田村セツコさんと「ぼっち」の自分
先日、弥生美術館でやっている田村セツコ展、先日行ってきました。会期は3月26日までなのでもうすぐ終わりです。まだの人は急いでください。
毎号、いちご新聞をパラパラとだけ見ているのですが、普通のサンリオな感じ(といえばいいのか)のパステル風味の絵とは明らかに異なる、独特の画風で以前から少し気になっていたところでした。
私が「トラディショナル・サンリオ」と勝手に呼んでいる、日本の抒情画の系譜を汲む人たちの一人なのですが、田村さんはその中でもビビッと元気な女の子を描いてる人なわけです。実際に弥生美術館でそれを感じてきました。
最近、「かわいくてごめん」という歌が流行っていますが、田村さんの描く女の子の絵をみていると、脳内でその歌が再生される気がしました。それは、究極的な自己肯定のメッセージなのだなと思います。自分という、自分ではどうしようもない存在で、周りからいろんな否定的なことを含めて言われることもあるわけですが、ともすると、それで落ち込んで人と関わることが嫌になってしまいますが、そんな周りに言われることなんか気にしなくていいじゃないの、自分は自分じゃないの、というような明るい開き直りを感じられることが共通しているように思います。
田村さんの展示の中で驚いたのが、若い頃の写真で、めちゃくちゃかわいいのです。相当モテたのだろうなと思いました。しかし、帰って調べてみると、結婚せずに独身で通されたようです。
お土産にと思って、美術館で売られていた田村さんの本「孤独ぎらいのひとり好き」を買ってきて、ぱらぱら読んでいたところ、なかなか良いなと思ったので、少し紹介しておきます。
私も、もう若いわけでもなく、かといって田村さんのような心境になれるほど落ち着いてもいない。けども、田村さんのいうように「他人にあまり媚びない、期待しない、甘えない」という傾向は、だんだん強くなってきたとは思います。人のペースに合わせていると、疲れてきてしまう。よくいえば矜持を最低限もつようになったのかもしれません。それで良いのだと思います。私の方は仲良くなりたいなと思ってても、その人にとって自分が必要とされていないと思えるときは、こちらから絡みには行きません。無理に絡んでも楽しくもないものですし。
サンリオのコンテンツは、基本的に、ぼっちな人向けにできていると思っています。一人でも一人じゃないよって、励ましてくれたり。普段一人のことが多いからこそ、そういうメッセージは心に沁みるわけです。
田村さんは、こういう本を出しているくらいだから、きっと人より「孤独」に向き合ってきた人なのだろうな、と思います。
私も、ぼっちを楽しめるようになってくれば、人生もっと生き生きとできるのでしょうけど、そのためにはまだ修行が足りないのかなと思う日々です。
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