初めてを忘れるな

人間誰にでも初めてがあるわけで
いつしかその初めてが当たり前になっていく。

初めて話した日、家族は手を叩いて喜んだんではないだろうか?
初めて歩いた日、家族はビデオカメラを回したんじゃないだろうか?
初めて友達ができた日、少しの恥じらいと、それを上回る喜びに胸がドキドキした。

初めては尊い。
だけれどいつか当たり前になる。
当たり前に話すし、当たり前に歩く。

それでも初めての気持ちを忘れないことが大事だと思う。
昔の人も初心忘れるべからずと言っているので
おそらくまぁ、だいたいの人は初めての気持ちが大切ということは知っているはずだ。
だけど人はすぐに当たり前に身を沈める。

だから私は、大切なこと忘れないためにここに書こうと思う。

初めてライブに出た日
何もかもわからない状態でライブができる場所をインターネットで探し、小さなライブハウスを見つけて連絡した。
この行動力は今でも見習いたいと思う。

初めてお客さんが来てくれた日
もともとニコ生で配信をしていたのでその関係でライブを見に来てくれる人はいたけれど、それはやっぱりどちらかというと友達だったので、初めて私の名前でライブに来てくれるお客さんと呼べる人が来てくれた時は本当に本当に嬉しかった。

初めてCDを作った日
CDなんてプロにしか作れないものだと思っていたし、私なんかが作ったところで誰が買ってくれるんだ。。と思っていた。
けれど売れた。
枚数にしたら少ないかもしれないが確実に人の手に渡った。
どれほど嬉しかったことか。

初めてワンマンライブをした日
その日その時間を自分のためだけにお金を払い都合をつけ見に来てくれる。
こんなにも娯楽が多い世の中、そして雑務が多い毎日に、ちっぽけな人間のちっぽけなワンマンライブに足を運んでくれたみんなの顔を一生忘れないと思った。

いつだって今を生きていくしかない我々は、過去の置き去りにしていく。
その時の感情も一緒に置き去りにしていく。
そして当たり前になった世の中で、

あー全然お客さん来てくれへんやん。
あー全然物販買ってくれへんやん。
あの子のライブは行くのに私のライブは来てくれへんやん。

いつの頃からかたった一人でも見に来てくれたり買ってくれたことに心の底から喜べなくなった。
もっと来て欲しかった、売れて欲しかった。
そう思うようになった。

向上心は大切だ。
それがないといつまでも同じ場所で足踏みするか、足踏みしていると思っていたはずが気がついたら後ろに下がっていたりする。
もっともっと!という気持ちはなくてはならない。

だけど変な風にひねくれて、拗ねてはいないか。
あの頃の気持ちを忘れてはいないか。

ふとした時に振り返り考え直すことも必要だと思った。

ちょうど3月末から全くステージに立てていない今の状況、
もしかしたら改め直すチャンスではないだろうか。

私が再びステージに立つ時を是非とも目撃して欲しい。
もしかしたらあなたの初めてを私がもらってしまうかもしれない。



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