2022/6/7

11時ごろ起床。帰りたくない。
ちょうどまとまった暇があった(やるべきことをやって無いだけだが)ので静岡にある祖母の家に遊びに来ていた。静岡はとにかく天気がいい。常に日が差して明るく空気がからっとしていて、柔らかいそよ風が窓から入ってくる中で昼寝をしていると、「あっ永住かも…」と思ってしまう。そしてここには犬もいる。真っ黒で見る度に肥大していっている犬。おれが昼に起きてリビングに行くだけで走り回って喜ぶ。おれは学校や人間関係やバイトをサボって交通費さえ祖母に出してもらって朝方までクッキークリッカーをしていただけなのに、アイドルの握手会に来た限界オタク(見たことないが)みたいなテンションの上がり方を毎回してくれる。違法に自己肯定感が上がる。

しかしさすがにバイトや学校を完全にぶっちぎる訳ないはいかない。逆に捨てた方がいいのでは?くらいの僅かな社会性が残っているため、家に帰る。永住叶わず。今までは旅行から帰るときに日常に戻ってまた頑張ろう、みたいに思えていたが、今はもはや「日常」が全てを投げ出している状態なので帰宅が何から何に戻ることを意味しているのかよく分からない。どこへ行こうにも何をしようにも、何が何だか分からない。確かなことは、音楽とオモコロくらいだ。

オモコロ編集長の原宿さんとイラストレーターの室木おすしさんがパーソナリティーをつとめるラジオ、「ありスパ」を聞いている時間がおれの全てなのだが、「ありスパ」には古今東西のキムチを食べ比べてその頂点を決める「キムチ一位」という企画がある。この企画で二人から高評価を受けてかなり健闘しているキムチが、川崎市ローカル(?)で市販されている「金龍キムチ」である。せっかく静岡から帰るのだから途中で川崎に寄って一度は食べたいと思っていた金龍キムチを買おうと思い立って電車を乗り継ぎ原宿さんが紹介していたスーパーへ向かう。キムチ一つのために平日の昼間から電車を乗り降りするのはとても快感であります。最高にゃんね。

・・・

ふと空が陰ってすこし雨がぱらつく。11店舗、片っ端からスーパーを回った。おかしい。無い。どこに行っても無い。「金龍」の文字が見えない。ちゃんとラジオ内でここで売ってますと紹介されていたお店を二店舗も回ったのに、その周辺にあるスーパーとか個人商店も片っ端から回ったのに、ついに金龍キムチには出会えなかった。原宿さんは嘘をついていて、実は金龍キムチなどはなから存在しないのでは・・・?疑心暗鬼になりながら揺られる帰りの電車で聴いた柴田聡子さんの「雑感」が妙に響いて、泣いちゃいそうだった。


何もかも投げ出しておいて開き直ることができずずっと気にしている、アルバムをボーマスに間に合わせるにはそろそろ頑張らないとヤバいのに追い詰められれば追い詰められるほど何もできなくなっていく。偶然見た高校の同級生のインスタに恋人とのツーショットがいっぱいあってダメージを受ける。その上キムチも買えない。クッキーは毎秒7百万枚焼ける(そろそろ飽きそう)。

なんかそれでも明日が来るっていうのはおもしろい。明日は久しぶりに学校とバイトに行って最後に焼肉を食べる。みんなありがとう。感謝にゃんね。