいって思うタイプだとおもってたの」
「確かにめちゃくちゃ重いし暑苦しいんだけど」
「なんか」
「その分、重石か何かで、自分をこの世界に留めてもらっているみたい」
「ここにいていいって、言ってもらえてるみたい」
「どうしよう」
「私もう、ひとりで生きてた時間に戻れないかも」


「いなくならないで」

ずらずらと、何の脈絡もなしに書き残した読書メモ。
私の考えも、まとまらないままだ。
まとまってないけど
メモなのでこれでよし。

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