十下り目
心たすけと病の元
一ッ ひとのこゝろといふものハ ちよとにわからんものなるぞ
人の心というものは、親神の思召をなかなか悟れないものである。
二ッ ふしぎなたすけをしてゐれど あらはれでるのがいまはじめ
これまでにも不思議なたすけをしてはいるが、たすけの道筋を明らかにするのは今が初めてである。
三ッ みづのなかなるこのどろう はやくいだしてもらひたい
水の中にたまっているこの泥を早く除き去ってもらいたい。
四ッ よくにきりないどろみづや こゝろすみきれごくらくや
際限のない欲の心は泥水のようなもので、その濁っている心を澄み切らせたならば、この世の極楽、すなわち陽気ぐらしを味わうことができるのである。
五ッ いつ/\までもこのことハ はなしのたねになるほどに
ここで話している、心を澄み切らせるということは、これから先も、世界中の人間がたすかるための話の種となる。
六ッ むごいことばをだしたるも はやくたすけをいそぐから
親神は、人間にとって酷いと思われるような言葉を口にすることもあるが、それは、世界一れつの人間を早くたすけてやりたいとの思いからである。
七ッ なんぎするのもこゝろから わがみうらみであるほどに
というのも、人が病み苦しむのも、その原因は各々の心遣いにあるのだから、我が身をうらむよりほかはない。
八ッ やまひはつらいものなれど もとをしりたるものハない
病は誰にとっても辛いものだが、その真の原因を知っている者はいない。
九ッ このたびまでハいちれつに やまひのもとハしれなんだ
この度、親神が明らかにするまでは、世界中の人間は病の元を知らずにいた。
十ド このたびあらはれた やまひのもとハこゝろから
そしてこの度、病の元は各々の心にあることが明らかになった。
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