スクープのたまご 大崎梢

千石社シリーズの第3弾。
入社2年目、信田日向子はのんびりしたPR誌からハードな職場といわれている週刊千石編集部へと移動になった。
移動早々、さっそくベテランの契約社員の村井から行方不明になっている女子高生の勤務先を見つけるようにと言われて、駅ビルのショップをあたることになる…。


ここからネタバレ含む

判定Dの大学に幸運にも入学できて、さらに大手出版社の千石社に就職できた日向子だが、実は週刊誌は許容できなかった。入社して最初に配属されたのは、PR誌で職場のみんなは親切で仕事も徐々に覚えているところ、異例の移動となり、しかも移動先は週刊千石、どうしても許容できない雑誌である…。
日常的に仕事をこなして、最初は点でしかなかったものが、徐々に線につながっていくそんな感じで話が進んでいき、最終話で大きな事件として形が見えてくる構成はなかなか面白いです。ミステリーともちょっと違う気がしますが綿密な構成、最後は伏線もきちんと回収しているところは、ミステリー?でもちょっと違うかな…でも、面白いという感じです。
週刊千石の記者にはとてもなれそうもない日向子が、なぜ週刊千石が存在するのか、なぜ社員の多くは週刊千石に配属されるのか、なぜ簡単な取材でも外注せずに自分たちで行うのか…、いろいろ相いれないことだけれども経験を通して自分なりに答えを見つけていく成長物語としての側面もあります。このシリーズの中では、一番成長しているキャラではないかと…思います。

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