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中国ドラマ『晩媚と影』

36話を短いと思えるようになった自分がおかしい。全話配信されているドラマはやめどきがわからない。おのれの肉体が果てるまで見るよね。

ドラマの情報

原題 媚者无疆
主演 晩媚:李一桐(リー・イートン)、長安:屈楚萧(チュー・チューシヤオ)、公子:汪铎(ワン・ドゥオ)
Amazon Prime Videoにて全36話配信中

感想など

 暗殺者組織に入った主人公とそれを守る影の話、女子が強いのはよいことだ。人間界のお話だけど、気だの蠱だの現実離れしている。武侠だもの。

汪铎予習ドラマとして視聴、汪铎の顔があまり好みじゃない(濃すぎ)けど、役柄はとてもはまっていて面白くて人気が出たのもわかるなあ、程度でドラマは見終わった。『陰陽師とこしえの夢』を見たあとはむしろその濃さが良かったんだ!ってなった。ちょっと人間離れした感じがはまるといいよね。あと身体もいいよね。(違 若様のときはどんなときも襟まできっちりしてるから全然見えないけどね。

 これまで見てきたドラマの主人公たちが、神仙だったり将軍とか貴族だったりとかで食べる苦労はなさってない方たちだったので、リアル庶民主人公は初めて。しかもかなり貧乏で、親に売られちゃうところからスタートです。そこで運良く?かどうかはわからないけれど、技術を身に着けられれば生き残れるところにたどり着いたんですな。技術って殺しの技術ですけど。たどり着いたところも地獄、どっちの地獄がましですかって究極の選択をせまられたところに、ちょっと優しくしてくれて人扱いしてくれるすてきな男が現れたら惚れますわね。とにかく懐きますわね。それが主人公CP、晩媚と長安です。助けてくれた順番でいったらほんとは汪铎演じる公子(日本語訳では若様となっているので以後若様)のほうが先だったのに、顔を見せていないのと実行者が違うっていうので初動で完敗、残念。

長安というのは“影”と呼ばれる男で、晩媚の日々の生活の世話から暗殺時の護衛まで四六時中尽くしてくれるわけです。暗殺者はみな女性、影はみんな男性という、そりゃお話が作れますね(腐)・・・それはさておき、もうすりこみはなされているわけですから、そこに四六時中のお世話がつけばそりゃねえ他の人が入り込むすきはないわけですよねえ。若様、残念。

残念残念書いているけど、若様は男主2の立場です。主人公に横から懸想するひと。その立場の人はだいたい想いはかなわないのでね、王道です。若様と呼ばれているのは現国王の異母兄だから。最初は目が見えなかったし、身体は弱いけど、権力はまあまああるし武術も超絶できる。そしてなにより知恵がまわる・・・これがさあほんとしょうがないんだけれども晩媚に選ばれない決定的な理由なわけでさあ。自業自得とは言い切れないのもあって不憫よねえ、って。すかしてたわりには愛情の表現は熱くストレート、むしろ犯罪レベル。何度もバッチーンやられるの。手でも言葉でも。でもめげない。おもしろい。

男二人出てくればどちらが好みかってなりますね。顔は断然長安派!中の人の顔が好み。冷静沈着だけどちょっと感情が見えたときの芝居が最高です。いやそれはどうでもいい。
中身はどっちもどっち。片や愛ゆえに語らず、片や愛ゆえに策を弄す。程よくお願いしたいところです。“ほうれんそう”とか“かくれんぼう”とか恋愛にだって必要よ。

長安と若様にはそれぞれちょっかい出してくる人とお慕いしている人がいる。じゃなきゃ物語は盛り上がりません。いや、そうでもない。この人たちはたいして晩媚にひどいことしません。うそ、したわ。だいぶ鬼畜だったわ。でもすべての恋人たちを呪っている狂ったボスがいるんでね、やさしいほうです。どちらも暗殺者集団の中ではトップの“絶殺”という地位にいる人なので超絶強い。絶殺というのは暗殺を極めている人なのでとにかく強いのだ。ボス以外で。

長安にちょっかい出したのは流光ねえさん。セクシー担当。長安に媚薬飲ませたりしちゃうけど(またこれがエロいんだ)、基本的に恋人たちの幸せを祈っている人なので陰からすごく助けてくれた。集団の中にあって、いかに立ち振るまうか。どうせ集団に属するならば、そこで力を持ち好きなようにするっていうのはある種の正解であると思っているワタクシにはツボな人だった。

若様をお慕いしているのは月影ねえさん。ストロング担当。なんだストロングって。薬毒なんでもござれ。そして武術も超絶強い。いちいちかっこいいの。『私と交渉しようなど命知らずな』とか言ってみたい。軍隊相手に戦って、『月影が守っているから大丈夫』とか言われてみたい。でも若様命すぎるのが玉に傷なの。だから晩媚に嫉妬して晩媚どころか街一個滅ぼすところだった。むっちゃ鬼畜。どんなに強くたって嫉妬はするし、間違いもする。でもそれを認めてなんとかしようとする。使命はもちろん果たす。好きだ。アニメ声が若干気になったけど。

この二人のねえさんがいなければ晩媚はのたれ死んでいた。だからワタクシへの刷り込みみたいなもんなんだけど、主人公そっちのけでねえさんたちラブだった。強くて賢くて自分で立ってる女性はいいよな。

全体的にアクションがとても良いし、映像がきれい。晩媚の中の人、踊れる人だよねって思ったらほんとに踊れる人だった。踊れる人は好きだ。アクションの勘がすごくいいと思う。まだこの先続きがあったんではないかと思わせる終わり方だった。かといって続編はどうかなあ。


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