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【霞ヶ関用語】ポンチ絵は霞ヶ関の現代アート

ポンチ絵って聞いて何か分かる人ってどれくらいいるんだろう?

関西人は、年配の人がちょっとアホっぽい人を「いかれポンチ」「浮かれポンチ」とか言うので、ちょっと間の抜けたアホっぽい絵を想像する人もいるのではと思う(いや、考えすぎか)。それかフルーツポンチ?

正解は、概略図。お役所で使うときは、事業や政策についてギュッと1枚のパワポにまとめた(詰め込んだ)霞ヶ関現代アートのこと。

サンプルは こんな感じ↓

ポンチ絵

ある役所で、あまりに詰め詰めのポンチ絵を「曼荼羅(まんだら)」と呼んでいて、なんて自虐!と吹き出しそうになった。。。

(曼荼羅。たしかに・・・)

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これ、いわゆる「見やすさ」を重視していなくて、いかに事業の内容を「全部、(例外も含めて)正確に、利害関係者も納得するように」作るかに命をかけているので、本来パワポの強みである、「視覚化」が生かされていないのです。そして、たまに蛇足のようにフリーイラストを入れて親しみやすさを出そうとしたい、やたらとカラフルにしたりするので、逆にビジー(ギュウギュウで見にくいという霞ヶ関用語)になってしまっています。。

お役所ポンチ絵を初めて作ったとき、
「パワポなんだから多くを語らず、目で訴えるんでしょ。多くは語らないよね」
と、あまり説明のない図で表現するパワポ資料を作ったら、

上司から
「斬新だね~」と(多分悪意はなく)感心された。

そして、他局の人からは
「何が言いたいか分からない。このグラフとこのグラフの違いをちゃんと文字で説明するように。例外もちゃんと記載しないと危ないよ」
と言われ、言われるままに修正していくと、どんどん6ポイントとか小さい文字で例外などなど細かい説明を書いた、よく見かけるビジーなポンチ絵が完成していった。

なるほど~これが霞ヶ関アートの作り方かと。

最近は、さすがにこのポンチ絵が世間から不評で、このデジタル社会に馴染まないからか、職員向けの「よいプレゼンスライドの作り方講座」みたいな勉強会も開催されるようになっている。
日々、国民の声にこたえるべく(?)精進しているのです。

個人的には、仕事の中でパワポ資料を作っている時が一番幸せ。
事業や政策のイメージを、いかに綺麗に色やフォントや構図でわかりやすく表現するか考えて絵を描く作業がたまらなく楽しい。