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合理的な韓国人~日常使いのエコバッグがエコすぎる話

エコまつり

 レジ袋有料化により、エコバッグが浸透してきた最近。さすが日本!素敵なデザインのものが目白押し^^で、ついついアレもコレもと物色してしまう。これじゃいかんと、エコバッグの本来の目的を自分に言い聞かせる。

 ここにもしっかり定義されている通り、「石油資源の節約」と「環境保全」!な~~んてこと言われなくても分かってる。。^^のだが、、

 今、愛用しているカルディのもの。使い過ぎで、へたれ気味カルディを見るにつけ、「新しいもっとお洒落なのが欲しい」と思ってしまう。先日、日本へ行った時にも、店頭に並べられているカワイイエコバッグに心揺れ動いた。ダメダメ!「とっかえひっかえ」がレジ袋を使うよりも環境に負担をかけるわけで、そんな乙女心をグッと押さえつけなければいけない。

 こちらの記事にもある通り、「レジ袋を1回使用するより環境負荷を減らすには何回使わなければならないのか??」この点がとても大切なわけで、ポリエステル製のものだと35回。布製のバッグだとなんと840回だという。布製はエコっぽいイメージが強いが、生産時の環境負荷が高いそう。

 「ポリエステル製の35回だったら、すぐに元取れそうじゃん。」と思ってしまうと危ない。それに加え、最近感じるのは「エコバッグ供給過多なんじゃないか」ってこと。
 2020年にレジ袋有料化が始まってから、もう2年。持ってない人はいないだろうという浸透ぶりなのに、「じゃんじゃん買ってください」と言わんばかりに、お色気満点なエコ祭りがすごい。雑誌の付録もエコバッグ!本屋に行ってもエコバッグ!ダイソーに行ってもエコバッグ!洋服屋行ってもエコバッグ!!これって一昔前よく言われていた「大量生産&大量廃棄」の域に達しているのではないか??と感じたくらい。

韓国のエコバッグ事情

 さて、ここ韓国。韓国人の持つ「エコバッグ」とは??というか、多くの韓国人に「エコバッグとはこうあるべきだ!!!」という概念はあまりないような気がする。観察してみると「モノが入りゃあ、それでいいんじゃない?」という印象だ。
 そもそも、韓国人の買い物スタイルは、日本人のそれとは違う。週に一度ほど、車で颯爽と大型スーパーに出向き、がっつりたっぷり買う。冷蔵庫のサイズも大きいから可能なわけであるが、買ったものをどう運ぶのか?

 精算した後、梱包台へと持っていき、そこに準備されている段ボール箱(もともと商品の入っていた一度使用済みのもの)の中から選び、それに詰める。梱包用の紐や幅広テープも常備されているので、運びやすいように各自工夫できる。

 では「今晩の夕食の食材」を買いに行くときのエコバッグは??少量の買い物に段ボール箱は、面倒。エコバッグを持ち歩く人もいれば、「この袋」を利用したりもする。「この袋」とは?

レジにて。「10Lサイズのを下さい」の一言で、即効いただける

 れっきとした、市指定の「ゴミ袋」である。韓国人は普通に、このゴミ袋に食材を入れてスーパーから家まで持ち帰る。最初、目撃した時は衝撃的であった。「えっ?あれってゴミ袋だよね?違和感すぎる!!」
 でも、よくよく考えれば、ゴミが入る前はキレイな状態なわけであって、全く問題ないのである。レジ袋の代用として、2、3度使った後、ゴミ袋として使用する。なんとまあ、合理100点満点なアイディアだろうか。

みんなでやれば怖くない^^

 ってことで、私も度々「ゴミ袋」をエコバッグとして利用し、街中を闊歩する。むしろ、気が楽だ。「エコバッグ持って行かなきゃ!」と余計な気を使わなくていい。なければ、ゴミ袋を購入すればいいだけのこと。まあ、もちろん見た目はイマイチだが、いちいち気にする人がいないのも韓国だ。

「捨てる」めんどくささ

 韓国では「ゴミの細かい分別」を自分たちで直接行う。
 韓国人の主たる住居地であるアパート群の多くでは、ゴミを分別し捨てる日を、週に一度設けていて、ビニール類、ペットボトル、プラスチック、ビン類、缶類、スチロール、紙類の捨て場が指定される。それもキレイに洗って捨てなければいけないし、ペットボトルのラベルは剥がさなければいけない。分別がきちんとされていなかったりすると、業者が持って行ってくれないことも。以前、分別が徹底されていないことに腹をたてた業者が、回収してくれないことも実際にあった。

アパートの警備員さんたちがきちんと分別されているか
チェックする

 こういった、めんどくさい事情があるせいか、韓国人は「ゴミ」になるようなものを嫌う人が多い。キレイな包装にも興味はないし、靴を買っても箱を持って帰らない人は一定数いる。「モノ」も長く使えるものを買おうとする。(だから多分^^ブランドものが人気)

 こんなそんなを眺めていると、「捨てるめんどくささ」は、むしろ「エコ」を実践するためには、痛感するべきものなのかもしれない。毎週「捨てる日」の度、「ゴミ」の多さにギョッとしてしまう。この感覚が「エコ」のための行動につながっていくんだろう

うちの母もエコすぎた話

 余談を少し。実家の母に、韓国の「ゴミ袋」の話をした。彼女は、「周りにどう思われるか」を全く気にしない人。変わってると言われても、それが正しく理に適っていると判断すれば、その通りに行動する。
 しかしだ。この時は、まさか実践するとは思っていなかった。「ゴミ袋をレジ袋の代用に」は、彼女の心に深く刺さったらしく、翌日、買い物に出かけた母は、市指定の赤い文字で大きく「燃やせるゴミ」と書かれた袋に食材を詰めて、家に戻ってきたのである。レジの人や周りの人はどう感じただろうか?とても日本では真似できない私。母のことを心底「カッコいい」と思った瞬間であった。
 

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