16才とまの話8。精神神経科
九日目
「生きている意味はある」
お祖母さんは帰り際、そう言いきった。確信に満ちた目つきで、子供の僕を優しく見下ろしながら。
僕は、まだお祖母さんの境地へ至らぬまま命を終わらせようとしていたことに、一種の戦慄を感じた。一日の疲れはそれを上回っていた。だけど、闇夜の町の家々のひとつに明かりの灯っているのを発見した時のように、荒涼とした胸の中に小さな火が居座っているのがわかったんだ。火はいつ胸いっぱいに広がるだろう。明日か、一年後か、十年後か……あるいは広がらぬままか。火が