青空の卵 坂木司

外資系保険会社勤務の坂木司には、ひきこもりの友人、鳥井真一がいる。
鳥井はひきこもりといっても一歩も外へ出ないわけではなく、必要があれば外出もできる。プログラマーとして在宅でも働いている。ただ、幼い頃からの複雑な家庭環境のせいで、中身が子どものままである。
そんな二人の前には、日常の謎的な事件が起こる。二人で事件を解決に導くお話。


ここからネタバレ含む感想

探偵・鳥井、助手・坂木のコンビで事件解決していくお話。坂木が謎を持ち込んで鳥井が安楽椅子探偵として解決していく展開です。
謎の解決も面白いのですが、どちらかというと共依存的な二人の関係性の方が気になりました。この物語は、各話で登場するキャラがその後、レギュラーとして登場するので最初は二人だけで始まった物語に、高校の同級生、スーパーで知り合った女性、保険の顧客のおじいさん、視覚障碍者の青年と歌舞伎役者のその友人…どんどん登場人物が増えてきます。
最初、坂木以外の誰も許容しなかった鳥井がそれなりに周りとコミュニケーションをとれるようになったころに、長年海外にいた鳥井父登場で、二人の関係も少し良くなりました。なので、鳥井が自立していく物語になっているのかな…と思いますが、共依存なので鳥井が独り立ちした後の坂木はどうなるのだろうか…。
3部作で続編もあるのでそちらも楽しみにしています。


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