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木を切るのでどいてください

街を歩いているとよく話しかけられる。

日本でも海外でも。

海外では、カナダを旅行中に旅行者丸出しなのに、道を聞かれ、
ロシアでは時間を聞かれ、アメリカ留学中には、
車を止めて、布教されたこともある。
布教といえば、井の頭公園でもアメリカからの飛行機の中でもされたことがあり、
そんなに人生の目的がなさそうに見えるのだろうかと不思議なほどだ。

日本でも外でお弁当を食べていると、
自転車に乗った親子においしそうなお弁当と言われ、
自粛期間中でさえも、駅前でなぜか蕎麦屋の営業状況について聞かれたりもする。

きっと、世界中によくありそうな顔だからなのだろうか。
確かに考えてみると名字もよくある名前だだったりする。

そんな私がよく声をかけられる友人と一緒にいると、
さらにいろいろな人に話しかけられる。

そして、不思議な場面に二度も出会った。

そう、それは、「木を切るのでどいてください。」というなかなかない状況。

たくさんあるテーブルの中から一番手前のテーブルを選んで
青空ランチをしていると、ある人が話かけてきた。

木を切るから場所をどいて欲しいとのことだった。

他のテーブルは問題ないのに、私達が選んだテーブルには
切った枝や葉っぱが落ちてきそうだ。
離れたテーブルに移動すると、確かに先ほどのテーブルには、
枝や葉っぱが落ちてきていた。

あれから数年。

つい先日、数あるベンチの中から適当に決めた
ベンチで青空ランチをしていると、車がどんどん自分達の方に近づいてきて、
話しかけられた。

車が近づいて話かけられるのも珍しいので、どうしたのかと思うと、
「木を切るからどいてください。」というどこかで聞いたことのあるセリフ。

まさかの人生二度目である。

振り返るとベンチの後には、確かに木がある。
前回同様、離れたベンチで様子を見ていると、
ジェイソンのようなチェーンソーを取り出したおじさんが
豪快に木を切っていく。

こんな経験を二度もすることもあるんだなと不思議な気分になった。

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