こんなにも全力で
夜間授乳のあと、満腹満足と疲れで、こてーんとぐでーっと私の胸に体をもたれて眠るのをみていて、こんなにも無防備に全力で命を預けてくることに、愛しさとなんとも言えない気持ちで胸がいっぱいになった。とろけたおもちみたいに、くてーっとして、すぅすぅすやすやと眠る息子。
ハタチの頃、初めて抱っこした愛兎との出会いもこんなだったことをおもいだした。
もう何年もうさぎと暮らしたくて、たびたびショップをのぞいていた。ケージに入った真っ黒のその子を、手のひらにすっぽり収まる小さなふわふわのかたまりを、そっと抱っこした。
信じられないことにその温かなふわふわの塊は、こてん、と眠りについた。
そのとき、こんなにも無防備に私に命を預けてくるその仔ウサギが愛しくて、すぐにうちの子にすることに決めたのだった。
その頃やっと迎えられる環境が整っていたのもあって運命だなっておもってた。
その仔ウサギは、長らく私の1番愛しい大切な存在として一緒に暮らしてた。もう、虹の橋を渡って何年も経つけれど、夜中にこてんとねむる可愛いおもちの暖かさで、初めて仔うさぎを抱きしめたときのことを思い出した。
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